これから住宅ローン金利は上昇していくのか?
LIMO / 2018年8月12日 10時20分
これから住宅ローン金利は上昇していくのか?
長らく史上最低水準にあった住宅ローン金利ですが、今後どのように推移していくのでしょうか。
現在、景気回復に伴い、世界規模で金融緩和政策の解除が進んでいます。日本もこの利上げの動きに追随していく見込みで、7月末には日銀が金利上昇を容認する旨を発表しました。
それを受け、実際に8月1日に金利の引き上げを行なった銀行もあります。
りそな銀行は1日から、10年固定・最優遇の住宅ローン金利を0.05%引き上げて年0.75%にします。
また、みずほ銀行と三井住友銀行、三井住友信託銀行も10年固定の金利は据え置いたものの、15年以上の金利をそれぞれ0.05%引き上げます。引き上げの背景には、住宅ローン金利の指標となる長期金利の上昇があります。
出典:さっそく各行が住宅ローン金利引き上げ 日銀余波(http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000133066.html)
過去の金利の推移から見ても、住宅ローン金利がこれから上昇に転じる可能性は極めて高いように思われます。このような状況をふまえると、35年間金利が変わらない「フラット35」の魅力について再考する価値は大きいといえるのではないでしょうか。
全期間固定金利でライフプランが立てやすいというだけでなく、転職・他の借入・信用情報の問題があったり、自営業やフリーランス、中小企業の代表者であったとしても利用しやすいという特徴をもつフラット35。この記事では、フラット35の魅力やフラット35を利用した場合の実際の支払い金額、お得なフラット35の利用方法についてご紹介します。
フラット35や固定金利を利用する人は多い
フラット35を運営する住宅金融支援機構が実施する調査(https://www.jhf.go.jp/files/300316102.pdf)によると、フラット35を含む全期間固定型の住宅ローンを借りている人は、住宅ローン利用者全体の36%程度、また一定の期間だけを固定金利にしている人は、住宅ローン利用者全体の25.3%いるという結果がでています。このことから、フラット35に代表されるような固定金利住宅ローンを利用することで、「金利を確定することによって、将来のリスクを減らす」という戦略を取っている人が非常に多いことが分かります。
実は住宅ローンの借入は難しい
民間銀行の住宅ローンの審査は非常に厳しいといえます。たとえば低金利で人気の「ネット系銀行の住宅ローン」ですが、表には出していないものの、実際には「東証一部企業で年収800万円以上。既婚者で勤続2年以上」といった、比較的高い条件をクリアしていないと審査を通過することができないといわれています。また、広く利用されているメガバンクなどの民間銀行の住宅ローンであっても、以下に該当する人は、年収が高くても住宅ローン審査(https://kawlu.com/journal/2017/06/13/37379/)を通すのは非常に難しいといわれています。
転職1年以内の方
自営業の方
個人事業主、フリーランスの方
中小企業の代表者や役員
正社員以外の雇用形態の方
資本金が少ない中小企業にお勤めの方
従業員数が少ない中小企業にお勤めの方
過去にクレジットカードの遅延履歴がある方
他の借入(住宅・車など)がある方
今の時代、よりよい職場を求めて転職をするのはごく一般的なことです。また、働き方の多様化により、フリーランスや個人事業主も珍しいことではなくなってきました。全員が一部上場の大企業に勤務できるわけではありませんから、従業員数や資本金が少ないベンチャー企業でがんばっているという人もたくさんいるはずです。
ところが民間の住宅ローンは、審査基準が杓子定規というか、こういった世の中の動きに柔軟に対応できていないのが現状なのです。
一方、フラット35は「住宅金融支援機構」という独立行政法人により提供されており、担保価値のある物件であれば、住宅ローン利用希望者の雇用形態などについては、かなり柔軟に勘案してくれるものとなっています。このような特徴により、フラット35は今まで95万組もの人に利用されているのです。
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フラット35のかしこい借り方
フラット35には金利プランがいくつか用意されています。ここでは、住宅ローン利用者の負担を減らすことができる、かしこい借り方についてお伝えします。
団体信用生命保険は付けなくてよい
