株はチャートで選ぶ?株の選び方とは
LIMO / 2018年12月20日 9時0分
株はチャートで選ぶ?株の選び方とは
ランダムウォークの中でのチャート分析。CAPMに打ち勝てるか
株初心者が「株を始めよう」と思ったら、銘柄選びの際、まず、はじめに見てしまうのが株価チャートではないでしょうか。今の株価トレンドはどうなのか、株価の過去の推移をふりかえって、今は株価が安いのか高いのかなどが分かります。株価とともに出来高などが示されている場合も多く、どれぐらいの人がこの銘柄に注目しているのかなどが視覚的にわかります。今回は株式投資における株価チャートの使い方について見ていきましょう。
株価チャートは見ているだけでも楽しい
「株価チャートは毎日、ぼーっと見ているだけでも楽しい」
これは株式投資が好きな人からも頻繁に出てくる言葉です。
株価チャートからは、過去の業績でどのように投資家が反応したのか、何を期待して買われていたのかなども見えてきます。そして、いまの株価が過去の株価水準と比較してどの位置にいるのかなどもわかります。つまり、株価チャートからは歴史が分かります。
そういった意味で、株価チャートは様々な考えるきっかけを与えてくれるグラフィックデザインという見方もできます。
ランダムウォークの中でチャート分析をどう考えるのか
株価が今後も上昇していく銘柄だとしても、買われ過ぎれば必ず反落し、そして株価が安くなればまた買われと、それらを繰り返して徐々に上昇していきます。右一直線に上昇していく株価チャートなどはそう滅多にはお目にかかれないことでしょう。
「ランダムウォーク」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
ランダムウォークとは人が酔っ払って歩いている姿、つまりふらふらしながら歩くさまをいいます。
日本証券アナリスト協会編「証券分析・投資運用用語辞典」によれば、「株価変化がランダムであるとすると、将来の予測は不可能となり、チャート分析のような過去の情報から将来を予測することは不可能となる」としています。
「なに?!株価チャートを分析しても将来は分からないだと?」というような声も聞こえてきそうです。
ただ、仮にランダムウォークで将来の株価予想ができないとしてもその中で、うまく波に乗ってプラスをとっていくというのが株の醍醐味です。
ランダムウォークの中でも、チャートを見れば、上昇トレンド、下落トレンドがある銘柄はあります。
ここからは、上昇トレンドと下落トレンド、それぞれでどんな波乗りの方法があるのかを考えてみましょう。
上昇トレンドに乗るのが楽チン
上昇トレンドはこれから右肩上がりに上がっていこうとする勢いがあるトレンドのことを言います。
初心者が株を始めるときには最も気になるチャートの形といえるのではないでしょうか。株式投資の基本は「安いときに買って、高くなったら売る」です。これから上っていこうとする銘柄の安いときにポジションを持って、高くなったら売るというのは、もっともストレスなく勝ちやすいパターンでもあります。
その際、気をつけるのは、「頭と尻尾はくれてやれ」です。
これは株価の上がり始めである「頭」とその後の株価の「尻尾」まで全てを欲張るなということです。初心者のおかしやすいミスは、いったん上がものの、まだ上がると思い、持ち続けてしまうことです。
ちょうどトレンドの始まりである頭とトレンドの終わりである尻尾が株の中でも一番見極めの難しいところでもあります。
それならはある程度のところでいったんプラスを確定させ、そのあと買い直すぐらいの気持ちでいた方がトータルで勝ち越す確率がぐんと増えてくることでしょう。
下落トレンドからの復活にかける方法
上昇トレンドの銘柄うまく見つけられるのに越したことはないですが、日経平均株価のような株価指数全体が下がっている時は、どの銘柄も下落トレンドのことも多いものです。
そんな下落トレンドに乗って勝ちに行くツワモノも世の中にはいます。そのうち上昇することを目論んで下落トレンドの間にしっかりとポジションを持っておく方法です。
ただ、初心者にはあまりオススメできません。
というのも、この場合、チャートの底が確定するまで、日々下がっていくチャートを見続けないといけないからです。「きっともうすぐ底になるはず」と思っていても、日々下がり続ける株価に不安が増してくるのが人間です。この不安に打ち勝つことができなければ、下落トレンドからポジションを持つことで勝ち越すことはできません。強靭な精神を持つ人だけに許された方法とも言えるかもしれませんね。
たかがチャートされどチャート
チャートは昔からたくさんの人が研究をしてきました。色んな人が発見をしては新しい手法を試しています。ただ、その方法さえ勉強すれば百戦錬磨かというとそういうわけではありません。
株は生き物のように常に変化しているものでもあり、時として、セオリーだった手法も全く通用しない局面というのも度々あります。
チャート分析はファンダメンタルズ分析とは大きく異なる見方をされることもありますが、必ずしもそうではありません。ここまで見てきたようにチャートは過去の分析が主体です。ファンダメンタルズ分析ももれなく過去の分析から始まります。その中で取材や調査などを通じて将来を見通そうとするのがファンダメンタルズ分析です。したがって両分析に共通するのが、過去の分析ということになります。
株式投資を始めたばかりの人でも、闇雲にポジションを持つというのも、なんの準備もなく戦地に向かうようなものです。チャートを過信しすぎず、うまく付き合っていくことが大事です。
参考文献
公益社団法人・日本証券アナリスト協会編「証券分析・投資運用用語辞典」
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