世帯別平均貯蓄は1812万円! では中央値と世代別データを見てみると?
LIMO / 2019年1月7日 17時30分
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世帯別平均貯蓄は1812万円! では中央値と世代別データを見てみると?
新年を迎えて心機一転、貯蓄を増やそうと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分の貯蓄が多いのか少ないのか、どれくらいを目標にすれば良いか分からない時、周りの貯蓄の額が気になってもなかなか聞けませんよね。
そこで今回は、総務省による2017年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(2018年5月18日発表)から、貯蓄の平均値や中央値について紹介します。
世帯別貯蓄額の平均値と中央値は?
「家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、2人以上の世帯における2017年の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1812万円でした。前年度の調査に比べて8万円(0.4%)の減少で、減少となったのは5年ぶりです。
ちなみに、世帯主の世代別の平均値は40歳未満が602万円、40代が1074万円、50代が1699万円、60代が2382万円、70代以上が2385万円となっています。
なお、この調査における「貯蓄」には、預貯金(普通預金・定期預金など)のほかに有価証券(株式、債券、投資信託など)や積立型の生命保険や個人年金などが含まれています(公的年金や企業年金は含まず)。また、社内預金、勤め先の共済組合など、金融機関以外への預貯金も含まれます(たんす預金は含まず)。
さて、1812万円という数字を聞くと、そんなにみんな貯蓄しているのか?と驚くかもしれません。ただ、平均値はたとえば億単位の貯蓄があるなどの極端な値に影響されるので、必ずしも実態を表すものではありません。
実際に2人以上の世帯について貯蓄現在高の階級別の世帯分布を見ると、平均値(1812万円)を下回る世帯が67.0%と約3分の2を占めており、平均値を下回る世帯の方が多数派となるのです。また、最頻値(データの中でもっとも頻度が高いところ)は「貯蓄100万円未満」の階級で、全体の10.0%を占めています。
そこで平均値よりも実態に近い数値として「中央値」という考え方があります。中央値はデータを大きい順(あるいは小さい順)に並べたときに、ちょうど真ん中に来る値のことを言います。
この調査での中央値は1074万円で、貯蓄がゼロという世帯を含めた中央値は1016万円となり、前述の平均値1812万円を大きく下回っていることになります(下図参照)。
拡大する(/mwimgs/e/9/-/img_e9a0288344180ebd0f11c86e6d47f62f111357.jpg)
出所:出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
世代別のデータを見ると?
上記の結果では貯蓄の中央値は1074万円(貯蓄ゼロ世帯を含めると1016万円)でしたが、それでも「本当にみんなそんなに持っているの?」というのが実感かもしれません。特に子育て世帯は出費も多く、なかなか思うように貯蓄が増えませんよね。
では次に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成29年)」を使って、金融資産を保有する世帯の年代別金融資産保有額の中央値を見てみましょう。すると次のような結果になります。
20代の中央値:300万円(平均値:524万円)
30代の中央値:420万円(平均値:735万円)
40代の中央値:650万円(平均値:1014万円)
50代の中央値:1100万円(平均値:1689万円)
60代の中央値:1400万円(平均額:2062万円)
70代の中央値:1500万円(平均値:2512万円)
それでは、金融資産を保有していない世帯を含む年代別の中央値はどうなっているのでしょうか。
20代の中央値:77万円(平均値:321万円)
金融資産非保有割合:35.6%
30代の中央値:200万円(平均値:470万円)
金融資産非保有割合は33.7%
40代の中央値:220万円(平均値:643万円)
金融資産非保有割合は33.7%
50代の中央値:400万円(平均値:1113万円)
金融資産非保有割合は31.8%
60代の中央値:601万円(平均値:1411万円)
金融資産非保有割合は29.4%
70代の中央値:600万円(平均値:1768万円)
金融資産非保有割合は28.3%
30代の平均値は735万円ですが、中央値は420万円、金融資産非保有世帯を含めた中央値は200万円となり、やはり子育て世帯の貯蓄額は高いとは言えないようです。一方、60代の平均値は2062万円、中央値は1400万円、金融資産非保有世帯を含めた中央値は601万円で、退職金や子供の手が離れたことで自分たちの老後資金としての貯蓄額が増えているという印象です。
このように、日本では働き盛りの20~40代で貯蓄を増やすのは難しい様子が見て取れます。また、20~40代では金融資産非保有世帯も3分の1を超えているなど、貯蓄が困難な世帯はなかなか貯蓄ゼロ状態を抜け出せない傾向にあるようです。
まとめ
今回見た結果では、日本人の貯蓄額の平均は高齢者が押し上げており、働き盛りで貯蓄を増やすのは難しいようです。実際に貯蓄ゼロ世帯も少なくないことを鑑みると、退職金や老後の収入を得られる見込みがある場合は多少安心でしょうが、将来が不安な場合は若いうちから少しでも貯蓄を増やす工夫をする必要がありそうです。
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