フラット35は住宅ローン金利に0.2%の上乗せをすることによって、団体信用生命保険をつけることができるというシステムになっています。しかし、ローン契約時に、この団体信用生命保険を付ける必要はありません。というのも、金利に上乗せして保険料を払うよりも、ご自身のご家族構成に合わせた必要な補償の分だけ、民間の生命保険に加入したほうが無駄な出費をおさえることができるからです。
また、民間の生命保険であれば年末調整の対象にもなります。節税対策としても民間の生命保険の方がよいでしょう。
フルローンの場合、1割は変動金利で借りる
フラット35は「フラット35の借入金額割合が物件購入価格の9割以下かどうか」で、金利が大きく異なります。頭金が用意できればいいのですが、フルローンで住宅ローンを借りる予定にしているならば、1割部分は各金融機関が提供している変動金利の住宅ローンを利用するようにしましょう。
そうすれば、フラット35の9割以下の金利が適用されます。1割部分の変動金利は金利が高めにはなりますが、トータルコストで考えると10割をフラット35で借りるよりも安くなる計算になります。なお、繰り上げ返済をする場合は、変動金利の住宅ローンから返済するようにしましょう。そちらのほうが固定金利のメリットをより享受することができます。
お風呂に手すりが付いていれば5年間は金利-0.25%の優遇が使える
お風呂に手すりが付いているマンションの場合、フラット35S(金利Bタイプ)を利用することができます。フラット35S(金利Bタイプ)の場合、最初の5年間は金利が-0.25%の優遇を受けることができ来ます。ちなみにフラット35S(金利Aタイプ)の場合は、最初の10年間は金利が-0.25%の優遇を受けることができますが、フラット35S(金利Aタイプ)を利用できるマンションは超高級新築マンションなど一部のマンションに限られます。
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フラット35は借入可能金額が多い
フラット35は、民間の住宅ローンに比べて借入可能金額が高めに設定されています。年収に対して借入可能な金額を計算する際の金利を「計算金利」とよびますが、民間の住宅ローンの計算金利が3.2%程度なのに比べて、フラット35の計算金利は、その時の実際の金利が計算金利になるためです。なお、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)の上限は35%となっています。
年収ごとの借入可能金額の目安は下記の通りです(フラット35の金利は1.8%で計算)。
年収400万円:変動金利29,450,000円、フラット36,330,000円
年収500万円:変動金利36,810,000円、フラット45,410,000円
年収600万円:変動金利44,180,000円、フラット54,500,000円
年収700万円:変動金利51,540,000円、フラット63,580,000円
年収800万円:変動金利58,900,000円、フラット72,660,000円
年収900万円:変動金利66,270,000円、フラット81,750,000円
フラット35を利用できるマンションは安心感がある
フラット35はどのようなマンションの購入にでも利用できるわけではありません。購入時にフラット35が利用できるマンションには、下記のような条件があります。
壁芯で30㎡以上の広さがあること
原則として2つ以上の居住室ならびに炊事室、便所及び浴室の設置があること
新耐震基準(https://kawlu.com/journal/2016/05/01/18560/)のマンションであること
管理規約が定められていること
長期修繕計画の計画期間が20年以上あること
これらの条件は、長期にわたって資産価値を保つことができる条件として、住宅金融支援機構が設定したものになります。逆にいえば、フラット35を利用できる中古マンションというのは、資産価値が高いマンション(https://kawlu.com/journal/2017/05/06/34106/)といえるのです。
まとめ
いかがでしたか? フラット35の魅力を充分にご理解いただけたのではないでしょうか。フラット35は非常に柔軟性に富んだ、住宅購入を考えるあらゆる人にとって大きな味方となる住宅ローンです。住宅購入をお考えの方は、ぜひ、フラット35での借入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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