ゾゾタウン運営のスタートトゥデイの強さとは
LIMO / 2018年8月2日 6時0分
![ゾゾタウン運営のスタートトゥデイの強さとは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_6879_0-small.jpg)
ゾゾタウン運営のスタートトゥデイの強さとは
10倍株の道のり
ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイ。時価総額は1兆円を大きく超え、株式投資家のみならずEC企業として消費者に支持されている。また、ZOZOSUITなど新たな取り組みとテクノロジーをうまく活用する企業として注目されている。今回は同社の決算短信などを参考にその強みを見ていきたい。
2019年3月期Q1決算はどうだったのか
2019年7月31日に発表された2019年3月期Q1決算は同社の決算短信(https://image-contents.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2018/07/2019_1Q_tanshin_J.pdf)によれば、売上高は対前年同期比+24%増、営業利益は同▲26%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は同▲25%減と増収減益という着地となった。
一方で、同社は通期の連結業績予想は期初予想を修正していない。会社による通期予想は売上高が対前年度比+49%増、営業利益は同+22%増、親会社株主に帰属する当期純利益は同+39%増と、Q1の実績を見ると決算としてはあと9か月を残しているが、今後どう巻き返してくるのかを考える局面にはある。
とはいえ、Q1減益の背景は事業を積極的に展開してきたことによるものである。同社の決算説明資料(https://image-contents.s3.amazonaws.com/wp/wp-content/uploads/2018/07/2019_1Q_kessan_J_.pdf)によれば、「商品取扱高拡大」で+14.5億円、「粗利益率改善」で+7.9億円とある一方で、ZOZOSUITSの大量配布にともなう「広告宣伝費増」が11.6億円、連結従業員増や拠点増加に伴う「人件費率増」が6.4億円あり、その他の要因などが影響し、営業利益が減少した形となった。
ゾゾタウンのユーザーとの接点の規模はどのくらいか
ゾゾタウンの年間購入者数は、2019年3月期Q1では、アクティブ会員数が546万人、ゲスト購入者数が193万人とそれぞれを合計すると739万人にも及ぶ。アクティブ会員とは、過去1年以内に1回以上購入した会員数で、ゲスト購入者数とは、会員登録を行わず購入したユニーク購入者数とされている。
アクティブ会員の年間購入金額は4万6870円、年間購入点数は11.3点となっている。つまり、割り戻すと1か月強に1点の買い物をしていることになる。また、会員登録から1年以上経過しているアクティブ会員は年間購入点数は14.2点とさらに購入点数が多くなっている。ここまで買い物頻度が高いというのは同社へのロイヤリティの高さを示すものであろう。
ゾゾタウンの強みとは何か
Longineの「ZOZOTOWN運営のスタートトゥデイ(3092)はアパレル領域で購買行動を変え続ける」(https://www.longine.jp/abstract?id=3610)でも取り上げたように、ゾゾタウンは消費者のリーチが高まることでアマゾンのようにプライベート・ブランド(PB)を展開できるようにまでなっていることには注目をしておくべきであろう。
また、既に多くの人がご存知のように同社はZOZOSUITを製作し配布しているようにテクノロジーとZOZOSUITというやわらかいが「ハードウェア」を通じて消費者と接点を持とうとしていることである。話はそれるが、アマゾンも様々なデバイスを展開することでユーザーと接点を持とうとしてきたことと印象が被る。
若い世代が特に移動しなくなりつつある現在、自宅に商品を運んでくれるECは今以上に買い物・ショッピングの重要な手段になろう。また、リアルの店舗に足を運ばなくなる環境においてはいかにネットやスマホを通じて消費者・ユーザーと接点を持つプレーヤーが商機に恵まれるのは必然であろう。「テクノロジー×プライベート・ブランド」でアパレル業界においてユニクロのように同社が日本から世界展開ができるのかには注目したい。
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