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「子どもの心」で悩んだら...解決のヒントは児童文学に!

LIMO / 2018年6月18日 10時25分

「子どもの心」で悩んだら...解決のヒントは児童文学に!

「子どもの心」で悩んだら...解決のヒントは児童文学に!

子育てに悩みはつきもの。特に子どもが成長するにつれて、生活習慣に関する悩みとはまた別に、心の成長に伴う新たな悩みも発生します。

「子どもが友人関係で悩んでいるとき、どう話してあげればいいのかな」「身近な人の死に触れたとき、どんなケアが適切なんだろう」…。子どもの心に関する悩みは、答えがあってないようなもの。だからこそ、解決が難しい。そんなとき、役に立つのが児童文学。昔繰り返し読んでいたあの名作に、子育てのヒントやお手本が隠されているのです。

「若草物語」から学ぶ欠点との付き合い方

子どもは成長するに従って、自分の良いところ、悪いところを自覚するようになります。自分で気づくこともあるでしょうし、他人に指摘されて気づくこともあるでしょう。子どもが自分の短所とどう向き合うべきか、欠点との付き合い方をどう教えてあげるべきか…。これってなかなか難しい問題です。

そこで、ご紹介したいのが「若草物語」。南北戦争時代のアメリカで、4姉妹のつつましくも明るく愛にあふれた日々を描いた名作です。ここでは、主人公である4姉妹の母親、マーチ夫人にスポットをあててみましょう。

彼女は子どもたちに「毎日は荷物を背負い、天国を作ろうと目の前の道をすすむ巡礼のようなもの。皆が背負う荷物とは、それぞれの心にある欠点のことである」と子どもたちに教えます。そして、子どもたちが自らの短所が原因で巻き起こる失敗やトラブルに直面した際、優しく諭してあげるのです。

マーチ夫人は「夫が戦地へ赴いている間に、子どもたちを心身ともに立派なレディに育てる」「子どもたちの良いところを伸ばし、悪いところを自分で克服する力を与える」という確固たる信念を持っています。現代に置き換えると、ちょっと窮屈かな…と思う部分もままありますが、それでも彼女の芯の強さが、子どもたちのよりどころとなり、欠点を克服する勇気を与えているのです。

「100万回生きたねこ」から学ぶ愛と死

「愛するとは何か」「生きるとは、死ぬとは何か」。子どもに問われたとき、果たして明確に答えることができるでしょうか。ほとんどの人は「自信がない」と思うのではないでしょうか。なぜなら、私たち大人にとってもその定義は曖昧だから。もし、あなたが子どもにこのような問いを投げかけられたら、その答えとしてこの本を読んであげるのはいかがでしょう。

100万回死んで、100万回も生き返ったねこ。100万人の人がねこを可愛がって、100万人の人がねこの死に涙しました。最後、誰のものでもなくなったねこは、白ねこと出会い、寄り添って生きていきます。白ねこが死んだとき、初めてねこは泣き、泣きやんだねこは死に、二度と生き返りません。

誰かを心の底から愛することができる一度きりの人生は、誰も愛さずに100万回の人生を生きるよりも価値がある。死をまっすぐ見つめることこそ、生を見つめること。そんな簡単な言葉では語りきれないですが、読む年齢によって感想や気づきが変わるこの本。この本を読んで子どもたちが抱いた感想こそ、その答えではないでしょうか。

「いきのびる魔法~いじめられている君へ~」で逃げることを学ぶ

時として、立ち向かっても抵抗しても、どうしようもないこともあります。正面からぶつかればぶつかるほど、傷つき、打ちのめされる…。子どもの世界では「いじめ」がそれにあたるのではないでしょうか。

この本では、「強くあれ」「勇気を持て」などと決して書かれていません。ただ、「逃げなさい」と、「学校は、いじめられてまでつらい思いをして行くところではない」と子どもたちに伝えます。

「親をがっかりさせたくない」「親を悲しませたくない」。そんな思いから自らをつらい状況へと追い込んでしまう、「頑張ってね」という何気ない一言が子どもの逃げ道をふさいでしまう…。ちょっとしたボタンの掛け違いから悲しい悲劇が起こらないように、親として「学校は大切。でも、命をかけるほど大切なわけではない」ということを教えてあげたいものです。

そして、いつだって、親は子どもの安全地帯でありたいですよね。ちょっとした人間関係でつまずきやすい子どもたちとその両親に、一度は目を通していただきたい一冊です。

一冊の本に救われることも

子どもの悩みや疑問は、できる限り解決してあげたい、子どもがより人生を有意義に生きるための道しるべになってあげたい…。親なら誰もが考えることではないでしょうか。なかなか自分ひとりで解決することが難しい、そんなときは先人の知恵として、児童文学や古典、名作から気づきをもらうことも有効です。何気なく手に取った一冊が、親子にとって生涯忘れられない特別な一冊になるかもしれません。

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