産後の社会復帰で感じたハードル〜これまでのキャリアは捨てるべき?
LIMO / 2018年5月7日 20時20分

産後の社会復帰で感じたハードル〜これまでのキャリアは捨てるべき?
出産すると、女性にはキャリアが途切れる瞬間が訪れます。そして、産後も同じように仕事を続けるのか、母親業に力を入れるのか、悩む人も多いかもしれませんね。一度は働くことを諦めたものの、再び社会復帰を目指す人もいるでしょう。
今回は、一度キャリアを捨てた女性と、維持し続けた女性の両者に「産後の社会復帰で感じたハードル」について聞いてみました。
一度退職したAさんの場合
妊娠がわかった後に退職し、産後に新たな仕事探しをしたAさん。彼女が社会復帰の際に感じていたハードルとは?
「妊娠したときに軽い気持ちで退職しましたが、産後また働きたい気持ちになりました。しかし、私の退職後に人員補強をしていたため、元の職場には戻る場所がありませんでした。新たな職場を探そうにも、小さな子どもがいるだけで休みがちになると思われ、だからといって子どもが病気のときに見てくれる人も身近におらず…しかも退職していたので、保育園も簡単には入れません。仕事を探すのが、こんなにも難しいとは思いませんでした。やっと見つかったものの、昼は新しい仕事を覚えて夜は子どもの夜泣きにも対応してと、余裕はありませんでした」
一度キャリアを捨てると、またゼロからのスタートとなってしまうこともありますよね。いざ夫が病気で働けなくなったりシングルになったりして働く必要が生じたときに、職歴が空いているとさらに再就職が難しくなることもあるようです。
では、「キャリアは捨てない」ことが正解なのでしょうか?育休を利用したママの話を見ていきましょう。
育休後にフルタイム復帰したBさんの場合
産後もフルタイムで働くBさん。キャリアを捨てなかったことで、葛藤した時期もあるそうです。
「以前、息子が不安定になった時期がありました。今思うと自我の芽生えで反抗していただけなのでしょうが、当時は『寂しい思いをさせているのかな? ここまでして働く意味ってあるのかな? 私は自分のやりがいを優先するダメな母親なのかな?』と何度も自問自答しては悩んでいました。キャリアを捨てなかった自分の選択が正しいのか、わからなくなってしまったんです」
自分が仕事をすることで誰かを傷つけているかも?なんて、子どもができるまではなかなか味わうことのない気持ちではないでしょうか。しかし、Bさんは現在も仕事をフルタイムで続けているそうです。当時、どのように乗り越えたかを聞いてみました。
「保育園の先生に相談したら『○○くんがお母さんに向かって気持ちを爆発させるのは、母親として認めている証拠』という言葉をかけてもらいました。それからは、できる限り息子の気持ちを認めてあげること、抱きしめてあげること、大好きだと言葉に出して伝えることの3つを心がけるように。その後も、相変わらずバリバリ働いています。けれど、自分自身の人生も大切にして、働くことに対して罪悪感を持たないようにしました。愛情は、時間ではなく質で勝負!」
出産前と同じように仕事をすると、キャリアを捨てた女性に比べると育児にかける時間が減るのは仕方のないことですよね。では、時短復帰をした場合はどうでしょうか。
育休後に時短復帰したCさんの場合
育休後に時短勤務で復職したCさんのケースを見てみましょう。出産前のキャリアを生かしながら、子どもとの時間も確保できそうですが…。
「育休明けは、なかなか責任のある仕事を任せてもらえませんでした。時短勤務なうえ、急な休みや早退も多いので仕方がないのですが…後輩がチームリーダーになって周りに頼られている姿を見ると、正直悔しい気持ちもありました。チームで仕事をするので、私だけ残業できないことで申し訳なさや疎外感を感じたこともあったかな。制限なく働ける主人が羨ましくて、当時は何度もケンカしましたよ」
Cさんは、どのように解決していったのでしょうか。
「最初は思い通りに働けないことで、私ばかりが犠牲になっていると感じていました。けれど『犠牲になっている』と思うから、負の感情がこみ上げることに気がついたんです。確かに今まで積み上げてきたものはリセットされるかもしれない。けど、前と同じことじゃなくても、やりがいは見つけられます。キャリアを捨てたのではなく、ライフステージに合わせて変わっただけ。どんなポジションでも、責任がない仕事なんてないですしね」
社会復帰をしても、思い通りに働けないこともしばしば。しかし、思い通りに働けないと悩むのは、仕事に対して真剣に向き合っている証拠。そんなママなら、どのポジションでもいずれ活躍できそうです。
キャリアを捨てるか、継続するか。この問題は、「これが正しい選択だ!」と明言できるような単純なものではなさそうです。どんな選択をしても、何かしらの問題にはぶつかるのかもしれませんね。それならば「正しい道を選ぼうとするのではなく、自分が選んだ道を正しいものにしていく」。そんなふうに考え方を変えてみるのはいかがでしょうか。
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