三菱電機の役員報酬はいくらか
LIMO / 2018年8月23日 15時0分
三菱電機の役員報酬はいくらか
企業年収給与研究シリーズ
日本の電機産業の「優等生」とも呼ばれる三菱電機。同社は、グローバルの景気によってブレはありますが、しっかりと収益を上げてきました。そうした業績実績もある中、同社の役員報酬には注目が集まります。今回は最新の有価証券報告書(http://www.mitsubishielectric.co.jp/ir/data/negotiable_securities/pdf/147.pdf)を見ながら過去の業績がどうであったのか、どのくらいの役員報酬なのか、役員と従業員の給与水準の差はどの程度なのかをみていきましょう。
過去5年の業績動向
一般的に役員報酬は経営する企業の業績に連動するといえるでしょう。
ここでは、同社連結の過去5年の業績について簡単に振り返ってみましょう。
売上高は2017年3月期に一時的に減収となりましたが、2014年3月期に約4.0兆円であったのが、2018年3月期には4.4兆円にまで拡大しています。
また、税金等調整前当期純利益については、売上高の動きと同様に2017年3月期に減益となる状況がありましたが、2014年3月期に2489億円であったものが、2018年3月期には3645億円にまで増加しています。
投資家の注目が集まる(同社株主に帰属する)当期純利益は税引等調整前当期純利益の動向と同様に2017年3月期に一時的に減益となりましたが、2014年3月期に1534億円であったものが、2018年3月期に2718億円にまで増加しています。
役員報酬はいくらか
取締役3名の「報酬等の総額」が1.91億円(内訳は基本報酬が1.46億円、退任慰労金が4500万円)となっています。取締役区分の「報酬等の総額」を人数で割った一人当たり平均報酬額は約6300万円。このように平均報酬額は6000万円を超えています。ちなみに、取締役の支給人数には、社外取締役及び執行役を兼任する取締役は含まれていません。
また、執行役22名の報酬等の総額が32.95億円(内訳は基本報酬が9.00億円、業績連動報酬が21.06億円、退任慰労金が2.89億円)となっています。同区分の報酬等の総額を人数で割った一人当たり平均報酬額は約1.5億円。このように平均報酬額は1億円を超えています。
ちなみに、社外取締役5名の報酬等の総額は6700万円(内訳は基本報酬5700万円、退任慰労金が1000万円)となっています。同区分の報酬等の総額を人数で割った一人当たり平均報酬額は約1300万円。このように平均報酬額は1000万円を超えています。
同社報酬制度の特徴とは
同社の執行役の報酬制度の特徴としてあげられるのが、一定金額報酬と退任時の退職慰労金に加えて業績連動報酬を支給することとしています。
ここでは業績連動報酬の考え方についてみておきましょう。同制度の内容はざっくりいえば以下の通りとなっています。
連結業績及び同社の状況などを勘案して決定
業績連動報酬のうち50%を「株式報酬」とする
株式報酬として取得した同社株式は、原則退任後1年が経過するまで継続保有すること
つまり、執行役員が在職中に会社の業績が好調で多くの業績連動報酬を手にするといっても、業績連動部分のうち半分は株式で受け取ることになります。また、その株式は退任した後1年を経過した後でなければ売却できないということになります。
役員報酬と従業員給与は何倍違うのか
「三菱電機の給料はどのくらいか」(https://limo.media/articles/-/6664)でも見たように同社単体の平均年間給与は792.4万円です。
執行役の平均報酬額を従業員の平均年間給与で割った数値を「役員報酬倍率」としましょう。執行役の平均報酬を単体従業員の平均年間給与で割れば、当倍率は約19倍ということになります。
役員になること自体、新卒として就職し役員にまで上り詰める確率から言えば簡単なことではないでしょう。ただ、社内でキャリアパスを踏んでいくことで、大きな年収のアップサイドがあるといえるでしょう。
【ご参考】有価証券報告書とは
有価証券報告書とは投資家にとっては欠かせない公開情報です。関東財務局の「企業内容など開示(ディスクロージャー)制度の概要」(http://kantou.mof.go.jp/disclo/gaiyou.htm)の中で、以下の有価証券の発行者は、事業年度ごとに有価証券報告書を提出しなければならないことになっています。(1)「金融商品取引所に上場されている有価証券」(2)「店頭登録されている有価証券」(3)「募集または売出しにあたり有価証券届出書または発行登録追補書類を提出した有価証券」(4)「所有者数が1000人以上の株券( 株券を受託有価証券とする有価証券信託受益証券及び株券にかかる権利を表示している預託証券を含む。)または優先出資証券(ただし、資本金5億円未満の会社を除く。)、及び所有者数が500以上のみなし有価証券(ただし、総出資金額が1億円未満のものを除く。)」
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