退職後の資産活用から現役時代の資産形成を考える
LIMO / 2018年12月9日 20時45分
退職後の資産活用から現役時代の資産形成を考える
資産活用世代の議論が始まった
2017年11月に金融庁金融行政方針が発表されて以降、「高齢世代に対する金融サービス」が注目されています。その後、2018年2月には第4回目で初めてとなる「金融資産の取り崩し」に言及した「高齢社会対策大綱」が閣議決定され、さらに7月には「高齢社会における金融サービスのあり方」(中間的なとりまとめ)が金融庁から発表されました。また9月からは金融審議会の市場ワーキング・グループが再開されて、「高齢社会における金融サービスのあり方」をテーマに議論しています。
世界一の超高齢社会といわれる日本は、これまで2014年のNISA(少額投資非課税制度)導入以降、矢継ぎ早に資産形成を支援する制度を構築し、“将来の高齢者”である現役層の退職準備を進める施策を講じてきました。しかし、やっとここにきて“現在の高齢者”のお金との向き合い方を論じる環境が出てきたことは注目できる流れです。
ちなみに、現役層の資産形成は英語ではAccumulationですので、現役世代はA世代または「資産形成世代」と呼ぶことにします。これに対して、資産の引出を英語ではDecumulationと言いますので、退職世代はD世代または持っている資産を使っていく世代ということで「資産活用世代」と呼ぶことにします。
「継ぎ目のない金融サービス」が一つのテーマに
8月に米国での退職者層への金融サービスを調べるためにボストンに調査出張を行いました。そのなかで注目したのは、「資産活用世代向けの金融サービス」と「資産形成世代への金融サービス」のつながりと、それぞれの位置づけです。
グラフは私が現地で多くの議論から学んだポイントをまとめたものです。資産形成世代は資産が全くないところからスタートするために、「どういった金融商品(Product)が良いのか、どういった資産構成(Asset allocation)が最も望ましいか」というところに議論が集まりがちですが、資産活用世代では既に資産ができあがった段階からの議論ですから「商品や資産構成よりも、どう引き出すか(税制を活用した引出戦略=Tax strategy)、どの口座から引き出すか(=Asset Location)」といったことがより重要になります。
しかし、こうした違いがあったとしても、個人の資産形成から資産活用への流れはどこかに区切りがあるわけではありません。そこには継ぎ目のない(=シームレスな)サービスが求められることになります。そのため、米国では資産活用を議論すればするほど、資産形成における金融サービスや制度、商品の見直し(=Re-framing)が不可欠になると考えていました。
日本でも資産形成の制度が立ち上がりましたが、まだ十分に整備されているわけではありません。資産活用世代にとって「寿命までに資産切れにならない」施策を考え、その上に立ってもう一度、資産形成の制度などを改善することが求められています。
<<これまでの記事はこちらから(http://www.toushin-1.jp/search/author/%E9%87%8E%E5%B0%BB%20%E5%93%B2%E5%8F%B2)>>
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ベター・プレイス、東海エリアの地方銀行では初となる愛知銀行とビジネスマッチング契約を締結。企業年金制度「はぐくみ企業年金」の新規顧客拡大へ
PR TIMES / 2024年11月24日 20時40分
-
ベター・プレイス、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得
PR TIMES / 2024年11月20日 13時40分
-
コレクターズショップ大手のまんだらけが、企業年金制度「はぐくみ企業年金」を導入
PR TIMES / 2024年11月7日 13時15分
-
ベター・プレイス、西日本シティ銀行 創立20周年記念事業 「KYUSHU∞SUMMIT‐九州クロスサミット‐」にブース出展
PR TIMES / 2024年11月6日 12時15分
-
不安を煽る情報に惑わされていませんか?「老後資金2,000万円問題」が示す“数字が一人歩きすること”の怖さ【帝国データバンク情報統括部が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月3日 12時15分
ランキング
-
112月の電気代、大手9社で値下げへ 1月からは補助金も再開
日テレNEWS NNN / 2024年11月28日 15時14分
-
2ダイハツ 軽トラ「ハイゼット トラック ローダンプ」約5千台リコール届け出
ABCニュース / 2024年11月28日 15時44分
-
3トヨタの世界販売台数、10月として過去最高…国内生産は前年の反動で8・3%増
読売新聞 / 2024年11月28日 13時30分
-
4東京4位、日本から4都市 世界都市ランキング100
共同通信 / 2024年11月28日 14時52分
-
5業績悪化のユニチカ、上埜社長ら全取締役が辞任へ…ガバナンス強化に向け新体制へ
読売新聞 / 2024年11月28日 18時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください