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MotoGPライダーがピアノ演奏! ヤマハとヤマハ発動機の異色イベントをリポート

LIMO / 2018年10月19日 10時15分

MotoGPライダーがピアノ演奏! ヤマハとヤマハ発動機の異色イベントをリポート

MotoGPライダーがピアノ演奏! ヤマハとヤマハ発動機の異色イベントをリポート

ピアニストとライダーの感性が融合する、ヤマハとヤマハ発動機の合同イベント「Two Yamahas, One Passion - RIDERS MEET PIANIST - ピアノ×バイク!? Yamahaだからできる異色のコラボレーション」が、10月17日に銀座ヤマハホールで開催された。

登壇したのは、ヤマハからは世界で活躍する異色のピアニストであるフランチェスコ・トリスターノ氏、ヤマハ発動機からはMotoGP(ロードレース世界選手権)に参戦している、生ける伝説のバレンティーノ・ロッシ選手を始め、マーベリック・ビニャーレス選手、ヨハン・ザルコ選手、ハフィス・シャーリン選手、そして、10月19~21日にツインリンクもてぎで開催される「2018 FIM MotoGP世界選手権シリーズ第16戦」で、ワイルドカードとして参戦する中須賀克行選手の計6名。

写真左からトリスターノ氏、ロッシ選手、ビニャーレス選手、ザルコ選手、シャリーン選手、中須賀選手(著者撮影、以下同)


これまでもヤマハ、ヤマハ発動機の両社は「感動を創り出す」という共通の信念のもと、同じ“YAMAHA”ブランドを使用する企業同士として、2015年から「Two Yamahas, One Passion」をテーマに、共同でブランド価値向上を目指すことを目的としたイベントを開催してきた。今年からはヤマハ(10月12日)とヤマハ発動機(7月1日)の、それぞれの設立記念日を「Yamaha Day」と定め、その日の前後にはさまざまな催しを行っている。

フランチェスコ・トリスターノ氏の新曲はMotoGP観戦から誕生

ロッシとビニャーレスの2018年型「YZR-M1」も展示された


トークショーではイベントテーマ「感動」についての話を、ピアニスト、選手のそれぞれの目線から語った。まず、トリスターノ氏は「感動はピアニストとオーディエンスとのコミュニケーションが生み出すものだと思う」と語り、トークショーの中盤で、新曲『Time Grid』を披露。

この曲はチェコで開催されたMotoGPを実際に観戦し、レースからインスピレーションを受けて作ったという。演奏は右手でピアノ、左手でシンセサイザーを弾き、両足で激しくリズムをとるという独特なもの。後ろのスクリーンには、MotoGPのイメージ映像が映しだされた。

MotoGPライダーのヨハン・ザルコ選手がピアノ演奏を披露?

ザルコのピアノ演奏の腕前に会場がどよめいた


「ファンのみんなの期待に応える責任が僕にはあるんだよ」と、ロッシ選手は40歳にさしかかるMotoGP最年長ライダーらしいコメント。レースについて質問されると「グリッドにいるときは嵐の前の静けさだけど、リラックスはしてない。レースもいい走りができているとポジティブになるけど、反対の場合はそうもいかない」と明かす。

続けて楽器とバイクについて質問されると、「バイクは機械ではなく魂が宿っていると思っている。だからバイクとコンタクトした状態が大事で、これは楽器も同じだと思う」

ザルコ選手は「14~15歳ころからピアノを弾き始めて、4、5年前から趣味でもやり始めたんだ。不思議なことにMoto2クラスのときは弾けなかった難しい曲が、MotoGPクラスになって弾けるようになったんだ」と語る。

トークの途中、ザルコ選手がピアノを弾き始めるといったサプライズもあった。曲はヤン・ティルセンの『Comptine d'un autre été, l'après-midi』で、想像以上の腕前に会場がざわついた。「バイクは趣味でもあり仕事でもあって境目はない」というが、もう一つの趣味を披露してくれた。

感動について質問された中須賀選手は、「感動……日本語で伝えるのは難しいですね」。すかさずモデレーターが「じゃ英語で」と聞くと、「もっと難しいです」という答えに会場から笑いがこぼれた。レース中の心の動きについての質問では、「集中力は40、45分もたない、だから集中する時間と抜く時間をうまくコントロールして走っている」

ヤマハとヤマハ発動機は別会社だがDNAは同じ

両社のYAMAHAロゴの違いにも注目してほしい


今回、ヤマハとヤマハ発動機のコラボイベントが開催されたわけだが、実はピアノ生産台数世界一で、楽器・オーディオ製品を手がけるヤマハ株式会社と、バイク・マリン製品を製造・販売しているヤマハ発動機株式会社は別会社だ。

ヤマハの創業は1887年と歴史は古く、ヤマハ発動機は1955年にヤマハから分離するかたちで創業した。元は楽器製造会社だったこともあり、ヤマハ発動機のバイクデザインには、単なる乗り物、機械ではない、楽器に大切なエモーショナルなモノづくりが見て取れる。

ちなみに、ヤマハとヤマハ発動機のロゴはよく見ると違う。その見分け方だが、まず「YAMAHA」のロゴの「M」の文字の谷の部分が浅く、下まで落ちていないのが楽器のヤマハだ。それに、わかりにくいがヤマハのほうの文字は左右非対称になっている。ロゴの色も違っていて、ヤマハはバイオレットで、ヤマハ発動機はレッド。また、音叉が丸い円内にきっちり収まっているのがヤマハだ。

今回のイベントのほかにも、ヤマハ銀座ビル1Fでは企画展示「Two Yamahas, One Passion -For Excellent Performance-」を10月29日まで開催。コンサートグランドピアノおよび調律工具の展示や、MotoGPマシンの展示、ピットクルーの視点でレースの臨場感を体感できる「VR映像体験」を楽しむことができる。

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