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GW帰省時のお墓参りでふと思う「お墓は本当に必要なのか」

LIMO / 2024年4月28日 15時5分

GW帰省時のお墓参りでふと思う「お墓は本当に必要なのか」

GW帰省時のお墓参りでふと思う「お墓は本当に必要なのか」

実家のお墓どうする問題が悩ましい!2022年の改葬件数は過去最高に

春の大型連休は、日頃なかなかできないお墓参りをされた人もいるでしょう。

「一人っ子の我が子に、将来、夫婦の実家の墓守を任せるのは負担が重いだろう」といった漠然とした不安から、墓じまいがふと頭をよぎることがあるのは筆者だけでしょうか。

少子化が進むいま、お墓を継承する立場にある若者たちの意識も変化しています。結婚したり子どもを持つ以外のライフスタイルを選択する人も増えていますから、跡継ぎを必要としない、もしくは引き継ぐ人への負担が軽い供養のスタイルを検討する人は増えていくでしょう。

終活の一環として、自分が入るお墓は自分で決めるという人も増えています。「あの世に行ってまで舅姑と一緒なんて冗談じゃない」「幼なじみたちと共同でお墓を作りたい」など思いは人それぞれ。

今回は調査結果などをもとにイマドキのお墓事情を探っていきます。「実家のお墓、どうしよう」と考え始めた方、そしてその予備軍のみなさんも、このゴールデンウィーク中にちょっとだけ考えてみませんか?お墓のこと。

お墓のスタイル色々「新しい供養の形」とは

少子化、核家族化がすすむいま、ライフスタイルの変化にともないお墓選びにも新しい傾向が。いわゆる昔ながらの「一般墓」のほか、納骨堂や樹木葬など新しいスタイルのお墓に注目する人が増えています。

株式会社アンカレッジが2023年12月に公表した「家族で迎える新年の決断!2023年お墓選び完全ガイド」によると、
お墓の購入で最も人気が高かったのは「樹木葬」。次いで、納骨堂、一般墓でした。承継者を必要としない供養の方法に注目する人は多いようです。

昔ながらのお墓から、自然に還る樹木葬まで

【資料1枚目/全2枚】樹木葬や納骨堂など「新しい供養のスタイル」色々。2枚目の資料では「改葬件数の推移」をデータでお見せします

新しいお墓の種類の表

出所:株式会社アンカレッジ「家族で迎える新年の決断!2023年お墓選び完全ガイド」(@press)2023年12月27日(https://newscast.jp/attachments/HDJN7DlAQZPawW4Uirxj.jpg)

さまざまな供養のスタイルがあるこんにち。同調査では、人気のスタイルを大きく4タイプに分けて紹介しています。

樹木葬

野山の中に散骨、墓標が樹木、自然に囲まれた環境。庭苑型、公園型、里山型などのスタイルがあるのが特徴。

自然環境にやさしく、「自然に還りたい」という気持ちがある人にはおすすめです。(平均価格66.9万円)

納骨堂

遺骨を収納できる室内施設のこと。仏壇式、ロッカー式、自動搬送式などのスタイルがあります。

天候に左右されず手軽にお墓参りをすることができるので、お墓の維持管理を簡単にしたい人にはおすすめのスタイルと言えるでしょう。(平均価格77.6万円)

一般墓

いわゆる昔ながらの伝統的なお墓ですね。墓石に苗字を刻み、先祖代々引き継がれていくことを前提とした供養のスタイルです。家族の歴史を大切にしたいと考えるご家庭ならば、絶対に一般墓を選びたいというケースもあるでしょう。(平均価格152.4万円)

合同墓(合祀墓・共同墓・共同葬)

血縁関係がある人以外の遺骨もいっしょに安置されるお墓です。費用を極力おさえ、将来の供養をまるっとお任せできる点で魅力を感じる人も多いでしょう。(平均価格3~30万円)

新しい供養のスタイルについて触れたところで、本題の「墓じまい」の話に入りましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

墓じまいが増えるいま。そもそも、お墓は必要なのか?

夫婦ともにきょうだいがいない場合など、お互いの実家の墓を引き継ぐことになるケースも増えていくでしょう。

その子どもがまた一人っ子となり、仮にその結婚相手がこれまた一人っ子だった場合……。そう考えると、そもそもお墓を残すことそのものが大きな負担となる可能性も。

お墓の維持管理費用を滞納した場合、一定期間の通知が行われたあと無縁墓として撤去されてしまう可能性もあります。家族のお墓が知らない誰かに処分されるというのは、正直快い話ではありませんよね。

お墓購入予定者の約半数が「墓じまいを想定」

ちなみに、全国石製品協同組合(全石協)が2022年9月19日に公表した調査結果では、お墓の購入を予定している人の約半数(48.9%)が「七回忌まで」「三十三回忌まで」などと、お墓の使用期限を想定しているという結果に。

お墓を建てるときから、その先の墓じまいまでを想定しているというわけですね。中には「墓じまいセット付き」の一般墓を選んだという声も。

改葬件数は増えている

2022年の改葬件数は過去最高に

改葬件数の棒グラフ。色は青。

出所:衛生行政報告例(e-stat)をもとに筆者作成

1998(平成10)年 7万263件

2003(平成15)年 6万8579件

2008(平成20)年7万2483件

2013(平成25)年 8万8397件

2018(平成30)年 11万5384件

2019(令和元) 年12万4346件

2020(令和2)年 11万7772件

2021(令和3)年 11万8975件

2022(令和4)年 15万1076件

ちなみに「墓じまい」とは、それに伴うお墓の引っ越し(改葬)までを含めた一連の手続きや作業を指すことが多いですね。

厚生労働省が2023年10月に公表した「令和4年度衛生行政報告例」を見ると、2022年度の全国の改葬件数15万1076件と過去最高に。1998(平成10年)年からの四半世紀で倍増。墓じまいをする人が増えていることは確かと言えるでしょう。

墓じまい&新しい供養のカタチを考える

今回は「墓じまい」について考えていきました。

生き方の多様性が進むいま、誰もがいつかはたどり着く「終の棲家」の選択肢も広がっています。

とはいえ、家族の絆を大切にする年長者の気持ちや、伝統を重んじる地域の風習もないがしろにしてはいけません。

今回ご紹介した自由で新しい供養のスタイルや、墓じまいを行うことが、必ずしも歓迎されるとは限らないでしょう。

とりわけ、古くから大切にしてきた先祖代々のお墓をたたむことを考えたときは、家族・親族の合意を得てからことを進める必要がありますね。

参考資料

株式会社アンカレッジ「家族で迎える新年の決断!2023年お墓選び完全ガイド」(https://www.atpress.ne.jp/news/380859)

株式会社鎌倉新書 第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)購入したお墓の種類は「樹木葬」が41.5%で3年連続シェア1位(PR TIMES)2022年3月15日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000009951.html)

全国石製品協同組合(全石協)「これからお墓を購入しようと考えている方の‟お墓の形態”と”お墓の使用期限”についてのアンケート調査」(PR TIMES)2022年9月19日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000015761.html)

衛生行政報告例/平成10年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000002491554)

衛生行政報告例/平成15年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000002483120)

衛生行政報告例/平成20年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000005253487)

衛生行政報告例/平成25年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000027241478)

衛生行政報告例/平成30年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000031873712)

衛生行政報告例/令和元年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032045151)

衛生行政報告例/令和2年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032155775)

衛生行政報告例/令和3年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032155775)

衛生行政報告例/令和4年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000040111952)

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