「今年の漢字」で翌年の株価を占う~これまでの的中率は?
LIMO / 2018年12月7日 20時40分
「今年の漢字」で翌年の株価を占う~これまでの的中率は?
今年はネガティブ傾向か
その年を総括する賞が多数発表される12月
師走の12月は、その年1年を総括するような賞、たとえば「2018年○○○大賞」のような発表が相次ぎます。今年も3日(月)に「新語・流行語大賞2018」が発表され、女子カーリングの「そだねー」が流行語大賞に選ばれました。
納得した人、納得しない人様々でしょうが、こうした1年を総括する賞の授与に際して、改めて今年を振り返る人も多いと思われます。
「今年の漢字」は1年間の世相を表す漢字一文字
その中で近年、「新語・流行語大賞」と同じくらい注目を集めているのは、日本漢字能力検定協会がその年の世相を表す漢字一文字を発表する「今年の漢字」です。
1995年に始まった「今年の漢字」は、原則として毎年12月12日の「漢字の日」の午後に、京都の清水寺で発表されます。清水寺の貫主が大きな筆でササーッと書くのが印象的ですが、書き終わるまで答えがわからないので結構ドキドキします。難しい漢字の場合は、書き終わっても何の漢字だか理解できない人も少なくないようです。
ちなみに、昨年2017年の「今年の漢字」に選ばれたのは『北』、2016年は『金』、2015年は『安』、2014年は『税』、2013年は『輪』、2012年は『金』、2011年は『絆』、2010年は『暑』でした。
特徴としては、過去22回で『金』だけが3度選出されており、いずれも夏季五輪開催の年でした(2016年、2012年、2000年)。選考方法は全国から公募する形を採っているため、過去に選出された漢字が再び選ばれる可能性もあります。
いずれにせよ、「新語・流行語大賞」のように候補がノミネートされることはなく、いきなり最終結果(大賞)が発表されるのも特徴です。
「今年の漢字」は翌年の株式相場と強い関連性
さて、近年になって「今年の漢字」が注目されている理由の1つが、株式市場との強い関連性です。実は、選ばれた漢字一文字がポジティブな意味の場合は翌年の株式相場は上昇し、ネガティブな意味の場合は翌年の株式相場が下落する傾向が見られています(注:相場の上昇・下落は、前年の終値との比較で判断しています)。
最近の事例を具体的に見てみましょう。
2010年に選出された『暑』は、この年の記録的な猛暑を反映したネガティブな意味でしたが、翌2011年の株式相場は、円高や東日本大震災により大幅下落となりました。2011年の『絆』は震災での助け合いを示唆するポジティブな意味でしたが、翌2012年の株式相場は大幅な上昇でした。
2012年の『金』もポジティブな意味で、翌2013年の株式相場はバブル崩壊後で最大の上昇率を記録しています。東京五輪開催が決まった2013年の『輪』もポジティブな意味ですが、2014年も株式市場は続伸しました。
一方で、2014年と2015年は“ハズレ”となりました。2014年の『税』は消費増税実施による消費減退なのでネガティブな意味でした。また、2015年の『安』も安全保障関連法、相次ぐテロ事件による安全への不安、マンション傾斜問題や食品問題による安全性の揺らぎを反映してネガティブな意味です。しかし、2015年の株価は小幅上昇、2016年は大幅上昇となりました。
今年を含め過去23回での的中率は?
ただ、直近2年間は再びこのジンクス(関連性)が的中しつつあります。
2016年に選ばれた『金』はもちろんポジティブな意味ですが、2017年の株式相場は大幅上昇となりました。昨年2017年の漢字『北』は、北朝鮮問題に絡むネガティブな意味でしたが、今年2018年の株式相場は高値更新となる場面もあったものの、10月の度重なる急落により現時点では下落しています(12月5日終値で昨年終値比▲4%下落)。
まだ大納会まで日が残されていますが、上昇という形で終わるのは難しくなったかもしれません。
このように今年(12月5日終値時点)を含む過去23回を検証してみると、そのうち17回で前述した“強い関連性”を見ることができます(注:筆者調べ)。確率としては74%ですから、十分高いと言えるのではないでしょうか。。
筆者は今年の漢字を『災』か『倫』と予想、2019年の株式相場は下落へ?
さて、2018年の「今年の漢字」に選出される一文字は何になるでしょうか? 2019年の株式相場の展望とも絡み合わせて注目しましょう。
ちなみに、筆者の予想は『災』か『倫』です。その理由は、今年は甚大な被害をもたらした自然災害が多かったこと、スポーツや企業のスキャンダルが多発して倫理が求められたことです。ちなみに、『災』は過去一度選ばれたことがありますが、『倫』は未選出です。
両方ともネガティブな意味なので、もし、筆者の予想通りになれば、来年2019年の株式相場は下落に転じることになりますが、果たしてどうでしょうか。
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