トヨタ自動車の役員報酬と最近の株価
LIMO / 2018年12月13日 7時30分
トヨタ自動車の役員報酬と最近の株価
上場企業の役員報酬研究シリーズ
ゴーン氏を解任した日産で話題となっている役員報酬問題。シリーズでお届けする「上場企業の役員報酬研究」では各社最新の通期有価証券報告書をもとに上場企業役員の最新の役員報酬と最近の株価動向を振り返ります。今回はトヨタ自動車です。
トヨタ自動車の役員報酬
最新の通期の有価証券報告書に記載される連結報酬等の総額が1億円以上である人物の総額を見ていきましょう。尚、基本報酬、賞与、退職慰労金には提出会社及び連結子会社の報酬分を含みます。以下、氏名(役員区分):連結報酬総額(基本報酬、賞与、退職慰労金)の順に表記。
内山田竹志(取締役):1億8100万円(9900万円、8200万円、100万円以下)
早川茂(取締役):1億800万円(6100万円、4700万円、-)
豊田章男(取締役):3億8000万円(9900万円、2億8000万円、-)
Didier Leroy(取締役):10億2600万円(2億4800万円、7億7600万円、-)
寺師茂樹(取締役):1億2400万円(7000万円、5400万円、-)
なお、同社の取締役報酬額は、2017年6月の定時株主総会決議により、年額40億円(うち社外取締役分3億円以内)と定められています。
トヨタ自動車の株価動向
さて、役員報酬が関係する業績とともに、株主が最も気にする最近の株価動向について見ておきましょう。
同社の過去1年の株価を振り返ると、レンジ内での株価推移であったといえます。大きくは6000円台半ばから7000円台後半の間での推移となりました。
1年前は7000円台でしたが、現在は6800円台となっており、1年前と比較して株価水準は概ね同水準といえます。
役員報酬という社会的注目点
こうしてみると、退職金なども含めて様々な役員報酬の金額が飛び交っているゴーン氏の役員報酬額は、世界を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車 代表取締役社長・豊田章男氏の役員報酬の水準と大きく異なっているということが分かります。
その一方で、同社取締役であるDidier Leroy氏の役員報酬額が10億円を超えていることなどを考えると、ゴーン氏の発言として頻繁に取り上げられる「グローバル企業の役員報酬額」の水準が見え隠れします。
ゴーン氏と日産の件で大きく取り上げられている役員報酬問題。役員報酬は本来、実績としての業績をベースとして考えるべきであるという考えもある一方で、従業員の年間給与水準などと比較してあまりにも巨額の報酬を役員が手にするのはいかがなものかという意見もあります。
役員報酬は株主総会などでも取り上げられる内容でもあり、今後は役員報酬の決定プロセスやロジック、監査などを含めたコーポレート・ガバナンスからも目が離せません。
【ご参考】有価証券報告書とは
有価証券報告書とは投資家にとっては欠かせない公開情報です。これまで見てきた役員報酬や役員の経歴だけではなく、連結及び単体の従業員数、従業員の年間給与(単体のみ)をはじめとして、損益計算書や貸借対照表なども開示されています。
加えて、会社の歴史(沿革)や株主構成、投資先なども開示されており、発行体(上場企業)を定量的にもまた定性的にも分析をする際に重要な資料といえます。プロ投資家とよばれる機関投資家も投資判断材料として有価証券報告書の開示内容には最も重きを置いています。
関東財務局の「企業内容など開示(ディスクロージャー)制度の概要」の中では、以下の有価証券の発行者は、事業年度ごとに有価証券報告書を提出しなければならないことになっています。(1)「金融商品取引所に上場されている有価証券」(2)「店頭登録されている有価証券」(3)「募集または売出しにあたり有価証券届出書または発行登録追補書類を提出した有価証券」(4)「所有者数が1000人以上の株券( 株券を受託有価証券とする有価証券信託受益証券及び株券にかかる権利を表示している預託証券を含む。)または優先出資証券(ただし、資本金5億円未満の会社を除く。)、及び所有者数が500以上のみなし有価証券(ただし、総出資金額が1億円未満のものを除く。)」
【参考資料】
トヨタ自動車「2018年3月期 有価証券報告書」(https://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/investors/library/negotiable/2018_3/all.pdf)
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