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子ども3人以上のママの子育てが、2人育児のママと違うのはどこ?

LIMO / 2018年7月18日 20時15分

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子ども3人以上のママの子育てが、2人育児のママと違うのはどこ?

子育てに必要な「無知の知」

北関東のとある地方都市に住む筆者の周囲では、筆者を含め子ども3人を育てるママは少なくありません。それどころか子どもが4人、5人いるという人にも出会います。

彼女たちと話していて感じるのが、子ども2人までを育てるママと、3人以上を育てるママとの違い。2人までの子を育てるママとは「毎日いっぱいいっぱい」という話をよくするのですが、3人以上を育てるママからはそういった話をあまり聞きません。

なかには3児以上を抱えながら「仕事もして、小学校のPTAに、幼稚園の役員も」という強者も。どうしたらそこまでパワフルに動けるのか、子育てに対する考えを聞いてみました。

「親に元気がないと家庭が回らない」

「何をするにも子ども優先」という価値観が根強く残る日本。特に1人目の育児中は、1日のほとんどを子どものために費やし、自分のことは二の次、三の次、いや一番最後…というママも少なくないのではないでしょうか。

とある4児のママ(仕事、中学校PTA、幼稚園役員兼務)は、「ママが元気じゃないと困るのは子どもたち。自分が倒れたら結局は一番困るのが子どもだから、自分を大切にしてる。倒れるまでいかなくても、私が疲れたり心に余裕がないだけで、子ども全員の精神状態も不安定になる」と言います。

ママとしては自分の時間を作ることにも、便利家電・スマホ・お惣菜や冷凍食品を使うことにも罪悪感を感じてしまいがち。彼女は「便利な物に頼るときの基準も自分。疲れているときは全部に頼って、何もしない。一番大切なのは自分の気持ちが安定していて、子ども全員の話を聞いてあげること。子どもたちも色んな悩みやストレスを抱えて帰ってくるからね」と決めているそう。

「普段は晩御飯も子どもの好きなメニューを作るけど、疲れたら自分や夫の食べたいものを作る。親に元気ないと、家庭は回らないよ」とも言っていたのも印象的でした。

「無理しない、頑張らない」

登園渋りで大泣きする筆者の子に、「頑張らなくていいよ。もう十分頑張ってるもん。いっぱい泣いてもいいんだよ」と声をかけてくれたのは、3児のママ(仕事、小学校PTA、幼稚園役員兼務)。彼女の口癖は「無理しない、頑張らない」。

「無理して良いことってないからね。無理してもうまくいかないし、イライラするし、焦るし、ストレス溜まるし、夫婦げんかになるし(笑)、長くは続かないから。それは大人も子どもも同じ」と話します。子育てをしていると、自分だけでなく子どもにも「もっと頑張って!」と求めてしまいますよね。

彼女の言葉で思い出したのが、児童精神科医である佐々木正美先生の著書『子どもへのまなざし(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4834014738/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4834014738&linkId=187781135dbfecfa2a0c354a827538ef)』(福音館書店)に書かれていた「子どもにかぎらず人間というのは、かならずよくなる方向に自然に向いているわけです。(中略)とくに元気ざかりの子どもなんかは、すべてのことがかならず、いいほうへ向かおうとしているのです。だから、じゃまをしなければ、みんないい子になって、個人差はありますが、子どもなりの素質と個性と能力で、みんな発達していくわけです」という言葉でした。

減点方式から加点方式へ

同じく仕事と幼稚園役員をしている筆者も、子どもが2人よりは3人の方が精神的に楽になりました。それは子どもが3人になり、減点方式から加点方式に変わったからでしょう。

子ども2人までは、「みんなが普通に子育てをしているのだから、全てを完璧にこなさないと」と日々自分を追い込んでいました。1日のスタートが100点で、「公園に行けなければ−10点、お惣菜を使った日は−10点、子どもを怒れば−30点」という減点方式。もちろん100点満点で終わる日などなく、自分を責めるのです。

子ども3人となってからは、「子ども3人を大人1人で見るなんて無理」と一気に肩の力が抜けました。多くを諦め、1日のスタートが0点となり、「ご飯が作れたから20点、折り紙の折り方を教えたから10点、今日は怒らなかったから30点」と加点方式に変わったのです。

減点から加点に変わったことで、義務感が減り、自分が自然体でいられることが増えたように思います。それまで自然体でなかったというのもおかしいのですが、それほど「完璧な母親にならないと」という考えは根強いものでした。

大切なのは「無知の知」であること

上記の3つの考えは、「子どもが3人以上いるから許される考え」ではありません。皆それぞれ悩み、試行錯誤しながら行き着いた考え。「1人目のときからこうであれたら、もっと心にゆとりを持って子どもと向き合い、育児を楽しめたのに」と口にします。

アフリカでは「子どもを1人を育てるのには村中みんなの協力が必要だ」ということわざがあります。人間を育てることは、それほど大変なことなのです。一方、日本では「子育ては誰でも普通にやれること」「小さな子を育てるくらいママ1人でできる」という考えが強いように感じます。

ソクラテスの言葉に「無知の知」があります。「自分が無知であることを自覚しているだけ、わかったつもりでいる人よりは賢い」ということですが、これは子育てにおいても言えるでしょう。

1人目を育てる段階から「子どもを大人1人で育てることはできない」と自覚すると、視野が広がります。夫や祖父母、子育て支援センターの保育士やママ友など、他人に相談したり頼ることができるでしょう。自分も大切にでき、育児を楽しめる時間が増えます。些細なことで自分を責めることもなくなるでしょう。大人1人では育児できないのです。そのことを社会全体が理解するようになることを望みます。

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