50代で必要な老後資金や貯蓄額を考える「落とし穴」
LIMO / 2018年11月26日 22時0分
50代で必要な老後資金や貯蓄額を考える「落とし穴」
老後で無職は今や昔話
老後資金には「数千万必要」だとか、大きな金額では「1億円」などの数字も飛び交い、自分の金融機関の預貯金や証券口座を改めて確認しても「そんな大金は持ち合わせていない、自分の老後は大丈夫なのか」とお考えの方もいるかと思います。今回は、老後資産を計算する際に見落とされがちな、そして重要な注意点を見て行きます。
平均寿命も大事だが健康寿命をどうとらえるのか
老後資金を考える際に必ず出てくるのが「平均寿命」と自分の寿命をどう考えるかという点。「平均寿命はあくまでも平均値なので、その水準よりもプラス5歳~10歳を見ておきましょう」という保守的な前提を置くのがよく見るシーンです。
自分の生年月日は分かっていても、自分の寿命は誰にもわかりません。したがって、この要素は自分でどこまで掘り下げて行っても仮の数値でしかありません。
また、寿命と一口に言っても、見過ごされやすいのが「健康寿命」です。生命保険文化センターによれば、健康寿命とは2000年にWHOが提唱し、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。
厚生労働省によれば、2016年の男性の健康寿命が72.1歳、女性が74.7歳となっており、男女の健康年齢の寿命の差は平均寿命程の差はないことが分かります。
ゆとりある老後生活費を前提に考えるべきなのか
老後資金を考える際には、いくらの支出があるのかは非常に重要な点ですが、その際に必ずと言っていいくらい出てくるのが、「ゆとりある老後生活費」と「老後の最低日常生活費」です。
生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」によれば、全社が34.9万円、後者が22.0万円となっています。人によって様々なケースはあるかとは思いますが、健康でいられるからこその「ゆとりある老後生活費」が成り立つともいえるのではないでしょうか。
寿命がどれくらいかは、神のみぞ知るでしょう。
ただ、健康でいられるかどうかは40、50代でのトレーニングや食生活などが影響するかもしれないことを考えれば、自分で工夫する余地、健康への投資という考えはあってもよさそうなものです。老後資金という話ばかりが注目されますが、健康でいられるためにどうすればよいか、そうでなくなった際での支出はどうなるのかのシミュレーションは必要でしょう。
老後までにいくら貯めておく、という発想自体がおかしい?!
多くの老後資金を計算する際に、定年退職までに老後資金を貯めておく、という考え方が多く見られます。果たしてこのアプローチは正しいのでしょうか。
定年退職をすると同時に、すべてを預貯金にする、また預貯金でもっておくという方もいらっしゃるかとは思いますが、老後になれば、資産形成は一旦トーンダウンされる方もいるかと思いますが、資産運用は続きます。
在職中は、サラリーマンであれば、給与が毎月入って来たので、ある程度リスクが高い資産で運用していたフェーズであったという方もいるかと思いますが、老後になれば、リスクは調整しながらも運用は続いていくはずです。
また、定年退職とともに仕事がない、という前提もいまや昔話になりつつあります。「65歳以上で仕事をしている人が多い都道府県」(https://limo.media/articles/-/6960)でも見たように、長野県では約30%の方が65歳でも仕事に就いており、東京都でも約27%の方が同様に仕事を持っているというのが実際です。ちなみに、全国平均は25%程度です。
65歳以上になっても収入が必要な生活費を超えるような状況であれば、定年退職後であっても「資産形成」フェーズともいえます。また、定年退職までに貯えた資産とその後の必要な資金を比べて余裕があれば、引き続きリスクを高めにした運用も可能なはずです。
50代で60代以降の収入源を確立できるかがカギ
こうしてみると、いくつまで健康でいられるのかという点と、60歳や65歳以降に仕事があるのかも老後資金を考える際に重要な点であると言えましょう。
シニア層でも仕事を続けられていられる方には健康な方も多いですし、加えて年収も確保できているのであれば、いうことはないでしょう。
定年まで勤め上げて、その退職金を老後資金に充てるという方は多そうですが、50代ではしっかりと資産形成に努めるとともに、副業などを通じて定年後の仕事の可能性を確立しておく方が、残りの老後資金を心配しながら生活するよりも落ち着いて生活ができそうです。
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