1歳娘の授乳中にわかったピロリ菌感染、何を心配・後悔したか
LIMO / 2018年10月24日 11時50分
1歳娘の授乳中にわかったピロリ菌感染、何を心配・後悔したか
妊娠を考える女性は早めの検査を
「ピロリ菌」とは、胃の粘膜に生息する細菌。日本癌学会によると、「今、日本人がかかっている胃がんの98%はピロリ菌感染によるもの」※とされています。実は筆者がこのことを知ったのは、33歳で夫の会社から送られてきたピロリ菌の検査をし、自身がピロリ菌に感染していることを知ってからでした。
それまではピロリ菌の危険性も知りませんでしたし、妊娠~授乳中はピロリ菌を除去する薬を服用できないことも知らなければ、自分に関係のあることだとも思っていませんでした。当時の体験をご紹介します。
※ 第23回日本癌学会市民公開講座「胃がんで亡くならないために何をなすべきか」(北海道大学大学院医学研究科がん予防内科学講座特任教授 浅香 正博先生による2014年5月24日の講演)
胃もたれは「よくあること」だと思っていた
25歳くらいを過ぎてから、焼き肉を食べた翌日は胃もたれをしたり、生魚を食べ過ぎるとお腹の調子が良くないと感じていた筆者。しかしそれは「誰にでもよくあること」と捉えていました。
内臓の中でも、胃もたれや胃痛など、胃に関わる症状は一般的に「よくあること」と思われているかもしれません。「ストレスを感じると胃が痛む」なんて表現も、よく聞きますよね。時々胃もたれはするものの、胃痛はなかったのでそこまで問題だとは認識していませんでした。
また、ピロリ菌という名前を何となくは聞いたことがあるものの、詳しくは知りませんでした。病院でピロリ菌に関するチラシを見たこともありましたが、「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」という言葉を見ても、自分に関連することだとは思いませんでした。
1歳娘の授乳中、ピロリ菌感染が判明
33歳で、夫の会社から届いたピロリ菌検査を実施。結果、ピロリ菌がいて、胃の粘膜の萎縮も判明しました。検査結果に驚き、すぐに胃腸科を受診。人生初の胃カメラを受け、ピロリ菌に感染していることと慢性胃炎がわかりました。
その後ピロリ菌について調べたところ、ピロリ菌の感染経路は明確には分かっていないものの、井戸水や汲み取り式トイレとも言われています。上下水道が完備した現代の日本では、20代の感染者は25%前後と減少傾向にあるとのこと。筆者は田舎出身であり、上下水道以外に山の水も使用していたので、おそらくそこが感染源ではないかと推測しています。
授乳中は除去薬を飲むことができない
ピロリ菌の感染が分かり、「ランサップ400」という除去薬を1週間飲むことになりました。2種類の抗生物質と胃酸を抑制する薬、計5錠を朝晩飲みます。
1歳5か月の娘の授乳中であることを医師に伝えると、「抗生物質を通常の2倍飲むことになるので、妊娠中や授乳中の服用はしない方が良いでしょう。しかし治療を伸ばすとしても、半年経つとまたピロリ菌検査からやり直すことになります」と言われました。結局、慢性胃炎であること、また子どもにうつす危険性を考え、除去薬を飲むことを決めました。
心配な子どもへの感染
ピロリ菌は、親から子への口うつしなどでも感染するとされています。自分がピロリ菌に感染しているとわかり、何よりも心配したのは子どもに感染していないかということでした。
筆者には3人の子どもがいます。1人目のときは虫歯菌をうつさないよう気を付けていましたが、2人目、3人目とその感覚が緩くなっていたのは確かです。また、こちらが気を付けていても、子どもは親の持っているものが好きですから、お箸や歯ブラシを取られてすぐに口に入れてしまったということもありました。
自分がピロリ菌感染者だと分かっていたらもっと慎重になっていたと思いますし、まず妊娠前に除去していたでしょう。
早めの検査、除去を
ピロリ菌は、除去をしたからとはいえ胃がんにならないわけではありません。リスクは減るものの残っており、若いうちにした除去をほうが治療の効果が高いと分かっています。筆者も慢性胃炎になるよりも前に、除去をしたかったという思いがあります。
自分の体のことを考えても、子どもにうつす危険性を考えても、ピロリ菌の検査は早めに検討してみてくださいね。
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