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お金の増やし方、「貯蓄から投資へ」を金融庁の資料から考える

LIMO / 2018年11月25日 6時0分

お金の増やし方、「貯蓄から投資へ」を金融庁の資料から考える

お金の増やし方、「貯蓄から投資へ」を金融庁の資料から考える

資産運用初心者はNISAやiDeCoといった非課税枠を活用したい

平均寿命が長くなることで老後資金の準備が心配の方も多いのではないでしょうか。そのような環境の中、金融庁によるNISA(つみたてNISAも含む)や厚生労働省によるiDeCoなど、国は非課税枠を活用できる資産形成制度を整えるなど、家計の安定的な資産形成の方法として「投資」のありかたをサポートしています。しかし、なぜ今、「貯蓄から投資へ」シフトする必要があるのでしょうか。ここでは、金融庁が発表した金融レポートをもとに、現金・預金から有価証券などへの投資へのシフトについて考えてみましょう。

なぜ投資が必要なのかー金融庁のレポートから見える投資に消極的な日本

金融庁が発表した平成28年度の金融レポートによれば、2016年の日本の家計金融資産は1815兆円。また、その伸びについては、1995年末と2016年末の増加率に着目すると、日本は1.54倍、その一方で米国は3.32倍と日本の増加率はアメリカの半分以下となります。

ちなみに、英国は同期間に2.46倍となっています。英国は米国ほどの金融資産の成長を実現していないですが、日本の増加率と比べると、日本の家計金融資産の成長率が小さく見えます。また、日本の家計金融資産の半分は現金や預貯金(現金・預金)という状況です。2016年に現金・預金の比率が51.7%と半分を超ええています。1995年には同資産の比率が55.7%であったことを考えれば、その比率は低下したとはいえ、引き続き多くの日本人が現金を保有しているか、金融機関に預けているだけの状態だということがわかります。

現金・預金:51.7%

年金・保険:28.7%

株式:9.6%

投資信託:5.3%

ちなみに、2016年の米国の家計金融資産は8821兆円(75.5兆円)。日本の約5倍弱という水準です。その内訳をみると、以下のような構成となっています。

年金・保険:31.3%

株式:21.0%

現金・預金:13.7%

投資信託:9.1%

国ごとの比較では、マクロ環境、たとえばインフレ率も異なりますし、人口動態及びそのライフサイクルのステージも異なるので、家計金融資産の構成資産とその比率を一概に比較しても意味はありませんが、相変わらず日本の現金・預金の比率は半分以上と大きく見えます。

投資が進むとどのような変化が起きるのか

投資が進むとどのような変化が社会に起こりうるのでしょうか。

預貯金が中心になっている個人の資産が株式や債券に流れて行けば、新しく事業を始めようとしている会社等を応援し、ひいては日本の経済発展につながることにもなります。

もっとも、金融機関に預金として預けたお金も貸出などを通じて企業に融資されたり、有価証券投資などを通じて国や企業の債券などにも投資がされます。これは「間接金融」とも呼ばれます。

ただ、個人としてたとえば、自分が将来期待できると考える企業のIPOに参加をすれば、株式市場で新たに資金調達をする企業に対して直接資金を投資することができます。これを「直接金融」と呼びます。

投資とは、簡単に言ってしまえばお金を増やすことですが、金融機関に預ける預貯金とちがい、元本保証はありません。つまり、リスクを伴いながらリターン(利益)を得ることを投資とよぶのです。

知っておきたい投資のメリットとリスク

投資を考える前に、投資とはどのようなものか、といった点について理解しておく必要があるでしょう。

投資とは、簡単に言ってしまえばお金を増やそうとするためにリスクをとることで、リターンを得ようとする行為です。金融機関に預ける預貯金とちがい、元本保証はありません。主な投資の方法としては、株式会社が発行している株式を売買することで値上がり益(キャピタル・ゲイン)や配当収入(インカム・ゲイン)を得る株式投資や、投資のプロに資金運用を任せる投資信託などが挙げられます。

投資は、株価の変動や金利の変動、為替相場の変動といった要素によって、その差益は大きく左右されます。このため、預貯金に対する現在の利息よりは大きな利益を期待することは可能ですが、一方で元本を割り込む危険性も伴います。

資産運用初心者は非課税枠のある制度を活用したい

「貯蓄から投資へ」と叫ばれるようになって久しいですが、資産運用の初心者にとっては誰しも投資が難しく見えるものです。

初心者が資産形成を始めるのにあたっては、個別の株式を選択し投資を始めるというよりは、投資信託という方も多いのではないでしょうか。その際には、購入手数料も無料で、運用に伴うコストとしての信託報酬の水準が低いインデックスファンドなどを選択する方も多いでしょう。

もっとも、日本株や世界株式のインデックスファンドを購入してもリバランスなどの調整が難しいという方も多いのではないでしょうか。その際にはファンドマネージャーやポートフォリオマネージャーと呼ばれるプロフェッショナルが資産構成などを見直しながら運用をしてくれるバランス型ファンドなどを活用するとよいかもしれません。

参考サイト

金融庁「平成28年事務年度 金融レポート」(https://www.fsa.go.jp/news/29/Report2017.pdf)

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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