暴落の日本株、今年の下落率はどのくらいか?
LIMO / 2018年12月26日 7時40分
暴落の日本株、今年の下落率はどのくらいか?
3連休明け25日の日本株は暴落、今年最大の下落率を記録
世界的な株価下落に歯止めがかかりません。実質的な12月最終週に入っても株価反発の兆しが見えず、世界各市場で安値更新が相次いでいます。日本株も例外ではありません。
25日(火)の東京市場はほぼ全面安状態になり、日経平均株価は前日比▲5.0%、TOPIX(東証株価指数)も▲4.9%になるなど、暴落に近い下落でした。両指数とも今年最大の下落率を記録し、日経平均株価は約1年8カ月ぶり、TOPIXは約2年2カ月ぶりの安値水準となっています。
とりわけ、日経平均株価に関しては、わずか3カ月前には年初来高値(24,448円、約27年ぶりの高値)を更新し、“年末には26,000円”という威勢のよい見通しが支配的でした。それがあっという間に▲5,000円以上も下落したわけですから、株式投資のリスクの大きさを再認識した人も多いでしょう。
今回の株価急落は「〇〇ショック」と命名することが難しい?
今回の株価急落の原因に関しては様々な見解がありますが、米国景気の下振れに伴う世界景気減速に対する懸念が大きいようです。確かに、米国株も大きく下落しており、世界景気減速の引き鉄を引くパターンなのかもしれません。
ただ、直近数年間で起きた株価急落は、「チャイナショック」「ギリシャショック」「ブレグジットショック」「新興国ショック」のようにハッキリと命名できましたが、今回は「〇〇ショック」というフレーズが出てこないのが特徴です。
この「〇〇」に入る言葉は何でしょうか? 恐らく、時間が経つとその答え(あるいは無理矢理こじつけた言葉)が広く浸透するはずですが、今はまだわかりません。
主要株式市場の年初来騰落率を見ると大変なことが起きている!
ところで、今回の世界的な株価急落において、日本株には株価下落以上に大きな衝撃が走っています。まずは、主要市場の年初来からの騰落率を見てみましょう。騰落率は昨年末終値と直近終値の比較であり、カッコ内は年後半の騰落率、つまり、6月末終値との比較です。
【ブラジル】ボベスパ指数:+12.2% (+17.8%)
【インド】ムンバイSENSEX:+4.1% (+0.1%)
【米国】Nasdaq指数:▲10.3% (▲17.5%)
【米国】NYダウ:▲11.8% (▲10.2%)
【英国】FTSE100:▲13.0% (▲12.5%)
【香港】香港ハンセン指数:▲14.3% (▲11.4%)
【日本】日経平均株価:▲15.9% (▲14.1%)
【ドイツ】DAX指数:▲17.7% (▲13.6%)
【日本】TOPIX:▲22.1% (▲18.2%)
【中国】上海総合指数:▲24.3% (▲12.0%)
気が付くと中国株の下落率に接近していた日本株
何と、日本株の下落率は、今年前半に“独り負け”だった中国株に迫っているのです。
日経平均株価はまだ中国株と差があるものの、東証全体の動きを示すTOPIXはごくわずかな差に縮まりました。それどころか、足元の状況(円高進行等)を勘案すると、最終的な年間騰落率において、TOPIXが中国株に逆転されて最下位になる可能性もあるのです。“まさか!?”と愕然としている人もいるでしょう。
年前半に“独り負け”だった中国株に逆転される可能性も
ここで、今年前半をもう一度思い起こしてみましょう。中国は、一昨年から顕在化した景況感の悪化に加え、トランプ大統領が主導する米中貿易摩擦の影響により、株価は大幅下落となっていました。“チャイナショックの再来か?”とも言われた通り、正しく中国株の“独り負け”だったのです。
一方の日本株は、“米中貿易摩擦で漁夫の利を得る”、“好調な企業業績が続く”、“世界経済成長の牽引役になる”等と持ち上げられていました。確かに、日本株(日経平均株価)は10月初旬に高値更新となりましたが、現在の株価を見る限り、こうした評価が正しかったのか疑問が残ります。
しかし、現実には日本株が、前半“独り負け”だった中国株式市場のパフォーマンスに限りなく接近しているのです。特に、年後半は日本株が“独り負け”に近い状況と言えなくもありません。
適正水準から乖離しているのは現在の株価急落か、それとも?
金融市場では「株価は経済の先行きを映す鏡」と言われますが、これは概ね正しい見方と考えられます。しかしながら、株価は様々な思惑で変動するため、適正水準から大きく乖離することも決して珍しくありません。これを踏まえて、現在の日本株の水準をどう見たらいいのでしょうか?
直近の日本株下落は実態から大きく乖離したものであると考える人は多いはずです。一方で、高値を付けた3カ月前こそが実態から大きく乖離したものだったと分析する人も少なくないかもしれません。その答えは、来年2019年の春頃になれば明らかになるでしょう。その答えが前者であることを切に祈るばかりです。
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