貯蓄型保険で「ほったらかし貯蓄」の是非
LIMO / 2018年12月5日 6時0分
貯蓄型保険で「ほったらかし貯蓄」の是非
貯蓄性保険と非課税制度の使い分け
「貯蓄もしたいけど保険にも入っておかなくては」。そんな方に是非ご検討頂きたいのが貯蓄型保険。しかし一方で「貯蓄型保険に入りたいけど色々種類があってどれを選べばよいかわからない…」そんな悩みも聞こえてきそうです。あなたの状況に応じた貯蓄型保険はどのようなものでしょうか。ここでは、貯蓄型保険の3つの種類と特徴についてご説明します。
貯蓄ができる保険「貯蓄型保険」とは?
貯蓄型保険とは、生命保険でありながら貯蓄の要素をもつ保険のプランのことを指します。よく目にする貯蓄性保険を大きく分けると、以下の3種類があります。
「養老保険」
「こども保険(学資保険)」
「終身保険」
養老保険
「養老保険」の保険期間は、終身保険とは異なり、「一定」で満期があります。保険期間内に死亡した場合、死亡保険金を受け取ることができます。
また、生存して満期を迎えると満期保険金を受け取ることができます。死亡保険金と満期保険金は同額です。無事満期を迎えることができれば、満期までに積み上げられていく満期保険金を受け取ることができます。
こども保険(学資保険)
「こども保険(学資保険)」は、こどもの入学や進学などのイベントに応じて祝金(生存給付金)や満期保険金を受け取ることができます。
こちらの保険には、親などの契約者が死亡した場合には、その後の保険料の払い込みが免除されるという特徴があります。こどもの教育資金の一部をしっかりと担保しておきたいという方には向いているかもしれません。
終身保険
死亡保障が一生涯続きます。
終身保険というくらいなので、満期保険金はありませんが、時間の経過とともに解約返戻金が増えていきます。
終身保険に満期保険金は基本的にはありませんが、将来の保険金・給付金の支払いに備えて積み立てられる部分が積みあがっていくことから、この側面が「貯蓄性」と評価されることがあります。
保険料の払い込み機関には「有期払込」タイプと「終身払込」タイプがあります。保険料払込期間が決まっている場合、保険料払込満了後は、一生涯の死亡保障に代えて、老後の年金などに移行できることもあります。
「人生100年時代」ともいわれる長生きの時代となっている昨今、こうした対応があるとうれしいですね。
ライフプランに合った貯蓄型保険を選びたい
自分のライフプランに合った貯蓄型保険を選んでみるとよいかもしれません。
「養老保険」は、死亡保障と満期時に満期保険金を受け取りたい方は検討する余地があります。
「こども保険(学資保険)」は、お子さんがおり、一部の教育資金の保障を持っておきたいというケースでは検討する余地があります。
「終身保険」は、生涯に渡って死亡保障があるので、遺族保障が欲しい人向けは検討する余地があると思います。
貯蓄性保険では、たとえば養老保険などでは、支払った保険料合計よりも多くの満期保険金を手にすることができます。まさに、結果として「ほったらかし貯蓄」となっていたということになります。
そもそも保険に貯蓄性は必要なのか
もっとも生命保険にそもそも貯蓄性を求める必要があるのか、という議論もあります。
生命保険の本来の役割は、「自分の身に何かがあったときの遺族保障」がメインというものでしょう。その意味では、終身保険の存在は認めるとしても、養老保険であれば、掛け捨て型の「定期保険」といわゆる資産運用を自分で行うことの組み合わせていけるのではないかとお考えの方もいるかもしれません。
生命保険は、年末調整などでご存知の方も多いかと思いますが、生命保険料控除があります。生命保険は所得控除があるので非課税枠を限界まで活用したいですが、以前と比べて非課税枠を活用できる資産形成制度が充実してきています。たとえば、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)などがあります。そうした制度も活用してきたいものです。
非課税枠を活用できるiDeCOが使える方は「ほったらかし貯蓄」を
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」で取り扱われている金融商品は投資信託だけではなく、定期預金、年金保険などの金融商品もあります。このように一部元本保証型の金融商品もあります。
iDeCoでは、先ほどもコメントしたように非課税枠を活用できるメリットがあります。ここではiDeCoの非課税メリットの詳細については触れませんが、老後資金を形成したい方にはメリットのある制度です。
生命保険も年払いも含めて定期的な払込金が必要となりますが、iDeCoでも毎月掛け金を決めて預貯金や金融商品への投資が可能です。投資の場合には時間分散の効果を享受することができます。まさに「ほったらかし投資」です。
また、iDeCoだけではなく、先ほどふれたNISAや「つみたてNISA」も非解税枠を活用することができます。もっとも、つみたてNISAは金融庁が厳選した投資信託のみとなります。
貯蓄性保険の良さも頭に入れながら、非課税枠を活用した投資も検討してみるとよいかもしれません。
参考サイト
生命保険文化センター「ほけんガイドWeb」(https://www.jili.or.jp/h_guide/izoku/06/index.html)
生命保険文化センター「生命保険を知る・学ぶ」(http://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/kind_main/whole_life.html)
国税庁「No.1140 生命保険料控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm)
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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