予防接種は打つべきなの？ 正解のないママたちの悩み

赤ちゃんが生後2カ月を迎えると、予防接種がスタート。じーじ・ばーば世代から「あなたたちの頃はそんなに打たなかったけど大きな病気もしなかったよ」と言われた経験がある人もいるのではないでしょうか。私たち母親のなかにも、自費のものまですべて受ける人、任意接種のものだけ受けない人、定期接種もすべて受けない人と、さまざまな考え方の人がいます。予防接種は受けるべきなのか。それぞれの考え方を見てみましょう。

効果が不確かだから？ 予防接種反対派の意見

今回は、インフルエンザのように毎年受けるものは除いて、予防接種に対するそもそもの考え方についてみなさんに聞いた意見をご紹介します。

まずは、否定派の主張から。

「今は問題ないとされているワクチンでも、もしかしたら有害なものだってあるかもしれませんよね。子宮頸がんワクチンだって、一時期いろいろ騒がれたでしょう。あとから『やっぱり有害でした』と言われても、後悔先に立たずなんですよ。そもそも人間には、自ら免疫を獲得していく力が備わっているのでは？」

「私がアレルギー体質なので、娘もそうかもしれません。予防接種を受けて副作用が出るのが怖くて…だって、受けるときは同意書にサインするじゃないですか。あれを目の前にすると、簡単にわが子を危険にさらせないと思ってしまいます」

「予防接種代ってバカにならないんですよね。それよりも、感染して病院に行ったほうが安く済むんだし…医療も進歩している今の時代、命に関わる事態って、そうないんじゃない？」

「打ったからといって絶対予防できるわけではないのに、生後2カ月の小さな体にあえてウイルスを入れるなんて考えられません。効果があるか明確でないのに、リスクを取るんですよ？」

反対派のなかにもさまざまな意見がありますが、まったく受けないという方の意見を聞いていると、そもそも予防接種の効果に対する信用度が低い気がしました。また、はしかなどに感染する人が非常に少ない今の時代、感染症にかかったときの怖さが実感できず「打たなくてもならないでしょう」と他人ごとに思っている人もいるのかもしれません。

ウイルスを広げないことがマナーだから？ 予防接種賛成派の意見

次は、予防接種は打ったほうがいいと考えているママたちの意見です。

「受けないのは自由ですが、平気な顔で小さな子どもや他人と会うのが許せません。菌をばら撒く可能性があるんだから、本来なら外出禁止を言い渡されても仕方ないぐらいですよね。受けないなら受けないで、周囲への気づかいは欲しいです。それがなければ、ただの自分勝手じゃないんですか」

「そもそも感染症が広がらずにすんでいるのだって、きちんと予防接種している人が多いからなんですよ。接種しない派の人たちだって、そういう恩恵を受けているから『うちの子は受けません』って比較的安心して言えるんですよね。これが受けない人のほうが多くなって、感染症にかかって危険に陥る人が増えたとしても同じことを言えるのでしょうか？」

「だいたい定期接種になっているやつは、感染すると重症化したり合併症が怖かったりする病気なのに。うちの子はきちんと予防接種していたのに抗体がつききらなかったらしく、とある感染症にかかってしまいました。症状がすごく軽かったからよかったけど…もし合併症になっていたらと思うと、予防接種せずにウイルスを運んでいる人に腹が立って仕方ありません」

賛成派のママのなかにも、効果とリスクを天秤にかけて打たなくていいと思ったものは見送るという人もいましたが、医療的な知識がある人ばかりではないし、素人が判断するのはなかなか難しいですよね。しかし「予防接種は全部打つ」というママには、わが子が感染症にかかること以外に、他人にうつすことを気にしている人も多いように感じました。

どちらのリスクもわが子の身に起こりうること

今回ご紹介した意見は、それぞれのママの個人的な考え方です。しかし確かに、予防接種の効果は絶対とは言い切れませんし副作用の心配もありますが、打たずに感染した場合は命に関わるような危険な状態に陥る場合もあるでしょう。どちらも少なからずリスクがあるもの。なんとなく「打たなくていいか」とか「とりあえず打っとこう」なんて軽く考えず、きちんと調べて納得できる選択ができるといいですね。