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ロシアの富裕層が狙う世界の不動産とは。中国人とはどう違う?

LIMO / 2018年4月26日 21時20分

ロシアの富裕層が狙う世界の不動産とは。中国人とはどう違う?

ロシアの富裕層が狙う世界の不動産とは。中国人とはどう違う?

世界の不動産情報が集まるモスクワ

先週、ロシアの首都・モスクワで開催された国際不動産イベントに行ってきました。

私は海外の不動産投資機会を日本の投資家や企業に紹介する仕事をしています。世界の不動産情報は日本にいても入ってきませんが、中国、ロシア、アラブ圏に行けばアクセス可能。いずれも「貧富の格差が大きい新興国で、海外脱出したい富裕層が多い」という共通点があります。

彼らが先進国やリゾート地を中心に世界中の不動産を買っており、特に顧客数の多い北京、モスクワ、ドバイに販売業者と情報が集まるのです。

私はこれまで、日本に近い中国で情報収集をしてきましたが、最近はヨーロッパ不動産の仕事が増え、必ずしも中国人が買わない地域をカバーする必要が出てきたため、今回、ロシアに遠征して情報を取りに行ったというわけです。

ロシアと中国の富裕層、不動産の好みはどう違う?

中国人とロシア人では、不動産購入の嗜好性が異なります。中国人は英米圏のメジャーな国と近場のアジア圏を好み、ヨーロッパでは英国か「不動産を買えば永住権をくれる南欧の国」に人気が集中します。一方でロシア人は、距離的文化的に欧州寄りであるため、「ヨーロッパならマイナーな国でも買う」という特徴があります。

たとえば、バルカン半島のブルガリア、クロアチア、モンテネグロ等はアジアから見ると遠くてイメージが湧きませんが、モスクワからだと3時間で行ける上に、気候温暖な海沿いのリゾートが多く、ロシア語も通じやすいので富裕層の別荘地として人気が高い地域です。

また、ロシア人にとって身近な欧州の先進国といえばドイツであり、資産を置く先としての安定感が際立つので非常に人気があります。ドイツに近いオーストリア、チェコ、ハンガリーなど中欧の国々も「投資目的で首都、保養目的でリゾート地」の需要があります。

そうした国々の不動産情報は日本はもちろん中国でも入らないので、わざわざロシアに来る意味があるのです。

不動産購入におけるロシア人の好みは非常に分かりやすいものがあります。

    「南国の太陽と海」に対する憧れが強く、特にスペイン、イタリア、南仏、トルコの地中海リゾートは不滅の人気があります。最近はアドリア海沿いのモンテネグロの人気が急上昇中。

    「不動産を買えばEUの永住権をくれる国」として人気が高いのは、ビザに加えて南国リゾートの魅力も兼ね備えたキプロスやポルトガル。

    先進国で資産形成目的なら、ドイツ一押し。特に賃貸利回りの高いデュッセルドルフ近郊に人気が集中。

    初回購入者には安さで勝負のブルガリア。区分アパートが首都ソフィアで500万円〜、地方都市で200万円〜というような激安価格がセールスポイント。

ヨーロッパ以外ではタイ、オーストラリア、パナマの業者が出展していましたが、全体の約9割がヨーロッパに集中。それもドイツ以南に固まっていました。ロシア人は寒い場所には価値を感じないようで、北欧やスイスを買う人はごく少数。同じ理由でカナダも眼中にないようです。

余談ですが、ロシア人は日本人と同じく英語が苦手なようで、今回は国際イベントにもかかわらず大きな言葉の壁がありました。表記はキリル文字のみ、英語が全く通じないブース多数。私は付け焼き刃でロシア語を勉強して文字は何とか読めますが、とても情報収集できるレベルではないので、ロシア語−英語の通訳を雇って急場をしのぎました。

ロシア人の不動産投資と日本

最後に日本人との関係について言うと、ロシアの富裕層が日本の東京や観光地の不動産に目を向けるのはまだ先の話だと思います。

その代わり、ロシア人がすでに開拓した南欧や中欧の不動産の中に、日本人の投資ニーズに合うものが多いと感じました。特に南仏のニース周辺や、中欧の美しい都市であるプラハやブダペストは、日本での知名度が高くて物件価格も安いので今後注目していきたいと考えています。

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