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加熱式たばこのアイコス、グロー、プルームテックの特徴比較

LIMO / 2018年6月12日 17時20分

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加熱式たばこのアイコス、グロー、プルームテックの特徴比較

おトク度や学会の評価まとめ

急成長する加熱式たばこの世界で本格的な三つ巴の戦いが始まっています。フィリップモリス社が発売したアイコス(iQOS)で人気に火がつき、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のグロー(glo)、そして日本たばこ産業(JT)もいよいよプルームテック(Ploom TECH)の全国発売を開始しました。ますます苛烈な競争が予想される加熱式たばこ市場で、どのような戦いが繰り広げられるのか注目されます。

加熱式たばことは何か

加熱式たばことは、従来の紙巻きたばことは異なり、専用のカートリッジにたばこを差し込み、たばこ葉に熱を加えることによってニコチンを含むエアロゾルを発生させるタイプのたばこです。

加熱式たばこと紙巻きたばこの最大の違いは、たばこ葉を燃焼させるかさせないかによる「煙」の有無です。もっとも、加熱式たばこでも「煙」がないというのではなく、「見えにくい」と表現されるケースもあります。ちなみに、加熱式たばこは、たばこ葉を燃焼させるのではなく加熱させることから、英語では文字通り「heat-not-burn cigaretee(ヒート・ノット・バーン・シガレット)」と呼ばれます。

加熱式たばこ利用者はニコチンを含んだエアロゾルを吸引します。日本エアロゾル学会(https://www.jaast.jp/hanashi/)によれば、エアロゾルとは「気体中に浮遊する微小な液体または個体の粒子」のことを言います。

加熱式たばこと一口に言っても、ニコチンを吸引するまでの基本構造は種類により多少異なります。北里大学・鈴木幸男氏「わが国における電子たばこの現状と問題点」(https://i.kawasaki-m.ac.jp/jsce/170827-26-1/26-1-24-30.pdf)では、アイコスやグローがタバコ葉を直接過熱し、ニコチン(を含むエアロゾル)を吸入するのに対し、プルームテックはたばこ葉を直接過熱するのではなく、液体(低温で霧化する有機溶剤)を電気で蒸気化し、その蒸気をタバコ(粉末)が詰まったカプセルに通過させてニコチンを吸引すると整理されています。

余談になりますが、日本では上記のような加熱式たばこが主流のように見えますが、海外ではニコチン入りのリキッドを使用した電子たばこも利用されています。その意味では、日本市場はたばこメーカーからすると非常に事業展開のしやすい国に見えるのではないでしょうか。

加熱式たばこ3社の製品(アイコス、グロー、プルームテック)を比較する

では、加熱式たばこ3社それぞれの製品の特徴を見ていきましょう。基本的な製品の仕組みとしては3製品ともたばこ葉の入ったカートリッジを採用し、煙が出ないことで共通しています。

しかし、細かく見ていくとそれぞれに特徴があり、加熱の仕組みや味わいなども異なります。それぞれの構造とメーカーごとに、個人差があるとは思いますが、吸い心地をまとめてみました。

アイコス

紙巻きたばことほぼ同じくらいの太さのたばこを、専用のカートリッジに差し込んで加熱するタイプです。3製品の中で最もたばこの吸い心地に近い印象と言われています。不便な点としてはカートリッジの手入れが必要で、かつ、1本ごとにカートリッジを充電しないといけない点です。ヘビースモーカーにとっては少し面倒に感じられるかもしれません。

グロー

グローの加熱システムは独自の方式を採用しています。ネオスティックと呼ばれる専用たばこをヒーターに差し込むだけのワンタッチですべてが完了。アイコスに比べて手間がかからないのが特徴です。また、1回の充電で複数本吸うことができるのは、ヘビースモーカーにとってはうれしい仕組みと言えます。気になる点としては、バッテリーと本体が一体型になっているため、持ち運ぶ際に重さが気になることでしょうか。

プルームテック

日本たばこ産業(JT)が満を持して発売したプルームテックは、ペンのような形状の本体にたばこ葉を仕込んだカプセルを差し込んで吸う形状です。3製品の中でもっとも手軽にたばこを楽しむことができます。ただ、アイコスやグローと比べて加熱の温度が低いため、たばこを吸った感が薄いという意見があります。

どの加熱式たばこがおトクか

このように、加熱式たばこといっても3製品それぞれに特徴があり、構造もさまざまです。

また金額においても大きな差があります。ただし、この5から6月にかけて各社大きく価格改定なども含めてさらに競争が激化しています。

これまではプルームテックの価格が魅力的な水準でしたが、グローの実質の値下げ施策やアイコスの値下げなどもあり、今後の市場シェアを争う競争はさらに激化しそうです。

加熱式たばこ市場の競争はまだまだ始まったばかり。既存3社にしても今後、新たな製品を投入してくるでしょうし、その他の企業の参入もあるかもしれません。成長期にある加熱式たばこの進化に注目しながら、自分に合う製品を探すのもいいかもしれません。

加熱式たばこに関する評価

加熱式たばこは従来の紙巻きたばこのような煙が出ないため、受動喫煙に対しては健康被害が少なくなるのではとの期待がありました。その点に関して、2017年10月31日に日本呼吸器学会から「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解」(http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf)としてコメントが出ています。

その見解のポイントを引用すると以下の2点となります。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。

このように、加熱式たばこといえども現時点では受動吸引において問題ありという内容です。喫煙者には引き続き、周囲への配慮をお願いしたいものです。

まとめにかえて

加熱式たばこを含む電子たばこの市場は、今後も世界的に成長していくと言われています。日本においては、加熱式たばこ市場で出遅れた日本たばこ産業が、プルームテックでどう巻き返すか、また今後の開発動向にも注目したいところです。世界的なたばこメーカー間の競争はまだまだ続いていきそうな様相であり、同時に受動喫煙による健康への影響の有無にも関心が集まることでしょう。

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