株初心者は知っておきたい銘柄選びの材料
LIMO / 2018年7月16日 11時0分
株初心者は知っておきたい銘柄選びの材料
投資信託の運用報告書を参考に銘柄を選んでみてはいかがでしょうか
株初心者の方の大きな悩みとしてあげられるのが、「どうやって銘柄を選んでよいかわからない」、「いつ買ってよいのかわからない」、「いつ売ってよいのかわからない」等というものではないでしょうか。
今回は銘柄選択をする際にプロ投資家である機関投資家の知見を、お得にまた効率的に活用するという方法を見ていきましょう。
小型株ファンドの運用報告書は投資アイデアの宝箱
時価総額の比較的小さな銘柄で構成されている、いわゆる「小型株ファンド」と呼ばれる投資信託があります。
今回はその小型株ファンドの公開されている運用報告書に注目しましょう。
結論からいいますと、小型株ファンドの運用報告書は投資アイデアの宝箱のようなものです。
株初心者が大事にした方が良い公開情報といえます。
ベンチマークとは何か
ベンチマークとは、運用者であるファンドマネージャーが運用する際、運用パフォーマンスの比較や銘柄の保有比率などの基準となる株価指標のことです。
日本株の大型株(時価総額が大きな株)ではTOPIXがベンチマークになることが多いです。
一方、小型株のベンチマークは時価総額が小さいもので多くの銘柄数で構成されます。大型株式のベンチマークとは異なり、ポートフォリオの構成銘柄の上位10における各銘柄の構成比率は小さくなります。
大型株ファンドで起きる不思議なこと
ここではベンチマークがあるがゆえに、大型株ファンドで投信初心者が経験するであろうシーンを整理しておきましょう。
例えば、A銀行がベンチマークの5%を占めるとします。運用者はA銀行が将来ベンチマークに対して株価パフォーマンスは下回ると考えたとします。つまり、A銀行株には自信を持てないということです。
結果、運用者がどのような投資行動となるかというと、A銀行株を、ベンチマーク以下の比率、たとえばポートフォリオの時価総額の3%相当を購入したとしましょう。
「A銀行株は将来ベンチマークに対して株価パフォーマンスが下回ると考えるのに、なぜ購入するのか」と疑問に思われるかもしれません。これは運用現場で良くみられる投資行動です。
運用者からすると、A銀行に関して、ベンチマークでの比率である5%に対してポートフォリオでは3%しか購入していません。これをA銀行株をベンチマークに対して「アンダーウェート」しているといいます。A銀行株がベンチマークに対して上昇しないと考えているために、保有比率をベンチマークよりも低く抑えているわけです。
「株価が上がらないと思う株なのになぜ保有するのか」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、ベンチマークに大きく組み入れられている銘柄を全く持たないためには、それもそれに匹敵する根拠と自信が必要です。
小型株ファンドの顔ぶれはユニークになりやすい
一方、小型株中心の投資信託は大型株とベンチマークが異なることもあります。小型株ファンドの場合には、ベンチマークが存在しないケースもあります。
その結果、ポートフォリオの上位10銘柄の顔ぶれがユニークなことが多くなることがあります。それはベンチマークがある場合にも、上位10の銘柄の各構成比率が小さいことが多いからです。
たとえば、ベンチマークで上位10の構成銘柄でベンチマークに対して2%を占める銘柄があったとします。運用者がその銘柄が気に入らなければ、全く購入しないという判断もできます。その際には、「マイナス2%のアンダーウェート幅」を維持している状況です。
また、ベンチマークにおける各銘柄の構成比率が小さいということは、運用者は将来のパフォーマンスに自信のある銘柄をベンチマークに組みいれられている比率よりも多めに持つ、つまり「オーバーウェート」しようと思えば、大型株ファンドと比べると比較的簡単にできます。
運用者が組み入れたいと考えている銘柄がベンチマークに占める比率がほとんどゼロに近いような場合には、ポートフォリオの時価総額分のうち2%を購入すれば、ほぼそのまま「オーバーウェート」することができます。
大型株ファンドで、ベンチマークでの構成比率が5%を占める銘柄を2%の「オーバーウェート」にしようと思えば、ポートフォリオの時価総額のうち7%分を購入しなければなりません。実務上は、他の銘柄の売却などもあれば、非常に手間のかかる作業といえます。
まとめにかえて
こうして考えると、小型株ファンドの保有額上位10の銘柄は、運用者やアナリストが調査を重ねて、自信をもっている銘柄ばかりだということができます。
株初心者はそうしたプロが厳選した目柄を参考にするということも銘柄選択の際には参考にしてみてはいかがでしょうか。
もっとも、プロが既に購入している銘柄ですので、いつ売却するかという目線でも見る必要があるということも付け加えておきます。
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