PTAだけならまだ楽! 2役3役当たり前の「役員地獄」の実態
LIMO / 2018年7月17日 10時20分
PTAだけならまだ楽! 2役3役当たり前の「役員地獄」の実態
幼稚園、子ども会、学童…役員の掛け持ちで疲弊する母親
小学校のPTAの活動のあり方について、匿名性の高いネット空間では「なくしてしまえ!」という極論もふくめ、盛んに意見が交わされています。しかし、リアルな現場では「活動内容には納得できないけど、自分の任期中の“やっかいごと”は避けたい」と、本音を胸の中にしまいこんで活動している方が多いのではないでしょうか。
課せられた役を淡々とこなしているうちに、軽いグチを言い合える顔見知りが増え、「最初はイヤだったけど、思ったより楽しく乗り切れたな」……と、年度末には清々しい達成感さえ抱いた方もいらっしゃるかもしれません。
PTA活動は、「1年(場合によっては2年)ガマンすればいい」という期間限定のため、問題を先送りする傾向が見られます。なんとか乗り切って、「例年通り」を翌年の担当にバトンタッチするのが一番の省エネ方法なのです。
少子高齢化で「役のスパン」が短期化
「問題先送り」がラクだとは言っても、時代は少子高齢化。子どもの数は減っているのに、仕事の量はなかなか減らず、役が回ってくるスパンが短期化している学校も見受けられます。
さらに地域社会には、学校の役員だけでなく、他にも様々な役員が存在します。
保育施設
子ども会
学童保育
習い事(少年団、ボーイスカウトなど)
自治会、町内会
マンション管理組合
ざっと上げるだけでも、このような組織があります。皆さんの周りにも、まだまだいろんな組織があるでしょう。
それぞれに「会長」「副会長」「会計」「書記」といった役があり、子どもが複数いる家庭や、所属人数が減っている組織においては、役がまわってくるスピードが加速度的にアップするという事態が発生しやすくなります。
0歳~小4の3人の子どもがいる筆者は今年度、PTAの校外補導部、少年団の会計、子ども会のラジオ体操係という3つの役を担当しています。
それぞれの組織で「赤ちゃんがいるから」という理由で「長」「副」のつく責任の重い役を免除してもらいましたが、それでも仕事と家事・育児を抱え、3つの役をこなしていくのは大きな負担です。
休日、家事の合間に赤ちゃんを背中で寝かせながら少年団で集金したお金を数え、途中「オギャー」とぐずる赤ちゃんをあやしてふとカレンダーを見つめると、翌朝にPTA活動があったことを思い出してしばし絶句……というような、まさに綱渡りの日々を送っています。
筆者のようなケースは決して特別ではなく、どの地域に行っても2役、3役とかけもちしている家庭は珍しくありません。
こうした地域の役員活動は、えてして家庭の中でよりフレキシブルに動ける親、つまり、パート勤務や残業のない働き方をしている割合が多い母親側に負担が重くのしかかります。
子どもの行事や看病、役所手続きなど、様々な場面で仕事を休まなければならない育児中、地域の仕事がダメ押しの一撃のように育児の負担感を高めます。
「育児以外の仕事が多すぎる」!?
どの組織のお母さん達も、それぞれの事情を抱え、子どもや地域のために役員活動に取り組んでいますが、メンバーが減った組織では「できることを、できる人がやろう」という理想は通らず、「できなくても、やってみればなんとかなる。やらないのは、ずるい」が常態化しています。
地域の絆というのは、面倒なしがらみと表裏一体であり、一見面倒に思える善意のギブ&テイクによって少しずつ築き上げられるものだ、子どもを地域で育てたいなら文句を言うな……というのは、正論ですが、「子どもを育てるためには、育児以外の仕事が多すぎる」というのは、少子化の遠因にもなるのではないでしょうか。
今や、母親のスマートフォン所持率は9割超(ベネッセ教育総合研究所調べ)。たとえば『役員アプリ』ようなものを開発し、負担感やこれまでの貢献度を可視化し、共有。重役を引き受けてくれた人、ボランティアとして動いてくれたシニア世代にはアプリを通じてささやかな『投げ銭』をして、誰もが「感謝されている」「必要とされている」という実感を得ることができたら。「善意の搾取」でなく、自主的な善意をベースに地域でゆる~くつながることができたら。
そんな日がやってきたなら、少しだけ育児の閉塞感が和らぎ、人間関係もラクになっていくのではないのでしょうか。
【参考】第2回 乳幼児の親子のメディア活用調査(https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5208)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
小学館の育児メディア「HugKum」が調査!【意外にも必要派が多い?令和のPTAの実態】「ベルマーク集めを廃止」「シルバー人材センターを活用」など、活動を試行錯誤
PR TIMES / 2024年7月4日 13時45分
-
パパが「PTA役員になりたい」と言い出したら…「賛成」or「反対」どっち? 1400人超のママが答えた
オトナンサー / 2024年6月29日 19時10分
-
子どもの小学校の「PTA役員」になったけど、とにかく仕事が多すぎる! 冊子やWEBサイトの制作、記念品の準備は「外注」できる? 費用もあわせて確認
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 5時0分
-
給食がなくなる夏休み。子育て世代の悲願、学童保育の「昼食提供」はなぜ広まらない?
オールアバウト / 2024年6月22日 20時50分
-
当事者は切実な問題...PTAは廃止すべき?ないと困る? Xでも必ず激論に...保護者の悩みと葛藤
J-CASTニュース / 2024年6月17日 10時0分
ランキング
-
1【早期発見のために】乳がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、胃がん、食道がん…“予兆”の可能性がある「体からの警告」
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 16時15分
-
2「大正製薬の広告炎上?」怒る人は本当に多いのか 企業はネットでの批判に翻弄されるべきではない
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 18時40分
-
3ワークマンの「暑い日に履きたい、通気性抜群のシューズ」3選 980円の「ボーンサンダル」はカワイイ&歩きやすい
Fav-Log by ITmedia / 2024年7月4日 5時55分
-
4定年後に、見落とすと厄介な出費「3選」とは?
オールアバウト / 2024年7月3日 21時40分
-
5宝くじに当たる「確率」ってどれくらいなの?
オールアバウト / 2024年7月5日 21時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください