お金の面から考える「結婚」のメリット・デメリット~結婚は節約になる?
LIMO / 2018年7月15日 12時15分
お金の面から考える「結婚」のメリット・デメリット~結婚は節約になる?
最近では離婚率も上がってきて、結婚というものに魅力を感じない人も増えてきたと言われています。実際、国立社会保障・人口問題研究所の発表※によると、生涯未婚率と呼ばれる50歳時点の未婚割合は、1920年の男性2.17%・女性1.80%から、2015年には男性23.37%・女性14.06%まで上昇しています。
しかし、結婚にはほかの物事と同じようにメリット、デメリットがあり、それをどう受け取るかは人それぞれ。今回は、結婚を「お金」の面から見た場合のメリット、デメリットについて考えてみます。
※国立社会保障・人口問題研究所 人口統計資料集(2017)(http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2017.asp?chap=6&title1=%87Y%81D%8C%8B%8D%A5%81E%97%A3%8D%A5%81E%94z%8B%F4%8A%D6%8CW%95%CA%90l%8C%FB)
結婚で節約できることって?
結婚というと、一般的に「お金がないと結婚できない」と言われますよね。それは、たとえば結婚式の資金や新婚旅行の費用などを指して言っているものだと思います。また、男性の場合は特に「男は家族を養っていく」と言われて育った人も多いかもしれません。ですから、「収入がないから」と自信をなくして結婚しない人も増えているようです。しかし、結婚ってそんなにお金を使うものでしょうか。ここでは結婚で節約できるものを探してみたいと思います。
最近結婚したという30代の女性は「水道、光熱費が浮きました」と笑顔で話してくれました。「これまでは離れて暮らしていたので、水道、ガス、電気の基本料金が2人分かかっていました。でも、一緒に住むと基本料金が節約できます」。
確かに電気や水道の費用は基本料金と使用量に応じた金額の合計が請求されることが多いので、基本料金はまるっと1人分減りますよね。さらに、「2人で暮らしているからといって、単純に使用量が2倍というわけではない」と言います。彼女曰く、お風呂も1回のお湯で2人が入れますし、2人が同じ部屋にいれば1人のときと同じように冷房や暖房をつけておけばいいので単純に2倍ではないことがわかります。
結婚歴2年の女性は、「食費が節約できた」と言います。それまで1人暮らしで作る気にならず、なんとなくコンビニで買ったものを食べていたり外食していたりした彼女。しかし、結婚してからは旦那さんと食べるのが楽しくて、もっぱら自炊派になったと言います。「旦那がよく食べる人なので、1人暮らしのときには仕方ないと思っていた食品ロスもかなり減った」というのも、とても大きなメリットですよね。
結婚は「リスク回避」?
また、結婚はリスク回避だという意見もあります。結婚6年目、共働きの女性は「もし旦那に何かあったらと思うと仕事をやめられない」と笑います。「逆に自分に何かあったときのために旦那さんにはある程度の収入を稼いでおいてもらいたい」ときっぱり。
家庭を築いていくと言うのは簡単ですが、その中身は2人でお金を稼いできて、それをうまくやりくりするというのが軸にあるでしょう。家族が増えた温かさや居心地の良さを感じられることも大きなメリットですが、1世帯の中で働ける人が1人から2人に増えることのメリットは大きいですよね。
どちらかが仕事を辞めても急に生活に困ることがないというのだけでも、非常にありがたいのではないでしょうか。どちらかがケガや病気で思うように働けなくなることもあると思います。しかし、そうなったときに力を合わせて乗り切れるというのは心強いですよね。
税制面でおトクなこと
結婚しておトクになるのが税制面です。結婚すると配偶者控除が受けられるというのは、すでにほとんどの人がご存じの制度ですよね。配偶者の所得が少ない場合、専業主婦と同じような税制上の優遇を受けられるというのがこの配偶者控除。これは当然、配偶者を持つ既婚者のみに許されたメリットですよね。結婚のメリットと言って差し支えないのではないでしょうか。
さらに子どもを産むと、出産に関する手当がもらえたり、出産費用はもちろんのこと、妊娠中の定期健診にかかった費用や通院費などを確定申告の医療費控除の対象とすることもできます。
結婚すると自由に使えるお金が減る?
その一方で、結婚したことで自由に使えるお金が減ったという人も。そう答えたのは、結婚4年目の30代女性です。「結婚して旦那と財布を一緒にしたので、私も旦那もお小遣い制。毎月数万円のお小遣いの中でそれぞれやりくりしている」と言います。
確かに、結婚すると保険に加入しようという話になったり、2人用の住まいに引っ越して家賃が上がったり、何かと出費が増える場合も。それに伴って、お互いの自由に使えるお金が減ることもありますよね。彼女のようにお小遣い制になってちょっと不便さを感じている人も多いと思います。
将来のための貯金やマイホームの頭金を貯めようとか、子どものためにお金を貯めようなど、これから迎えるさまざまなライフイベントに対してお金を準備しておこうというのは、結婚した2人の間で当然なされるべき議論です。そして、当然行われるべきことです。そのせいで自由に使えるお金が圧迫されてしまうというのもありますが、将来の自分たちのためだと思って頑張ってみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか。結婚すると、いろいろなメリット、デメリットがあります。それをどう受け取るか、何を感じるかは本人の考え方次第です。ここでは、結婚をお金という切り口でのメリット、デメリットを考えてみましたが、結婚のメリットやデメリットはそれだけではないと思います。結婚したいと思っている人は、一度じっくり考えてみてくださいね。
ご参考:「貯金」と「貯蓄」の定義の違いとは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、「貯蓄」とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、①銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、②生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)、③株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計を言います。つまり、「貯蓄」はいわゆる「貯金」や「預金」だけのことではなく、リスクのある有価証券への投資を含むということになります。
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