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スメハラ被害者が声を上げられないのはなぜ?

LIMO / 2018年5月24日 20時15分

スメハラ被害者が声を上げられないのはなぜ?

スメハラ被害者が声を上げられないのはなぜ?

スメル・ハラスメントも社会問題化するのか

ハラスメントが溢れている現代社会

現代社会には数多くのハラスメント(嫌がらせ)が溢れており、ハラスメントの時代とも言われています。代表的なのが、セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とパワハラ(パワー・ハラスメント)で、今年は両方とも大きな社会問題にもなりました。

セクハラは、財務省の福田事務次官、東京都狛江市の高橋市長などが騒動後に辞任へ追い込まれています。また、女子レスリングの伊調馨選手に対するパワハラ問題では、日本代表の栄監督やレスリング協会の責任問題に発展し、今なお混迷しています。

さらに、現在問題となっている日大アメフト部による悪質タックル問題でも、内田監督やコーチによる選手へのパワハラが焦点になる可能性が高まっているのはご承知の通りです。

ハラスメント被害者が声を上げるようになった

こうしたセクハラやパワハラに関しては、従前から日本社会にはびこっていたと考えられます。しかし、ハラスメントを受けた側が泣き寝入りすることなく、堂々と被害の声を上げるようになったことで、社会問題として認められ、いや、一歩進んで、ある種の犯罪として意識されるようになったと言えましょう。

いずれにせよ、ハラスメントを受けた人が勇気を出して訴えることが必要不可欠です。

新たに認識され始めたスメル・ハラスメント(スメハラ)

一方で、なかなか声を上げることができないハラスメントも少なくありません。その一つが、スメル・ハラスメント(スメハラ)、とりわけ、職場におけるスメハラではないでしょうか。

スメハラは臭い(匂い)のハラスメントを指しますが、最近では徐々に“問題視”されるようになっており、先日もNHKのニュースや朝の情報番組でも取り上げられました。

では、スメハラって、具体的にはどういう臭い(匂い)のことなのでしょうか?

口臭、体臭(加齢臭)、香水の3つが代表的なスメハラ

スメハラの中では、「口臭」「体臭(主に加齢臭)」「香水」の3つが代表的な臭い(匂い)とされます。

こうしたスメハラを経験した人は、決して少なくないはずです。いや、経験どころか、現に毎日のように“被害”に遭っている人もいるでしょう。

ところが、当事者に対して堂々と苦情を訴えることができる人はそう多くないと思われます。特に、口臭と体臭に関しては、“あなたの口臭、何とかなりませんか?” “あなたの体臭、気になって気分が悪くなるんです”といった類の苦情を当事者に直接言うのは、実際には簡単ではありません。

その相手が、上司や異性の場合は、なおさら難しいと言えるのではないでしょうか。

なぜスメハラ被害の声を上げられないのか?

こうしたスメハラを減らすことはできるのでしょうか?

スメハラをセクハラやパワハラと比較すると、いくつか大きな違いがあることがわかります。

まず、スメハラの定義を定めることが困難です。どのような臭い(匂い)がハラスメントに該当するのか、明確な基準がないため、セクハラやパワハラのようにガイドラインを設けるのは難しいと言えます。

強いて言えば、強い香水を控えることくらいですが、これも明確な定義がないのが実情です。また、香水に関して言えば、同じ香水でも“いい香りだ”と感じる人がいる一方で、“嫌な香りだ”と感じる人もいます。

スメハラと感じる人と感じない人との温度差が大きいのも特徴です。

自分の口臭や体臭は自分では分からない

次に、スメハラを与える人(匂いを発する人)の意識の低さです。これは、セクハラやパワハラにも該当することですが、それ以上に無意識と言えそうです。

その最大の理由は、自分の臭い(口臭、体臭)は自分では分かりにくいという点にあります。

例えば、“〇〇さんの口臭、なんとかしてほしいな”と苦痛に感じている△△さんが、別の人から“△△さんの口臭はひどいよね”と思われているかもしれません。また、香水の匂いも、つけてしばらくすると自分では分からなくなるようです。

スメハラを訴えた人がハラスメント加害者になるリスクも

さらに、スメハラを訴えた人が、逆に、ハラスメントを与える人になってしまうケースがあり得ます。一般に、口臭や体臭を非難することは、当事者の人格そのものを否定することになりかねないからです。

ある日突然、自らの口臭や体臭を非難されたら、その人は当惑するはずです。そして、もし、その人が精神的に落ち込んだりした場合、“あなたの口が臭い”と言い放った人は、ハラスメントを与えてしまったということになるかもしれません。

最後は一人一人の心掛けに頼らざるを得ない

徐々に認識され始めてきたスメハラを、大きな社会問題にならないようにするためには、企業側でも何らかの対応が求められます。たとえば、洗面所にさり気なくマウスウオッシュ液を置くとか、オフィスに無臭の芳香剤を置くなど、やり方は様々考えられそうです。

でも、最後はやっぱり、一人一人の心掛け・エチケットに頼らざるを得ません。まずは、自分自身が発する“臭い(匂い)”について一度考えてみることが大切でしょう。

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