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不動産投資の本質は家賃収入だけではない~うまくいく確率を上げるには?

LIMO / 2018年11月27日 17時20分

不動産投資の本質は家賃収入だけではない~うまくいく確率を上げるには?

不動産投資の本質は家賃収入だけではない~うまくいく確率を上げるには?

不動産大手CBREの調査レポートによれば、東京主要3区(千代田区、中央区、港区)の賃貸商業ビル※の需給動向は相変わらずタイトとなっています(※坪当たり2万7000円から5万000円までの大規模・中小規模の賃貸商業ビル)。

日本の経済成長率が1%そこそこであるにもかかわらず、東京地区のオフィスビルの賃料上昇率は3.4%、平均空室率は3%台であり、都内の優良地区ではビルを建てればほぼ満室になると言われる状況です。賃貸住宅も似たような状況で、東京都23区内の空室率は13.1%と、神奈川県(16.3%)、埼玉県(16.8%)、千葉県(16.3%)と比べ、都内は活況を呈しているといってよいでしょう。

図表1:1都3県、東京23区の賃貸住宅市況図(2018年第1四半期)

(/mwimgs/b/4/-/img_b45f7ac669300662d7df2a6ca7e1309f146725.jpg)

拡大する(/mwimgs/b/4/-/img_b45f7ac669300662d7df2a6ca7e1309f146725.jpg)

出所:株式会社タスの分析による


さて、サラリーマン投資家にも人気のある不動産投資ですが、一方で不動産は高額、借金をしなければならない、物件の管理や確定申告が面倒といったイメージがあるのも事実です。さはさりながら、仮に読者のみなさんが不動産投資を行うとすれば、どのような考え方で臨めば成功する確率が高いのでしょうか。以下にまとめてみました。

大都市圏・駅から徒歩5分以内が目安

通常、最寄駅から物件まで徒歩でかかる時間は、80メートルを1分として換算します。5分というと400メートルですから、陸上トラックの1周分となります。徒歩5分圏内は近いという感覚ですが、5分を超えるとやや遠いと感じてしまいます。都心ではなおさらそうでしょう。

したがって、ユーザーの立場から考えても、賃貸物件に投資するなら徒歩5分以内が目安です。言い換えれば、購入後も不動産価格が安定的に推移しそうな地域以外での投資は控えるべきでしょう。また、一般論としてですが、単身世帯が増加していく状況下、戸建てよりもマンションの方が底堅い需要があると思われます。

ローンは家賃との見合いで

不動産投資で重要なのがローンの借り入れです。よっぽどの自己資金をお持ちである方以外はローンの借り入れが必須なので、借金が嫌いな方は不動産投資には向いていません。また、ローン返済も家賃でカバーできる範囲で借りるのがベターです。言い換えれば、最長期間で借り入れて月次の返済額を最少化し、家賃で返済をカバーするのが原則です。

ローンを借りる際には頭金が必要ですが、現状のような低金利下では、頭金なしで100%ローンを借りた方が絶対に有利です。賃貸後のキャッシュフローを考えても、なるべく頭金を払わない努力を惜しんではいけません。金融機関と交渉するのは必須です。

不動産投資成功の本質は、ローン元金の減少スピード

不動産投資の目的は、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売買益)と説明される場合が多いですね。もちろん間違いではありませんが、これに加えて、筆者はローン元金の減少スピードも重要なポイントだと思っています。

たとえば、アパートローン金利が年利2%の場合と5%の場合を比べてみましょう。借入元金5,000万円をボーナス払い無しで元利均等払い35年ローンを組むと、毎月のローン返済額は前者が16万5,600円となり後者は25万2,000円となります。金利が高いと支払額が膨らむのは当然ですが、さらに重要なのはこれら毎月の返済額中の元金返済分が、どの程度になっているかなのです。

年利2%の場合、毎月返済額に占める元金の割合は初回返済時に約50%になります(元金8万2,300円、金利8万3,300円)。一方、年利5%の場合は約17%となります(元金4万4,000円、金利20万8,300円)。つまり、金利が高くなればなるほど最初は金利ばかりを払うことになり、元本はなかなか減っていきません。つまり、金利が低ければ低いほど元本返済スピードが漸増し、その不動産が実質的に自分のものになっていくスピードが速くなるということです。

さて、この5,000万円の物件を10年間賃貸し、その後売却したとして考えてみましょう(頭金なし、税金、売買手数料等を除く)。金利2%の場合の10年後の元金は3,900万円となり、金利5%の場合の10年後の元金は4,300万円となります。この物件が4,800万円で売れたとして、前者の場合はローン返済後900万円の売買益となりますが、後者の場合は500万円にしかなりません。

10年間の家賃収入は全て返済に回し、家賃収入と毎月の返済額が同額だったとして、10年間の実質投資収益率は前者が年率1.2%、後者が年率0.9%となります。実質投資収益率で見るとかなり低いリターンに見えますが、ローン返済を家賃で返済して売却益が出るのですから、こういうケースでは不動産投資はかなり固い投資ともいえるでしょう(その他、賃貸物件の原価償却等による損金計上、個人所得税の減額による実質リターン向上効果はここでは触れません)。

つまり、不動産投資の本質は以下のようにまとめることができます。

    優良物件にしか手を出さない(売るという前提で買う。自宅購入も同じ目線で)

    金利はなるべく低く借り、頭金はゼロが望ましい

    表面利回り(年間家賃収入÷購入価格)ではなく、売却後のキャッシュフローで考える

単純に考えれば、不動産投資の最終的な実質リターンは家賃収入による表面利回りではなく、”(家賃収入-ローン返済)+(売却価格-ローン残高)となるのです。

本稿は以上です。なお、GCIアセット・マネジメントでは、2019年から毎月数回、資産形成・運用などに関するさまざまなテーマで無料セミナーを開催いたします。ご興味のある方は、こちらからセミナー情報の詳細(https://www.seminarjyoho.com/company_show_8477.html)をご覧ください。

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