賛否両論、サッカーの「ビデオ判定」は是か非か
LIMO / 2018年7月1日 11時15分
賛否両論、サッカーの「ビデオ判定」は是か非か
ビジネス、今日のひとネタ
日本代表の予想を上回る活躍もあってか、国内ではサッカーのワールドカップ・ロシア大会に注目が集まっていますよね。サッカーは、バスケットボールやアメリカンフットボールなどと比べても入る点数が少なく、1点の重みが大きいので、ゴールが決まるかどうかで、観ているこっちもハラハラします。
さて、この得点を左右する大きな要素の一つが、今大会から導入されたビデオ判定=「VAR判定」です。この判定方法を巡っては、さまざまな意見があるようです。
「VAR判定」って何?
「VAR」は「ビデオ・アシスタント・レフェリー」の略で、試合の重要な場面でのミスジャッジを防ぐために、このビデオ判定のシステムが導入されたのです。
サッカーには「シミュレーション」といって、反則されたふりをして相手選手のファウルとなることを誘う行為や、審判に気づかれないように行うファウルなどがあり、そういった行為を予防するという意味もあります。
テスト導入ではミスジャッジ激減
実際に、「VAR判定」によって誤審は減っているようです。それぞれ世界のトップリーグの一つであるドイツのブンデスリーガとイタリアのセリエAによると、テスト導入をした結果、誤審を大きく削減できたとのこと。セリエAの関係者は「誤審の8割を削減できた」と話しているといいます。
実際に、ネット上を中心に、
・審判にばれないように行われるファウルが減れば、選手も観客も気持ちがいい
・サッカー経験者は何とも思わないかもしれないが、シミュレーションでわざとらしく足を痛めたふりをして、すぐに何事もなかったかのように立ち上がる様子は観ていて不快。こういうプレーがVARによって減ってほしい
・他のスポーツではすでにビデオ判定は導入されている。サッカーにも導入すべきなのは言うまでもない
・totoにお金をかけているので、正しい判断が下されるほうが納得できる
といったような賛成意見もあります。
でも試合の流れは止まってしまう
賛成意見だけでなく、実は反対意見も多くあります。その中の一つが「試合の流れが止まってしまう」というものです。
「VAR判定」をする際は、別の場所で試合をチェックしている補助審判が主審からの求めに応じて(または補助審判から主審に連絡して)VARによる判定の助言をし、その後、主審がモニターでプレイの確認をするという手間があります。
応援で盛り上がっているときや、ゴールが決まった後に、このような流れを止める場面があることを嫌う人は、一定数いるようです。
反対意見は他にも……
上記のような意見のほかにも、
・プレーごとにVAR判定をするかどうかを決めるのも結局は人。いまのままならあまり意味がない
・野球やバレーボールは攻守入り乱れることがないからビデオ判定で正しい判断を下せるけど、サッカーのようなスポーツは映像でもプレイの判断が困難なのではないか
・そもそも、もっと審判が目を凝らして公平にプレイを見ていればいい話。審判が無能なことが根本の問題
といったような批判的意見も多くあります。
実際に、ポルトガルとイランの試合では、後半34分にポルトガルのエースであるクリスティアーノ・ロナウド選手が相手選手にひじ打ちをするも、VAR判定を経てレッドカードを免れました。これにはイラン代表の監督で、以前に日本の名古屋グランパスの監督もつとめたカルロス・ケイロス氏が激怒。「ルールではひじ打ちはレッドカードだ。ルールにはメッシやロナウドについての(=メッシやロナウドなら判定が軽くなるという)言及はない」と皮肉を込めて発言するなど、物議を醸しています。
まだまだ改善の余地あり
誤審が減っていることは間違いないため、導入そのものについては総論賛成という人が多いですが、上記のように、まだまだ「VAR判定」には改善点がありそうです。
たとえば、テニスの「チャレンジングシステム」のようなルールがあるとよいかもしれません。これは、1人につき、1試合でビデオ判定を申し込む回数を3回までとするルールで、回数には考慮の余地があるとしても、似たようなルールをつくれば、試合中断によるストレスを軽減させられる可能性もあります。
ルールの話でいえば、同じくロシア・ワールドカップの日本対ポーランド戦の終了間際でも、ポイントの関係で、日本代表が負けている試合なのに攻めずにボールを回し続けたことへの批判について、「そういうルールに合わせて戦っただけで批判はあたらない」「ルールだからってそれをやっていいのか」「そもそもそんなルール自体がおかしい」といったさまざまな意見が出ていましたよね。
いずれにしても、このVAR判定については、一生懸命に戦っている選手にとって納得のいくようなルールやシステムになるといいですね。読者のみなさんはどう思われますか?
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本人初の“リクエスト式ビデオ判定”試合担当へ!! 小泉朝香主審のU-17女子W杯初陣が決定
ゲキサカ / 2024年10月15日 20時39分
-
W杯最終予選でAT3分延び…同点被弾 韓国人監督が批判「審判の判定は偏っていた」
FOOTBALL ZONE / 2024年10月11日 9時30分
-
サウジ戦主審は「最後までブレなかった」 一貫した判定を日本代表OB称賛「冷静にできていた」【見解】
FOOTBALL ZONE / 2024年10月11日 7時23分
-
主審がサポータへ“粋な贈り物” 笑顔の珍光景が話題「謙虚」「退場させているのかと」
FOOTBALL ZONE / 2024年9月25日 7時40分
-
大会後2カ月、ユーロ2024での誤審が発覚…スペインvsドイツの準々決勝でハンド見逃しとUEFAが見解「PKを与えるべきだった」
超ワールドサッカー / 2024年9月24日 23時40分
ランキング
-
1衆院選候補者が答えた「好きなマンガ・アニメ」が必見! ツッコミたくなる珍回答が続々
マグミクス / 2024年10月23日 18時25分
-
2トヨタ「ハイラックス」生産休止に! 何があった? 2月から受注ストップ続き「再開めどは別途案内します」 2015年に日本市場で「劇的復活」
くるまのニュース / 2024年10月23日 16時25分
-
3需要増す「インプラント」不安な人に伝えたい真実 よい治療を受けられる施設選び、7つのポイント
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 9時20分
-
4話題の「バースデーカラームーン」ってどうやるの?簡単に完成する「CapCut」を使った加工方法を伝授
isuta / 2024年10月23日 20時0分
-
5ドラマ脚本も話題「バカリズム」溢れる才能の原点 かつてはコンビ、その頃から才能の片鱗
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください