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売り手市場の新卒採用ではドタキャンも! イマドキの就活生獲得の「傾向と対策」

LIMO / 2018年12月24日 17時0分

売り手市場の新卒採用ではドタキャンも! イマドキの就活生獲得の「傾向と対策」

売り手市場の新卒採用ではドタキャンも! イマドキの就活生獲得の「傾向と対策」

深刻な人材不足を背景に売り手市場が続く新卒採用。新卒一括採用は、ポテンシャルの高い人材に多く出会えるというメリットもありますが、失敗ができない、競合他社が多いという企業側のデメリットもあり、毎年就活生の傾向を調査し、企業の特色を活かした様々な採用戦略を打ち出す企業も多くなっています。

そんな厳しい状況の中で、確実に「企業にマッチした人材を獲得」するためのヒントとして、今回はイマドキの就活生の傾向とそれに対する対策についてお伝えしたいと思います。

データから見る2019年度の新卒採用

キャリタス2019就活学生モニター調査結果によると、情報解禁から1か月経った2018年4月1日時点で、学生1人当たりの平均エントリー社数は前年度より5.5社少ない26.2社。採用面接が解禁された6月1日時点での内定率は前年度を2.3%上回る65.7%でした。

また、10月1日時点での内定率は 90.5%、就職活動を終了した学生は全体の85.9%。インターンシップに参加した企業の本選考への応募は80.3%で、インターンシップ先の企業に応募した約半数が内定獲得となっています。

このように、2019年度は前年度よりエントリー社数は下回り、内定率は上回る結果となりました。企業側の内定出しのタイミングが早期化され、インターンシップ参加企業からの内定率も増加傾向にあるようです。

一方、中小企業への選考応募状況を見ると、10月1日時点で「面接試験を受けた」経験をもつ学生は 59.8%と、前年(60.8%)から微減。受けた理由としては「会社の雰囲気がよい」44.3%、「やりたい仕事に就ける」42.1%が多く、受けていない理由は「給与・待遇が良くない」42.2%、「安定性に欠ける」37.1% となっています。

イマドキの就活生の傾向と対策

情報源はオンラインとオフラインを使い分け

就活生の行動を見ていると、オンラインとオフラインを行き来している印象を受けます。定番としては「リクナビ」や「マイナビ」といった就活Webサイトから気になった企業をネットで検索し公式HPを覗いたり、合同説明会、個別説明会に参加したり、OB・OG訪問をして情報を収集したり。

その上で、さらに新しい情報を得るためにTwitter等でキーワード検索し、OB・OGとSNSでつながって随時情報をもらったりしているそうです。

企業にとってはオンライン、オフライン両面とも手を抜けない状況ではありますが、人事や採用担当者だけが対応するのではなく、様々な社員を巻き込みながら更新頻度を高めることで就活生側への認知度向上を図れます。また、幅広い視点から企業の魅力を発信できることで、企業側にとっても現場社員が新人の育成に責任を持ちやすくなるというメリットもあります。

働き方改革に興味津々

企業説明会では就活生の関心度が高い「働き方改革」について、各社が猛アピールしている傾向にあります。

実際、日本生産性本部が実施した今年4月入社の新入社員意識調査でも「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」のどちらがよいかの設問に対し、後者と答えた割合は75.9%と前者に大差をつけました。

ただ注意点としては、表面的な働き方改革になっていないかという点。入社後に理想と現実のギャップで離職という可能性もあるので現状を伝えることが好ましいと言えます。

また、働き方改革をPRしたい企業は、改革の結果だけを伝えるのではなく、そこに至ったストーリーを伝えると就活生も話に引き込まれやすくなります。

筆者のクライアントも、「有給休暇100%取得物語」と題して、100%を達成するまでのストーリーをミニマンガにしてパンフレットと一緒に配ることで、応募者数が3倍に増加。ストーリーの中で垣間見れる社長の思いや人事、現場の努力が「人材を大切にする企業」という印象につながったようです。

「社内の雰囲気」を気にする

新卒逆求人サイト「OfferBox(オファーボックス)」シリーズを運営するi-plugは、2019年卒の学生を対象とした「働き方」に関する意識調査の結果を発表。その調査の中で、どのような企業に魅力を感じるか尋ねたところ、「社内の雰囲気が良い」が82.8%でトップ。以下、「成長できる環境がある」が67.5%、「将来性がある」が60.3%、「給与が高い」が56.8%、「理念・ビジョンに共感できる」が44.1%と続いています。

社内の雰囲気を伝えるため、会社説明会では会社のことを自分の言葉で語れる2年目・3年目の社員に就活生とのコミュニケーションを図ってもらうケースが多いと思いますが、そうした取り組みは大学生側の満足度も非常に高いように感じます。

企業説明会後のキャリア相談でも、「○○企業の△△さんが面白くて、一緒に働きたいと思った」「就活の悩みを親身に聞いてくれた」「リアルな残業時間や会社の雰囲気も聞けて良かった。残業は毎日あるみたいだけど、若いうちから裁量を持って仕事ができそう」など、前向きな意見が多くなっています。

また、現場の社員が同席できない場合でも、社内の雰囲気が分かるエピソードや主要なメンバーの性格を血液型や動物占いなど分かりやすく面白く伝えることで好感を持たれやすくなります。

選考当日にドタキャンもありえる

企業の採用担当者から良く聞く話ですが、説明会、選考日にドタキャンをされることが年々増えており、連絡がないケースもあるようです。

売り手市場において、選考辞退への対応が軽視されている印象をうけますが、企業側もこの対策として、書類選考後すぐに連絡するようにしたり、説明会や面接日程を指定するのではなく、複数候補日を送り相手に選んでもらったりと、極力辞退をなくす努力を行っているようです。

金額報酬から意味報酬へ

意味報酬とは、人の役に立っている、喜ばれる、成長しているという実感のことで、入社前だけでなく入社後も重要視される部分です。

豊かな時代に生まれたイマドキの学生は金額報酬への執着度がそこまで高くなく、「働きがい」「やりがい」といった部分を純粋に求めます。就活生が何をやりがいに感じるのか。それは人によって様々ですので、企業側は説明会等で、できるだけ多くの「働きがい」「やりがい」を提示できるとアプローチしやすくなると思います。

また、インターンシップやお仕事体験会を企画し、実際に「働きがい」を感じてもらえる機会提供も有効だと思います。特にインターンシップにおいては、「母集団形成」や「企業ブランディング」を意識して戦略的に受け入れることをおススメします。

ここ4~5年でインターンシップの重要性がより高まっていますが、企業によっては指導者もつけず、人手不足な場所に配置してもフォローしないといったケースもあるようです。以前観光業界を志望する就活生からも「とても入りたい企業でインターンシップに行ったが、人手不足で何も教えてもらず、2週間ずっとコピーを取っていました。とてもがっかりです」というように、インターンシップの残念エピソードをよく聞きます。

そして、こういった情報は学生内でシェアされ、ひどい場合はSNSで拡散されてしまうこともありますので、受け入れ時の体制を考えた上で「やらない」という選択肢もありだと思います。またインターンシップ期間を通してインターンシップ生全員が母集団にならなくても、学生にとって「将来のためになる」インターンシップを行っていれば、学生の口コミから母集団を形成することも可能だと思います。

中でも「ウェルカム感」が伝わる企業は就活生に人気です。たとえば、求める人材像にマッチした社員や最も活躍している社員を指導者にあてたり、様々な部署を体験してもらったり、学生の就活や将来について相談に乗ったりなど、企業の特色を活かして会社全体で「ウェルカム感」をつくっていけるといいですね。

おわりに

就活はよく恋愛に例えられますが、表面的な恋愛は避けたいところ。そうならないためにも、企業側は企業の強み、弱み(改善点、今後の伸びしろ)を開示し、求める人材に好かれるよう、分かりやすく、スピーディに、丁寧に対応することで成就につながりやすくなると思います。既に対策を取られている企業も多いと思いますが、改めての参考になれば幸いです。

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