建売新築、土地から新築、不動産投資で利益を得やすいのはどっち?
LIMO / 2018年5月27日 20時15分
建売新築、土地から新築、不動産投資で利益を得やすいのはどっち?
エンド価格を回避せよ!
今やるならば土地から新築?
前回の記事(http://www.toushin-1.jp/articles/-/5958)で、「中古物件」・「建売新築」・「土地から新築」、それぞれの購入時のメリット・デメリットをお伝えしました。
不動産投資にはこれが絶対!というものはありませんし、人によってそれぞれゴール、そして戦略も異なりますが、現状、一般投資家が最大限の利益を狙える方法としてお奨めしているのは「土地から新築」です。
「土地から新築」は文字通り、土地を探し、建築士にプランを依頼し、金融機関で融資審査を受け、融資が通れば建築会社に工事を発注、完成後はご自分で管理会社を選ぶ(もしくは自主管理)ことになります。
今回はこの「土地から新築」の方法について、より詳細にお話していきましょう。
「土地から新築」は利益が奪われにくい?
「中古物件」・「建売新築」・「土地から新築」、どの場合もそうですが、物件の価格は利回りだけではなく周辺相場や市況のトレンドで変わります。また、不動産は相対取引なので売主と買主が合意した金額が売買金額になります。
定価がないため、一般の投資家には値付けが難しいのですが、物件を紹介する業者の「これはお買い得です!」という言葉を鵜呑みにせず、あなたの投資基準に見合う金額で値付けをしてください。
90%以上の投資家が稼げないのは、業者が持ってきた物件をご自分でよく調べずそのままの金額で買っているからです。
物件情報を持ってきた業者の提示金額が、あなたにとっての適正価格ではありません。個人投資家へ提示される金額は、その時点で最も高く売れる金額、すなわち「エンド価格」です。
以前もご説明したことがありますが、「エンド価格」には2つの意味があります。
1つ目の意味は、エンド=末端の買主を指します。業者間の取引を経て、最終的に販売される先がエンドです。
2つ目の意味は、エンド=一般投資家、消費者。業者ではない、つまりシロウト、情報弱者という含みがあります。
プロの業者から見れば不動産投資家もマイホーム購入者と同列で、何も考えていなければカモにされてしまうのです。
物件探しや融資付けを業者に任せたまま物件を購入してしまうと、業者の利益が物件の適正価格に関係なく上乗せされ、利益の中抜きが行われます。
建売新築ではなく、「土地から新築」をお奨めするのは業者に頼るフローを減らすことでこの利益の中抜きを減らす効果を見込めるからです。
建売新築はエンド価格?
建売新築の場合、販売業者は土地を仕入れ、そこに建築会社に建物を建てさせ、エンドの投資家に販売します(建築会社が販売業者となる場合もあります)。
図で表すと下図のようになります。
このようなパッケージ商品には建築会社と販売業者の利益が乗っており、現在の市況では投資家の利益は薄利になりがちです。
販売業者としても利益を出さないといけませんので、なるべく高く売れるように(=投資家が多くの借入を引けるように)、「新築プレミアム」の賃料がずっと続くかのような甘い事業計画書を出して見栄えを良くしているのです。
販売業者の「言い値」で購入してしまうと、その分、後の運営や売却の際に苦労をすることになります。
土地から新築ならば儲かる?
土地から新築の場合は、上図から販売業者の利益を抜くだけです。
建物についてはスケールメリットのある販売業者の方が安く発注できることが多いですが、その後の販売価格への利益の乗り具合を鑑みると、ご自分で土地を買い、建築士とプランを立て、建物を建てる方が圧倒的に安くあがります。
たとえば、販売業者が土地・建物あわせて1億円で仕入れた物件に20%の利益を乗せて1.2億円(満室賃料900万円、表面利回り7.5%)で売却するとします。これを自分でやった場合、単純に販売業者の利益(2,000万円)がなくなり、表面利回りは9%(900万円÷1億円)となります。
もちろん、販売業者が行うフローを個人投資家の方が一人で行うことになるため、不動産の知識が必要であることや、本業がある方などは時間の捻出などかなりハードルは高いのですが、不動産事業(デベロップメント)の一通りの流れを実感できるため、事業・経営活動の感覚を身につけることもできます(※注、業として行う場合には宅建業法の規制を受けます)。
また、販売業者は相当の利益を確保できるものしかやれません。それに比べると、個人投資家は狙う利益や、そもそもやるかどうかを選択できるなど、融通が利くのもメリットの1つです。
自分の力で儲けよう
不動産投資でお金を儲けたいと思う方は多くいらっしゃると思います。ですが、楽をして儲けられるほど不動産投資は甘いものではありません。人に任せっきりにするか、自分で考えて動くかが分岐となります。
自分の目指すゴールを明確に定め、逆算し行動していけば、不動産投資は負ける投資ではなくなるのです。投資家の皆さんに知識と考える力を持っていただければ、世の中の悪徳業者は減り皆さんも利益を得ることができると確信しています。
そうした基本的な不動産事業の知識と市況をお伝えするオンラインセミナー、「首都圏不動産投資」実践会(http://con-pas.co.jp/letter/jissenkai/)を行っています。ご興味お持ちの方は、ご覧いただければと思います。
以上、村上俊介でした。
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