イジメとは言えないけれど…子どもの友人トラブル、どう対応する?
LIMO / 2018年7月13日 10時20分
イジメとは言えないけれど…子どもの友人トラブル、どう対応する?
子どもの世界といえども、人間関係はとっても複雑。我が子が小さな胸を痛めている姿は、見ていてとても辛くなるのが親心。
「これはあからさまなイジメだ」と思えるものならすぐに担任に相談できるけど、イジメとはっきり断定できないような意地悪をされている場合が非常に厄介。「こんなこと担任に言うのも大げさかな」と思いつつ、我が子が可哀想で親がモヤモヤ。こんなときは、どのような対処法、解決策があるのでしょうか。
クラスメートにモヤモヤ、我が子にモヤモヤ
幼稚園や小学生になると、クラスというひとつの小さな社会の中で1日の大半を生活するようになります。そこには色々な性格の子どもが集結しているので、決して気が合う子ばかりとはいきません。特に小学生になると、席が決まっているので、隣や前後に座るクラスメートや班を自分で選ぶことはできません。必然的に「苦手だな…」と思う子とも付き合わなければいけなくなるのです。
ただそれが、本人が心の中で「この子、苦手だな…」と感じるだけなら問題はないのですが、相手が我が子に何かしらのアクションを起こしてきたときがちょっと問題。
明らかに暴力をふるってくるとか、他者が見ても嫌がらせだとわかるような行為をしてくるのであれば、即担任に報告することもできるのですが、「それってどうなの…?」と思うようなちょっとしたことの場合、ほとんどの方は「これぐらいで担任に言って、ことを荒立てるのもなぁ」と思い、「気にしないでいいよ」などと子どもに伝えて終わるのではないでしょうか。
それでも終わらない相手の嫌がらせと取れなくもない行為。子どもから報告を受けるたびに「気にするな」と言いつつ、親の心にもモヤモヤが蓄積されていってしまう…。こんな経験をした人も少なくないでしょう。
本人に悪意はなくても…
こんな例があります。専業主婦のAさん(38歳)は小学1年生の女の子のママ。最近、彼女が「学校は楽しいけれど、ちょっとイヤなことがある」と、こぼし始めたそうです。どうせ「給食が食べられない」とか「勉強が難しい」とかその程度のことだろう、と思っていたAさんは、軽い気持ちで「どうしたの?」と聞いてみたのだとか。すると、予想外の回答が返ってきました。
なんでも、彼女は隣の席の女の子ととても仲良し。しかし、最近その隣の席にいる子の前に座っている女の子が隣の席の子が気に入った様子で、Aさんの娘をライバル視し始めたのだとか。
Aさんの娘が隣の席の子に話しかけると、そこに割って入るようにその子が隣の席の子に話しかけて、Aさんの娘との話が中断される。休み時間になると、その子が隣の席の子を引っ張ってどこかへ行ってしまい、Aさんの娘が取り残される。そんなことが毎日繰り返されていたのだそうです。
Aさんは、その子に対して怒りを覚えましたが、その子ひとりのことならば、おおごとにする必要はない、と判断し「席替えすれば解決するだろうから、今は放っておきなさい」と伝えたのだそう。もちろん状況はよくならず、「今日もあの子はこんなことをした」「今日も隣の子とのおしゃべりをじゃまされた」と娘の愚痴を聞かされる毎日。
結局、Aさんの読み通り、席替えすることで娘に新しいお友達ができ、問題は終息しましたが、Aさんは正直今でも「その子をひっぱたいてやりたい」という思いがあるのだとか。
親は子どもの安全地帯
Aさんの子どもの件はたまたま席替えがきっかけでトラブルは終息しましたが、必ず状況が好転するとは限りません。もし、席替えをしてもまったく何も変わらず、同じことが繰り返されていても「放っておきなさい」で済ましていいのでしょうか。きっと親子ともにモヤモヤが蓄積されてしまい、ついには心の中がそのモヤモヤでいっぱいになる日が早晩訪れていたように思います。
「イジメと言えない嫌がらせ」に関して親はどのような対応をするべきか、それは迷わず「担任に相談すること」だと思います。確かに今はイジメとは呼べないことでも、何かのきっかけでどんどんとエスカレートすることもあり得ます。ひとこと先生に「こういうことで我が子は悩んでいます」と伝えておけば、先生も注意して観察してくれるでしょうし、目に余る行為があれば声かけをしてくれるはずです。
共同生活では「我慢すること」「譲り合うこと」も大切です。しかし、理不尽なことに対してまで、我慢する必要はないでしょう。
また、子どもが嫌がらせをしてくるクラスメートに対する愚痴を言ったとき、「そんなことを言ってはいけません」「その子の良いところを探してあげなさい」と言う必要もないでしょう。一緒になってそのクラスメートの悪口を言えとは言いませんが「それはよくないね、傷つくよね」と、子どもの気持ちに同調してあげることが大切です。
「親が一番の理解者であり、味方である」「親が安全地帯になってくれている」。そう思えるだけで、子どもはずいぶんと力づけられるはずですから。
まとめ:我慢せずに担任との連携を
子どもが「理不尽だ」「おかしい」と思い、明らかに傷ついているようなら我慢せず、担任と連携を取って事態を解決できるよう行動することが大切です。
大事なのは、「第三者から見てイジメと取れるかどうか」ではなく「我が子が傷ついているかどうか」なのです。細かいことを逐一報告する必要はありませんが、我が子が傷ついている、という事実を担任に伝えておきましょう。大切なのは、自分の子どもが有意義な学校生活や園生活を送れるバックアップをしてあげることなのではないでしょうか。
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