大企業から3年で転職するメリットとデメリット
LIMO / 2018年12月24日 10時0分
大企業から3年で転職するメリットとデメリット
同じ組織での昇進か、市場価値を高めるのどちらをとるのか
厳しい就職活動を勝ち抜いて大企業に就職しても、入社後、数年以内に辞めてしまい、別の企業に転職してしまう若者がいます。転職市場では「第2新卒」という言葉もあり、社会的にも認知が進んでいる層ではありますが、入社後数年で大企業を辞めてしまうメリットとデメリットは何でしょうか。
大企業のメリットとは
大企業に入社するメリットとは何でしょうか。
大企業のメリットは一般的に以下のようなメリットがあるのではないでしょうか。
同期が多い
ネットワークが広がる
福利厚生が充実している
昇給のイメージが持ちやすい
(金融機関において住宅ローンなどを借りる際に)信用がある
社員教育や研修制度が充実をしている
(グローバル企業の場合)海外へ転勤するチャンスがある
上記のようなメリットを享受している大企業の勤務者も多いのではないでしょうか。
大企業のデメリットとは
ここまで見てきたように、大企業に勤めるメリットがあるのにもかかわらず、なぜ入社して数年で転職してしまう人が存在するのでしょうか。
大企業に入社することのデメリットとは何でしょうか。
同期や先輩・後輩との競争が厳しい
配属の希望が必ずしもかなわない
組織が確立されていて、仕事が細分化され過ぎていている
自分が携われる仕事の範囲が限定的
作業の比率が高く、自分の市場価値(マーケット・バリュー)を上げる仕事に関われない
転勤がある
内勤だと外部との接点が少ない
自分の希望の仕事に就くために、次の配属まで時間がかかる
大企業に入社することで自分の希望の仕事内容や職種がある一方で、必ずしも希望通りにいかないことがあるでしょう。同期が多いような企業や全社の従業員数が多い企業であれば、入社した直後であれば、むしろそうしたケースが多いのではとも思えてしまいます。
組織で昇進を狙うか、それとも自分の市場価値を高めるのか
日本の大企業が未来永劫、安泰かのように思えた時代には、同じ組織に長くいることで、昇進とともに年収が上がり、定年退職を迎えるというのが合理的かつ効率的な考え方であったかもしれません。
しかし、大企業でもグローバルの競争に敗れ存亡の危機に瀕したり、会計問題で会社が傾くようなこともこれまで数多く目にしてきたのではないでしょうか。自分が最初に入社した企業が「今のまま」続いていくと考えること自体がもはや難しくなりつつあります。
そうした中、会社に依存するよりは自分の市場価値を高めることで、会社にもしものことがあったときには転職をしやすくしようとするのは合理的な考え方かと思います。
また、最近ではエンジニアのように、現在は業界でも非常に需要がタイトな職種もあります。同じ会社に居続けるよりも、転職をして年収や労働時間といった条件面を追い求める方が自分にとって幸せであるという時代でもあります。
大企業に居続けるメリットとデメリット
「入社してすぐに、自分のしたい職業をしたい」という考えに対して、現在の若手の仕事に対しての見方が「短期的」過ぎるという批判もあるかと思います。
ただ、同じ企業に定年まで勤める、また同じ企業で出世をするという考えが仮にないのだとすれば、その人の興味は「現在」の年収や仕事内容に対しての比重が大きくても仕方がないのではないでしょうか。
今後の企業を取り巻く環境次第ではありますが、大企業といってもその後の姿を想像しながら、自分がどのようにすれば生き残れるのか、そして市場価値を最大化させるにはどうしたらよいかという点がポイントかもしれません。
【ご参考】大企業の定義とは
「大企業」という言葉は日常生活ではよく使いますが、実際に統一された定義はないようです。厳密にいえば、法律によって異なりますし、それらの法律でも「大企業」という使われ方はしていません。ここでは「中小企業基本法」と「租税特別措置法」で大企業を整理します。
中小企業基本法による中小企業は以下の定義が「中小企業者の範囲」ということになっています。さらに常時使用する従業員の数で「小規模企業者」というのを定義しています。したがって、これら以外が「大企業者」となります。
以下が中小企業者の整理となります。
卸売業:資本金の額又は出資の総額は1億円以下もしくは常時使用する従業員の数100人以下
サービス業:資本金の額又は出資の総額は5000万円以下もしくは常時使用する従業員の数が100人以下
小売業:資本金の額又は出資の総額は5000万円以下もしくは常時使用する従業員の数が50人以下
製造業、建設業、運輸業、その他の業種:資本金の額又は出資の総額は3億円以下もしくは常時使用する従業員の数300人以下
また、以下が租税特別措置法の整理となります。
租税特別措置法(施行令第27条の4第12項第1号)によれば、「大規模法人」とは、「資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人」をいい、「中小企業投資育成株式会社を除く」とされています。
こうしてみると、いわゆる「大企業」は資本金や従業員数でみるのが良さそうですが、こと従業員数でもその規模が産業ごとであったりすることもあります。一概には言えなさそうです。
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