子どもに「教え過ぎてしまうこと」の弊害とは?
LIMO / 2019年1月8日 10時45分
![子どもに「教え過ぎてしまうこと」の弊害とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_9135_0-small.jpg)
子どもに「教え過ぎてしまうこと」の弊害とは?
「子どもは何も分からないのだから、親がきちんと教え、言って聞かせねばならない」と思っていませんか。何でも教えてあげれば「しっかりしたお母さん」のように見え、自身の育児に安堵感も感じますよね。
一方で、「教え過ぎることの弊害」も知っておくと良いでしょう。親は子どもに教える必要はありますが、教え過ぎるがゆえに、子どもから奪ってしまうものもあるのです。そしてこれから人工知能が発達する時代では、教え過ぎは必ずしも正解とは言えなくなるでしょう。まずは具体例から見てみましょう。
学校に忘れ物をするのは悪いこと?
「教え過ぎの弊害」を実感するために、まずは2人の具体例をご紹介します。
小学生のAさんは、学校に忘れ物をしたことがありません。毎晩お母さんが「明日の用意は? 教科書は用意したの? 鉛筆は削った?」と声をかけてくれるからです。忘れ物をしないので、学校では授業に集中できます。忘れ物をしないと先生にも褒められるので、自慢の一つとなっています。
一方でBさんは、今日国語の教科書を忘れてしまいました。その日は先生に注意され、隣の子に机をくっつけて教科書を見せてもらいました。1冊の本を2人で共有するのでは内容が見えにくく、授業にあまり集中できませんでした。隣の席の友達も、嬉しそうではありませんでした。
家に帰り、「明日は忘れないようにしよう」と思います。「いつも寝る前に音読をして、そのまま机に教科書を置いてしまうから、宿題の後にすぐ音読をして、そのままランドセルにしまおう」と考えて、実行するようになりました。
Aさんの場合、表面上しっかりしていますが、全てお母さん主導です。一方でBさんは失敗してしまいましたが、自分で「忘れ物をしない」と決め、忘れないための工夫をし、行動をコントロールしました。こうした小さなことでも自分で決めたことを毎日実行すると、自信となります。
親としては子どもに失敗をさせたくないですし、学校でも良い印象を与えたいものです。しかし失敗から学ぶものは思った以上に大きく、また、子どもを伸ばしてくれるのです。
教えてもらうと自分で考えなくなる
Aさんの親のように教え過ぎる場合、子どもは「受け身、純朴、言われた通りにしかできない、自分がやりたいことが分からない」ようになるでしょう。一方でBさんは「失敗の後に取るべき行動が分かる、自分の頭で考える、自制心がつく、自信がつく」ようになります。
そうはいっても、今の私たち親世代は「親は子どもにきちんと教えるべき」という概念を強く抱いており、そこからなかなか抜けきれません。今の祖父母世代では会社勤めの方が多く、言われたことを言われた通りやることが良いことでしたし、それでうまくいきました。
一方で増えているのが、「大人になっても自分が何をしたいのか分からない人」です。以前、子育ての専門家に「親が完璧だと、子どもは自分で考える必要がないのも一因です」と聞きました。上記の例を見ても、それは想像できます。
人工知能が台頭し、人間らしさが求められるこれからの時代には、子どもに教え過ぎることは必ずしも良いとは言えなくなるでしょう。
その子の成長に合わせ、教え過ぎない
子どもに教え過ぎてはいけないからと、急に教えないのもまた違います。教え「過ぎ」が良くないのであり、たとえば入学したばかりの小学1年生の子に学校の用意を1人でさせても、「教えてもらわなければ分からない」ので教えるべきでしょう。
幼児期も同じで、たとえば花の名前やお箸の使い方など「教えてもらわなければ分からないこと」もあれば、「ケガや病気、命の危険性があること」「他人や物を傷付ける危険性があること」もあります。こういったことは子どもが分かりやすいように、繰り返し言ったり、実際に見せて教えます。
一方で、子どもが自ら気付くのを待っていいこともたくさんあります。特に遊びの世界やしつけについてもそういうケースがあるものです。たとえば友達が泣いたり、味噌汁をこぼしたなどの失敗は学びの良い機会で、すぐに教えるのでなく「どうしたらいいと思う?」と聞くと、3歳児でも多くの答えを知っていることがあります。
学校の用意なども、慣れてきたら子どもに任せましょう。忘れ物をするのも、また一つの社会経験です。初めは教えても、少しずつ子どもにさせて最後まで責任を取らせることで、多くの学びを得るでしょう。
教わって育った親世代にとっては、教え過ぎないというのは辛いところですが、「この子はどう考えるかな?」という視点で見てみると良いでしょう。
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