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寝ても取れない疲れを取りたければ「股関節」を動かせ!

LIMO / 2018年5月29日 20時20分

寝ても取れない疲れを取りたければ「股関節」を動かせ!

寝ても取れない疲れを取りたければ「股関節」を動かせ!

・ちゃんと寝ているはずなのに、朝起きると身体がだるい。
・頭が冴えず、なんだかやる気も出ない。
・それでも毎日やるべき仕事はなくならず、疲労は蓄積されるばかり……。

 多忙なビジネスパーソンには、こんな「寝てもとれない疲れ」に悩まされている方が多いのではないでしょうか。

 そうした現代人特有の疲労にフォーカスした独自の疲労回復メソッドを展開しているのが、疲労回復専用ジム「ZERO GYM」。今回は同ジムのメソッド考案者の松尾伊津香氏に、「寝ても取れない疲れ」を回復に導く効果的な方法を教えてもらいました。

 ちなみに同ジムは2017年6月にオープンし、今年4月にはメソッドをまとめた書籍『超疲労回復』を刊行、5月30日には東京・丸の内で出張イベント「超疲労回復ナイト」を開催しました。

「ただ寝る」だけでは疲れが取れない理由

 睡眠は疲労回復の基本であり、欠かせないもの。でも、寝ているにもかかわらず疲れが取れないとしたら、それは睡眠の「前」に問題があるからかもしれない。

 1日の終わり、私たちの脳と身体はクタクタに疲れ切っている。血流は滞り、筋肉はこり固まり、頭の中は仕事のことや悩み、ネットで見たニュースなど、終始いろんなことがぐるぐると巡る……。言うなれば、脳と身体がガチガチに緊張している状態だ。

 こんな状態のまま寝たところで、本当の意味での疲労回復は叶わない。入眠はもちろん、睡眠中の質にも悪影響を及ぼすからだ。

「身体の不調」の大きな原因になるのは?

 血流の悪化は慢性的な疲労や肩こりなど、多くの不調の原因となるので、決して甘く見てはいけない。

 特にデスクワークが中心の人、運動不足だと感じる人は要注意。

 普段「動いていない」ということは、それだけ血流が悪化しやすく、疲れの原因となる老廃物も溜まりやすいということだ。意識して流さないことには、血流はどんどん滞り、疲れも容赦なく溜まっていく。

身体疲労を取るには「股関節」を動かす

 ここで効果を発揮するのは、「身体を動かすこと」。「えっ、疲労回復したいのに運動?」と疑問に思った方もいるかもしれない。だが、身体の血流をよくし、しっかりとコリをほぐして老廃物を流すためには、身体をしっかり動かすことが必要不可欠なのだ。

 特に有効なのが「股関節の圧迫」。股関節は身体の中でも特に大きな関節で、たくさんの血液が流れている部分。よって運動不足や長時間の座り姿勢により股関節の血流が滞ると、身体の疲労はどんどん溜まっていく。

 逆に言えば、ここを集中的にほぐすことで、効率よく疲労回復をはかることができる。水が出ているホースの先をつまんで、せき止めてから手を離すと、勢いよく水が出てくるのと同じく、一度あえて圧迫してから解放することで、普段詰まっている血流やリンパが勢いよく流れ、滞りを解消できるというわけだ。

「運動」がおすすめの理由

 もちろんマッサージや整体でも、身体のコリやこわばり、固くなった関節や筋肉を緩めて血流をよくし、疲労を回復させる効果は十分に期待できる。

 しかし、筋肉には「弛緩」と「収縮」という2面性がある。この筋肉のバランスを崩していると、身体の疲労は蓄積されやすくなってしまうのだ。

 筋肉を緩めると同時に「締める」という動きを加えると、筋肉が本来もつ可動域が徐々に取り戻され、常に筋肉の調整が行われるようになってくる。よって自然に血流の悪化を防ぐ、疲れにくい身体づくりが可能となる。

 本当に疲れていて動けないとき、マッサージやリラクゼーションの力を借りるのはとても大切なこと。ただ、少し長期的な視点を持って「根本的に疲れにくい身体になりたい」と思うのであれば、自ら身体を動かすことが必要になってくる。重要なのは「使い分け」なのだ。

首回し・肩回しで筋肉をほぐす

 ただ、「身体を動かす」といっても、いきなり激しい動きをする必要はないので安心してほしい。まずは自分が「気持ちいい」と感じられるような簡単なストレッチから入るとよい。

 特にオススメなのは、パソコンやスマートフォンの使用によってコリが出やすい「首・肩」から行うこと。写真1(別画像)を見てほしい。

(/mwimgs/c/5/-/img_c5d4bc20cdd8fe2a8607a4e6a43c301a162815.jpg)

拡大する(/mwimgs/c/5/-/img_c5d4bc20cdd8fe2a8607a4e6a43c301a162815.jpg)

