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QRコード決済、メガバンク参入の一方で中国では巨額の被害

LIMO / 2018年10月1日 11時20分

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QRコード決済、メガバンク参入の一方で中国では巨額の被害

ビジネス、今日のひとネタ

秋は気候のよさからもイベントの多い時期です。こうした人が集まる場所では、買い物をする際に長蛇の列ができてしまい、待ち時間が苦痛になることがあると思います。

「QRコード決済」は、そうしたときに現金による支払いの手間を省き、会計を円滑に進める救世主になるかもしれません。

すでに「遅い」とも言われていますが、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行のメガバンク3社でも、決済用のQRコードの規格を統一させることで合意し、2019年に「BankPay」を実用化させる方針を決めました。

大手企業が相次いで導入

「QRコード決済」とは、スマートフォンに登録した自分自身のQRコードを、レジで読み取る支払い方法です。近年、人手不足対策や、コスト対策などの効率化推進を理由に、携帯電話会社やIT大手企業も参入するようになりました。

すでに始まっているLINEの「LINE Pay」、楽天の「楽天ペイ」に加え、今年の秋にはソフトバンクが「PayPay」を始めることを発表しています。

冒頭のメガバンク3社の発表も、こうした企業の動きを受けたものとみられています。

海外では大きく浸透

もともと「QRコード」は1994年、自動車部品のサプライヤーとして知られるデンソーが高速読み取り(クイック・レスポンス)にこだわってつくった日本の技術ですが、キャッシュレス経済の浸透は、一足早く中国で進みました。そもそも中国では、偽札なども多く、「もともと現金への信用が低い」ということが急速な浸透の背景になっているといわれます。

日本銀行が都市部の消費者を対象に行なったアンケートを、2017年6月のレポートで報告しています。それによると、過去3カ月以内にバーコード決済も含むモバイル決済を利用した人の割合は、日本が6.0%なのに対し、中国では98.3%でした。

中国の都市部では、コンビニや飲食店だけでなく、個人商店や屋台などでもQRコードで簡単に支払いができるようです。こうした状況は、中国だけでなく韓国や欧米、タイなどの開発途上国でも起こっています。

メリット:店側の投資が少なく混雑も回避

海外諸国に比べて遅れをとっていた日本でも、ようやく大手企業を筆頭に推進をはじめました。キャッシュレス化のメリットは、店頭でスキャンするだけで済むので、紙幣や小銭の受け渡しで生じる手間を避けることができ、混雑の回避につながることです。

また、店舗側の投資がほとんど要らないことが挙げられます。ソフトバンクの孫正義会長は、「(店頭に)QRコードのシールを貼るだけで、(決済できる)お店の数がほぼ無限大に広がる」とそうした旨のことを語っています。効率化の推進にはQRコード決済は最適でしょう。

デメリット:詐欺や強盗の懸念

一方で、QRコードを狙った詐欺の横行が心配されています。実際に、中国ではQRコードを狙う強盗が頻繁に発生しています。「2017年に入ってからわずか3カ月弱で、広東省では実に約1450万ドル(約16億4000万円)がQRコード強盗によって盗まれた」という報道もなされています。

また、適切な管理をしていないと、スマートフォンに異常が生じた時にお金が返ってこなくなる恐れもあります。こうしたアクシデントへの恐れに加え、現金やクレジットカードなどの既存の支払い方法を上回る利便性を感じないことが、日本でのQRコード決済の利用率の低さにつながっているのかもしれません。

お金の使い方については、さまざまな国でそれぞれの事情がありますから、何がよいのかは一概には言えないところがありますが、いずれにしても、より便利で安心な決済方法が浸透していけばいいですね。

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