妊娠出産の最大の敵はまさかの痒み。想定外のつらさとは?
LIMO / 2018年12月23日 18時20分
妊娠出産の最大の敵はまさかの痒み。想定外のつらさとは?
痛みなんか大して苦じゃなかった!
出産の痛みは鼻からスイカを出すような痛みに例えられ、陣痛の痛みは生理痛の比ではないとも言われています。確かに、妊娠や出産に伴う心身の痛みは何にも代えがたいほどであることは事実です。
しかし、十月十日の妊娠期間と出産を通して筆者に襲いかかってきたのは、痛みではなく痒(かゆ)みでした。そしてこの痒みが今までの人生で経験したことのないほどとてつもなく強烈で、苦しかったのです。「こんなの聞いてなかった!」と驚いた、痒みについてのお話です。
突然訪れたお腹の痒み
それは妊娠6カ月を過ぎた頃。安定期を迎え、何事もなく順調に経過していた妊娠生活に、アイツはやってきました。突然、おへそまわりが痒くなりだしたのです。
最初はなんとなくくすぐったいだけの感覚でした。少し掻けばすぐに収まる程度。しかし、だんだんと痒みは強まっていき、痒みを感じる範囲もお腹全体へと広がっていきました。
掻けば掻くほど痒くなるのはわかってはいるものの、どうしても我慢できずにポリポリ。しまいには、寝ている時に無意識で掻いてしまい、朝起きるとお腹全体が真っ赤になって、爪で掻いた跡がクッキリと残るようになってしまいました。
病院で診てもらうと、「ホルモンの影響で痒みが出てくることは珍しいことではない」との診断。お腹が大きくなっていくにつれて、皮膚が伸びることも原因があるとのことで、妊娠中にはどうにも抗えないものなのだと知りました。
病院でもらった塗り薬を塗って、次第に痒みも収まっていき、再び平穏な妊娠生活が送れると思っていたのですが…。
そして謎の痒みが体のあちこちに!
しかしその後妊娠7カ月を過ぎた頃、お腹以外に、頭皮、左手首、右手中指の付け根、右足のふくらはぎ全体、両太ももと、全身のあちこちがムズムズと痒くなっていったのです!
こうなると、もう止められません。「掻いたら余計に痒くなる、掻いてはだめ!」という理性よりも、全身をかきむしりたい欲望の方が勝ってしまいます。昼間はもちろん、夜も眠れないほどつらく、24時間痒くて痒くてたまらない日々が続きました。
掻けばスッキリすればいいのですが、掻けば掻くほど痒みは増していき、そして引っ掻きによって体中が真っ赤に傷だらけになっていきます。あまりにも痒みが苦しくて、夜中に一人で泣いていました。
つらすぎて再び医師に診てもらうも、「産んだら収まるから大丈夫」と言われるのみで、病院では特別にできることはありません。そして妊娠中は色素が沈着しやすくなっているため、掻き跡が黒ずみとなって残りやすくなることを注意されました。
そんなことを言われたって、耐えられるレベルの痒みではありません! 例えると、全身に重度の虫刺されがあるような感じ。当時は産後のことよりも、妊娠中の今を乗り越えることしか考えられず、ひたすら薬を塗りつつ、痒みに耐え切れずに掻いてしまっていました。
毎日のつらい痒みを3カ月ほど耐え抜き無事出産。そして産後は言われた通り、嘘のようにピタっと全身の痒みが消滅! 筆者は痒みから解放され、赤ちゃんのお世話に集中することができました。
あの悪夢が産後再び…
しかし産後2週間ほど経った頃に、再びアイツが! それは胸まわりでした。
筆者は産後、母乳がたくさん出るタイプだったため、ブラジャーが母乳で濡れないように常に母乳パッドを付けていました。それでも溢れ出るため、パッドに母乳がしみてしまい、次第にしみた場所がムレていったのです。そのムレが徐々にかぶれて、痒くなっていきました。
2時間おきに母乳パッドは交換していたものの、母乳はどんどん溢れ出ます。授乳が終わったらシャワーで胸まわりをキレイにし、病院でもらった塗り薬を塗って授乳の時には拭き取るという対策をしていましたが、痒みはなかなか収まりません。
そして2時間後の授乳の際には、再びパッドがびしょびしょになるほど母乳は溢れ出て、ムレからくる痒みはどんどんひどくなっていきました。
こうして、まさかの産後も痒みに苦しみ続ける日々が続きます。その後、痒みが落ち着いたのは産後3カ月を過ぎた頃。お腹の痒みを感じ始めたのが妊娠6カ月だったので、産前産後含めるとトータルで7カ月ほども常に痒みと隣り合わせな日々を送っていました。
おわりに
筆者の場合、陣痛は確かに腰をハンマーで砕かれるような強烈な痛みがあったものの、振り返ると痛みは一瞬のことでした。もちろん比較はできないことですが、自分にとっては長期間にわたって苦しめられた痒みの方が陣痛の痛みよりも苦痛だったことは確かです。
妊娠や出産は痛みが注目されがちなので、こうした痒みはなかなか理解されることが少ないということもつらいものでした。痒みに苦しんでいる妊婦さんや、授乳中のお母さんが少しでも症状が楽になることを祈っています。
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