『超疲労回復』p.78-79より抜粋

 

[01]吐く息で顎を引いて顔を前に倒し、後ろの首筋から後頭部にかけての部分が伸びているのを感じる。

[02]吸う息で左から半円を描くように頭をゆっくりと回す。吐く息で右から半円を描くように頭をゆっくりと回す。2〜3周したら反対にも回す。
※首を後ろに傾けるときは、拳一つ分空けて回すこと(傾けすぎて潰してしまうと、頚椎を痛める原因になる)

血流改善のターミナルポイント「股関節」に効くポーズ

 さて、血流をよくし、老廃物をしっかり流すことをメインにした動きもご紹介しよう。前述した通り、ここで特に動かすべき部位は「股関節」。オススメは「ランジ」というポーズだ。写真2(別画像)をご覧いただきたい。

(/mwimgs/0/3/-/img_03ae211a8a7c37d8196f671ee05b30b7201588.jpg)

拡大する(/mwimgs/0/3/-/img_03ae211a8a7c37d8196f671ee05b30b7201588.jpg)

『超疲労回復』p.90-91より抜粋

[01]右足を一歩前に出し、左ひざをつく。吐く息でお尻の重さを下に落として、右の股関節で身体の重さを感じるとともに、左の鼠径部(そけいぶ:太ももの付け根の内側)の伸びも意識する。
※前足の踏みしめが緩むと膝を痛める原因になるので、足の裏は常にしっかりと床を捉えておく。また、前足の外側に体重が乗りやすいので、親指の付け根をしっかりと床に下ろす

[02]吸う息でお尻を後ろに引いて股関節の圧迫を開放する。[01]と[02]を繰り返す。

 いかがだろうか。「運動」と身構えず、ぜひ気軽に身体を動かすことに挑戦してみてほしい。

 ここまで「身体疲労」の回復方法を中心に解説してきたが、現代の疲れの原因としてもう1つ、避けては通れないものがある。

脳疲労対策は「頭の中を空っぽにする」

「身体疲労」と並んで疲れの原因となっているもの、それが「脳疲労」である。

 脳は、日々のストレスに対処するために、身体のあちこちにさまざまな指令を出す。この時に放出されるのが「活性酸素」で、これが溜まると脳は酸化ストレスにさらされ、本来の働きができなくなってしまう。

 そんな脳疲労にアプローチするには、「何も考えない時間をつくること」が重要になる。瞑想・マインドフルネスなどを通して、頭の中を空っぽにし、脳内をすっきりリセットするのだ。

 瞑想・マインドフルネスを継続して行うと、ストレス解消や精神の安定といった効果があるほか、意欲や集中力・判断力などが向上するとの研究報告もあり、ビジネスパーソンにとってもメリットが多いといえる。

ここでも「身体を動かすこと」が重要!

 しかし、「何も考えない時間をつくる」というのは、簡単そうに思えて実はとても難しいもの。そこでやってみてほしいのが、瞑想を行う前に「身体をほぐし、動かす」という工程を入れることである。

 頭を空っぽにするのになぜ身体を動かす必要があるのか疑問に思うかもしれないが、実はこれこそが瞑想の効果を高め、脳疲労、さらには身体疲労にも効く、最重要ポイントである。

 たとえば、思い切り100mダッシュをした時のことを思い浮かべてみてほしい。走るのに一生懸命で、おそらく考え事などする余裕はないはずだ。人間は、何かの動きに最大限集中した状態では、自然と思考が止まるようにできている。

  よって、まず運動によって思考が止まりやすい状態にしてから瞑想・マインドフルネスを行うことで、よりスムーズに瞑想状態に入れるようになるというわけだ。

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筆者の松尾伊津香氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

理想の「疲れにくい身体」を手に入れる

 もし「寝ても取れない疲れを効率よく解消させたい!」と願うのであれば、「股関節の圧迫を中心としたストレッチやトレーニング」の後に「瞑想・マインドフルネス」を行うのがよいだろう。

 このメソッドのいいところは、継続して行うことで、一時的な疲れの解消にとどまらず、誰もが欲する「疲れにくい身体」づくりにもつながってくるということ。

 ZERO GYMでは、ガチガチにこり固まった心身を解きほぐしたときの心地よいリラックス感を「最高の脱力」と表現している。日々、寝ても取れない疲れと戦っている方は、ぜひ「最高の脱力」を体感してみてほしい。

 

■ 松尾 伊津香(まつお・いつか)

ZERO GYM プログラムディレクター/プロボディデザイナー。関西学院大学卒。在学中、心理学・精神医学を学ぶ傍ら、ヨガ哲学やメディテーションに目覚める。アメリカ留学にて知識を深めた後、銀座でヨガインストラクターに。その後、ダイエットジムShapes Internationalの六本木本店 店長兼スーパーバイザーを経て、疲労回復専用ジム「ZERO GYM」プログラムディレクターに就任。

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