50代貯蓄額の平均はどのくらいか
LIMO / 2018年11月20日 6時0分
50代貯蓄額の平均はどのくらいか
老後資金の貯め方とは
子どもが手離れし、その教育費に見通しがつく50代。50代を迎えた方の中には、余裕資金もでき、これから定年退職を見据えて老後資金を貯めようと考えている人もいるのではないでしょうか。ここでは50代の貯蓄額の平均や、これから老後資金を貯めるときのポイントについて考えていきます。
50代の貯蓄額の平均とはいくらか
さて、自分の貯蓄について考える前に自分以外の人はどの程度の貯蓄をしているのか知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。
2017年に、2人以上の世帯を対象に行われた「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50 代の金融資産保有世帯の貯蓄額の平均は1689万円、中央値が 1100万円となっています。
また、金融資産を保有していない世帯を含むデータをもとにすると、50代の貯蓄額の平均は1113万円、中央値は400万円となります。
ここでの調査では、50代で金融資産を保有しない(金融資産非保有)比率は31.8%と、約3割の世帯で金融資産を保有していないことがわかります。
ここでいう貯蓄とは、金融機関に預けているお金以外にも、株式や不動産などすべての金融資産が含まれた額になります。いわゆる「預貯金」だけではありません。
そんなに貯蓄はない、どうしたらよいか
こうした数字をみると、「うちには1600万強の貯蓄はない」と悲観する方もいるかもしれません。
平均額は一部の富裕層が数値を押し上げていることが多いため、中央値も活用する必要があります。中央値というのは、ここでは貯蓄額の大きい順(小さい順でも構いません)に並べて、ちょうど真ん中に来る世帯の貯蓄額をいいます。ここでいう中央値は1100万円ということになります。
ちなみに、40代の貯蓄額の平均は1014万円、中央値が650万円。ほかの年代と比較してみると、貯蓄額の増加率が大きくなるのは50代であることが分かります。ここまで見てきたように余裕資金ができるようになると、老後を意識する人が増えてくるというのが背景にあるのかもしれません。
50代は老後に向けて貯蓄額を増やしたい
結婚した時期にもよって異なるものの、多くの50代世帯は子どもが就職、もしくは高校、大学の卒業を控えて、教育費に目途がたっているという家庭が多いでしょう。このため、50代はしっかりと働きながら貯蓄ができ、また老後に備えた資金づくりができる資産形成の「最終コーナー」ともいえます。
では、50代世帯の貯蓄額を増やすポイントについてみてみましょう。
確定拠出年金を活用する
毎月決まった金額を企業または個人が拠出して、様々な金融商品への投資を通じて資産形成ができる制度です。積み立てたお金と運用益は60歳以降にならないと原則として引き出すことができないという特徴があり、公的年金の補完の役目を果たす私的年金として注目されています。
最近では、個人としての確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)が注目を集めています。iDeCo(イデコ)は、掛け金が非課税扱いとなる、運用で得た利益に税金がかからないなど税制面でもメリットがあります。
iDeCoでは、投資信託をはじめ、様々な金融商品がラインナップされていることがありますが、仮に現在50歳代で老後資金を今後も積みましていきたいという場合には、リスクを考えながら積極的な運用が必要でしょう。
また、50歳代までにある程度資産を形成できた場合には「減らさない」ということを主眼に置きながら、積極的な資産形成フェーズよりもリスクをおとすことができる資産へのシフトも検討してみるのもよいでしょう。
つみたてNISAで投資信託を活用する
老後までの時間がたっぷりある30代や40代であれば、実際に投資をしながら、自分に合った投資法を学んでいくことができます。リスク許容度が大きければ、株式投資なども検討の余地があるでしょう。
ただすでに50代で投資初心者という場合は、資産を守りながら増やすという発想に至らざるを得ません。そうなると、分散投資が簡単にでき、世界の様々な資産にアクセスできる投資信託が便利です。
投資信託とは、ファンドを購入するという形で、お金を投資の専門家に預けて運用してもらい、運用益を得るという投資商品であり、次のような特徴があります。
株式投資のように、ひとつひとつの投資先について、1から自分で勉強するといった手間をかけることなく始めることができます。
プロ投資家が運用を行ってくれるアクティブファンドやインデックスの動きに近似するように設計されたインデックスファンドなどもあり、幅広い選択肢があります。
投資対象には、複数の企業の株式、不動産投資、国内外の債券といったものがバランスよく含まれているバランス型ファンドもあり、あらかじめリスクを軽減する工夫がされています。
投資信託であれば、つみたてNISAを活用すると、非課税枠を活用でき、またノーロード(買付手数料無料)で信託報酬の水準が低い投資信託を購入ができるので、つみたてNISAを活用しないで投資信託で運用することと比較すると、「お得」な運用といえます。
50代は働きながら資産形成ができる重要な時期
子育てがひと段落する50代は、老後資金を貯める最後のチャンスです。十数年後に老後資金で困ることがないようするためにも、今一度現在の資産と今後必要な老後資金の検討、そしてその過不足に応じた資産形成を考えてみるきっかけにしていただければ幸いです。iDeCoやつみたてNISAなど、資産運用するにしても非課税枠なども活用して賢く資産形成したいものです。
参考データ
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成29年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2017/17bunruif001.html)
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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