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静かなブームになっている「農泊」の魅力

LIMO / 2018年11月21日 17時20分

静かなブームになっている「農泊」の魅力

静かなブームになっている「農泊」の魅力

ビジネス、今日のひとネタ

実はいま、密かにブームとなっている「農泊」をご存じですか? 一般の民家に宿泊する「民泊」は知名度があり、実際に利用したことのある方もいると思います。では「農泊」とは何でしょう?

農泊とは

農泊とは、農林水産省が推進している、都市部の人や外国人観光客を対象とした農村漁村での滞在型旅行です。地域の人々との交流を楽しみながら、野菜の収穫・畑仕事といった農作業体験などができ、加えて日本の昔ながらの生活様式を味わえることも多いようです。

また、これによって観光収入の増加・地方の活性化・農業生産物の消費の拡大などが見込まれているため、いま、さまざまな都道府県で「農泊」の導入、もしくは導入検討がなされているようなのです。

実際にどんなことをしているの?

たとえば、みかんの産地である和歌山県田辺市では、外国人修学旅行生を中心に「みかん収穫体験」「柑橘を使ったお菓子作り体験」を行ったところ、外国人観光客受入数が例年の3倍以上となったようです。

また、「限界集落」とされていた石川県の鳳珠郡(ほうすぐん)能登町では、関東圏の小学生や外国人旅行者を中心に「田植え体験」「農家民宿の活用」などを行い、宿泊者数が右肩上がりとなっているようです。

このように、インバウンド消費が、都市部だけではなく農村地域でもさまざまな利益を生み出しているようです。

体験者の声

では、実際に体験した人たちは、どのように感じているのでしょうか?

最近では中学や高校の林間学校・臨海学校として農泊を取り入れることもあり、中高生も数多く体験しているようです。農泊体験をした人の感想をネット上で見てみると、

「また行きたいな、あの星空忘れられない」
「(受け入れ先の)おじさんとおばさんが優しすぎて最高だった」
「食事もうまかった。もう一回行きたい」

といった声が多く見受けられ、よい思い出として「もう一度、体験したい」というプラスの印象を持つ人が多いようです。もちろん、受け取り方は人それぞれで、

「農泊、疲れた」
「楽しいかどうかは場所によるかな」
「時間のムダだった」

といった意見もあります。

この先さらに広がっていくか?

このように、さまざまな側面でポジティブな要素も多い「農泊」ですが、内閣府によって行われた調査では、農泊について55%が「意味を知らず、言葉も聞いたことはない」と回答しており、認知度はまだ低い模様です。また、農林漁業の印象について87%が「きつい肉体労働だと思う」と回答しています。

加えて、農泊を受け入れる農村の側でも、「細い道を自転車で塞がれる」など生活への影響や、不特定多数の人を受け入れることによって「農作物感染症や害虫が持ち込まれる」という問題、「特に外国人や小学生への適切な体験指導法のノウハウが乏しい」といった課題もあります。

実際の体験者の声から見ると、「農作業体験=苦痛」というわけではなさそうです。また農村側では、作物被害を防ぐ対策会議や、指導法セミナーの開催といった手を打つ自治体も増えてきているようです。

このように、イメージ戦略・宣伝計画・受け入れ側の体制など、まだまだ課題も多い農泊ですが、メリットも多くあり、静かにブームは続いていきそうです。興味のある方は、一度参加してみてはいかがでしょうか?

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