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子育てしながら年収を3倍に引き上げるコツ〜フリーランスで稼ぐ女性に聞く

LIMO / 2018年12月26日 10時40分

子育てしながら年収を3倍に引き上げるコツ〜フリーランスで稼ぐ女性に聞く

子育てしながら年収を3倍に引き上げるコツ〜フリーランスで稼ぐ女性に聞く

「収入が不安定で大変」というイメージがついて回り、あまり積極的になる人は多くなかった“フリーランス”という働き方。しかしフリーランスは、子育て世代の女性が家庭と仕事の両立をする上では、とてもメリットが多いと言えます。

ウェブとアプリのラーニングスタジオ、デジタルハリウッドSTUDIO新宿は先日、女性の働き方の可能性を探るトークイベントを開催。

育児休暇中の時間を使ってデジタルハリウッドの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」を受講し、会社勤めからフリーのウェブデザイナーに転身した尾関日奈子さんと、『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(光文社)の著者で、同じく会社勤めからフリーのライターに転身した華井由利奈さんが登壇しました。

フリーランスという働き方で、会社員時代よりも年収が3倍になったという尾関さんと、700人以上の「手に職」を持つ女性を取材してきた華井さんの話から、子育てをしながらフリーランスという働き方で年収を3倍に引き上げるコツを探ります。

独立前に通う学校やセミナーはスキルアップだけでなく人脈作りにも

働いた分だけ自分の収入になるフリーランス。会社に縛られず、自分のペースで仕事ができるのは確かに大きなメリットですが、仕事の獲得の仕方や収入アップの方法を心得ておかなければ、生活が立ち行かなくなってしまいます。

2人のお子さんを持つ尾関さんは、第1子の産休中、デジタルハリウッドの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」に約7カ月通学。初期投資には70~80万円ほどかかったものの、フリーランスで仕事を始めてから3カ月ほどで初期投資分を回収できました。

フリーランスとして独立してからの仕事は、デジタルハリウッドで得た人脈が中心。仕事の連絡は同級生だけでなく、卒業生からもあると言い、横のつながりだけでなく縦のつながりもあるそう。仕事を始める前に学校やセミナーに通うことは、単にスキルを習得することに止まらず、こうした人脈作りもできるというメリットがあります。

華井さんも、フリーランスとして独立する前に通っていたセミナーのつながりで仕事をもらうことが多く、毎年行われるセミナーの懇親会で知り合う編集者や広告関係者と人脈ができていくと言います。尾関さん、華井さんとも「営業はほとんどしない」と話していました。

子育てをしていると時間がないため、なかなか新たなクライアントを探したり、営業活動をしたりといったことが難しくなります。ベストなのは、待っていても仕事が来る状態。仕事を紹介してくれる人脈をいかに作っていくかが求められるので、学校やセミナーに通う受講料は、長い目で見れば決して高くはないでしょう。

フリーランスは末端の仕事。安く使われないためには?

自分でクライアントや仕事が選べるメリットもあるフリーランス。自分の価値を自分で決められるため、クライアントとのお金の交渉も多くあります。そして、「この仕事、いくらでできますか?」と聞かれることもしばしば。

そんな時、仕事が欲しいがために「いくらでもやります」と言っては、年収3倍への道は遠くなってしまいます。フリーランスは下請けの、さらに下請けといった仕事も多くあるので、安く使われないようにしていくことがとても大事。

尾関さんは、時給換算をして2000円を切る仕事は受けないようにしているんだとか。またページ数や本数で単価いくらの仕事より、月5万円でこのくらいの作業量といった仕事の方が、効率的に仕事をこなせる人は儲かるとのこと。月単位の仕事を多く受注して限られた時間の中でこなしていくことで、収入アップが見込めるでしょう。

一方、華井さんはセミナーなどを通して周りのライターさんに単価を聞いて回ったそう。そこで業界の一般的な単価を知り、それよりも少し高めに設定するように。交渉の段階で下げていくことを前提としているため、思い切って少し高めの単価にしても、意外と「では、その金額でお願いします」と言われることもあるそうです。

子どもがいることを理解してくれるクライアントを

さらに尾関さんは、子育て中のママがフリーランスとして働く上では、クライアント選びもとても重要だと語ります。

自宅にいながら打ち合わせができるテレビ電話での会議では、以前、子どもが後ろにいることを気にするクライアントがいたそうです。また、夜中にかかってきたクライアントの電話で、せっかく寝かしつけた子どもが起きてしまったことも。

やはり子どもがいることに理解がなかったり無理な注文が多かったりするクライアントとは、仕事を一緒にすることは難しいというのが本音。仕事を断ることで、「もう二度と発注がこないかもしれない」と不安になるものの、本当に長く付き合っていきたい人かどうかを見極めることも、フリーランスに求められるスキルです。

そしてもう一つ、フリーランスが大事にしなければいけないのがスケジュール管理。「徹夜すればできる」というスケジュールでたくさんの仕事を受注した結果、子どもの生活リズムに振り回され、結局全然仕事が手に着かない状態になることもあります。

そのため尾関さんは、自分が1日で何時間、何円分の仕事をしているのかを定期的に見直し、限られた時間の中で効率的に収入を得ていたのかをチェックしているそう。そして子どもとの時間も大事にするため「夜は仕事をしない」と決めてスケジュールを組んでいます。

フリーランスが当たり前の時代に突入しつつある

ランサーズ株式会社が2018年4月に発表した、「フリーランス実態調査2018年版」によると、日本におけるフリーランス人口は1,119万人で、人口に占める割合は17%。子育て中の女性だけでなく、様々な年齢やライフスタイルの人がフリーランスという働き方を選択しています。

フリーランスは、福利厚生や手当といった会社勤めのようなメリットはないものの、自分の力で時間や仕事をコントロールし、出産や子育て、介護といったライフイベントを乗り越え、人生の主導権を握ることができます。そして、現在は女性が出産して子育てをしながらキャリアアップしていく上で、会社に依存することは不要な時代にもなってきています。

子育て中の女性や今後妊娠や出産を控えている女性は、フリーランスという働き方を選択しても決して損はないのではないでしょうか。

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