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相続問題、配偶者居住権の創設で何が変わる?

LIMO / 2018年7月16日 21時20分

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相続問題、配偶者居住権の創設で何が変わる?

配偶者の老後生活の安定へ民法改正

2018年7月6日に民法が改正されました。2020年7月までに施行ということで、実際に適用されるのはまだ先ですが、どのような改正が行われたのでしょうか?

配偶者居住権とは?

今回の改正の目玉は、「配偶者居住権」の創設です。この制度は、簡単にいえば、夫または妻がなくなった後に、できる限り残された配偶者に住居に住み続けられるようにするというものです。

所有権を持っている者が別にいても、配偶者居住権という権利を取得した配偶者は、自分が亡くなるまでその家に住み続けることができることになります。特定の要件のもとで、残された配偶者が借主である賃借権が発生するといったイメージでしょうか。

では、この権利はどのような時に有効なのでしょうか?

相続人が残された配偶者と子の場合で、子が同居しているなら、配偶者または子が所有権を取得して、そのまま同居を続けるということが通常なので、わざわざ配偶者居住権などの権利を持ち出す必要はないでしょう。

別居している子が実家を相続した場合には、配偶者居住権の出番があるかもしれません。お金に困った子が実家を売却できないように、配偶者居住権を付けておくということです。

配偶者居住権が付いていると、売却しても配偶者が存命の間は、買主が配偶者居住権に縛られて自由に使用できないため、売却することはかなり困難と考えられます。

とはいえ、残された配偶者が一人暮らしになる場合でも、親子の仲がよほど悪いというわけでなければ、親が住んでいる家を取り上げようとする子はそれほどいないため、珍しいケースかもしれませんね。

さらに、子がいない場合で、配偶者と亡くなった配偶者の兄弟姉妹で相続するケースでも有効です。不動産以外にめぼしい財産がない場合に、配偶者が家を売却して兄弟相続人にお金を分配してしまうと、新しく家を探す必要が出てきます。

このようなケースでは、残された配偶者も高齢であるケースが多いため、引っ越しなどもかなりの負担になってしまいます。

そこで、配偶者居住権を設定しておけば、不動産の所有権がどのような割合になっても、配偶者が存命の間だけは配偶者が住み続けることができます。そして、残された配偶者が亡くなった後に、その不動産を売却することができるというわけです。

配偶者居住権は要件を満たさないと設定できない

残された配偶者の住まいを守るための配偶者居住権ですが、その設定にはいくつかの要件があります。

まず、残された配偶者がその家に住んでいたことが必要です。よほど夫婦仲が悪くない限り別居していることはあまりないと思いますので、この要件は大体満たしているでしょう。

そして、もう一つが

    遺産分割協議で配偶者居住権を設定することに相続人が同意する

    亡くなった配偶者が配偶者居住権の設定を遺言で残しておく

    夫婦間で死亡することで発生する贈与契約をしておく

という要件です。一定の要件のもと裁判所の審判という方法もありますが、実際は上記のいずれかで設定することが多いでしょう。

遺産分割協議で配偶者居住権を定めるのは、少なくとも遺産分割協議の時点で相続人間が不仲でないことが必要でしょう。そのため、2. の遺言で残しておくという方法が、残された配偶者にとって最も負担がかからないでしょう。

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