攻めるインテル、19年も高水準の設備投資継続へ
LIMO / 2019年1月8日 20時0分
攻めるインテル、19年も高水準の設備投資継続へ
オレゴンなど各工場でクリーンルーム拡張、アリゾナも投資再開
半導体メーカー大手のインテルは、2019年も高水準の設備投資を継続する構えだ。メモリーを中心に主要半導体メーカーが軒並み19年の設備投資金額を前年比減少させるなか、大手企業のなかでは唯一気を吐く。CPUの供給不足解消に向けた先端ロジック投資を継続するほか、独自の不揮発性メモリーである「3D-Xpoint(3DXP)メモリー」の新拠点設立も進める。
18年売上見通しも上方修正
インテルは大手半導体メーカーのなかでも、足元では設備投資拡大を推し進める数少ない企業の1社だ。年初計画140億ドルからガイダンスを2度引き上げ、現在は155億ドルを計画している。18年通年売上高も、最新の予想では年初計画の650億ドルを大幅に上回る712億ドル(前年比13%増)を見込んでおり、業績見通しは明るい。
18年9月28日には、同社の暫定CEOであるBob Swan氏が書簡を発表。CPU供給不足を説明し、これを解消するために10億ドルの追加投資を行うと表明した。現在、主力工場のアリゾナ、オレゴン、アイルランド、イスラエルにおいて14nmの能力拡張に向けた投資を行っている。
12月17日には改めて、製造戦略に関する進捗状況を報告。オレゴン(D1D/D1X)、イスラエル(Fab28)、アイルランド(Fab24)でファブスペースの拡張計画を行うことも明らかにし、19年から複数年にわたって投資が行われる見通しだ。
同社によれば、クリーンルームが追加されることで、供給能力増加に向けたリードタイムを約60%短縮することができるという。また、今回の投資は自社製品向けの生産能力だけでなく、注力するファンドリー事業にも充てていく考えだ。
アリゾナ州の「Fab42」に関しても投資計画を実行に移していく。Fab42はもともと14nmの量産工場として13年末に工場建屋が完成していたが、需要の低迷や微細化スケジュールの遅れなどにより、稼働を延期していた。
17年2月にはFab42の投資を再開すると発表。7nmの主力工場として70億ドル以上を投じ、3~4年後の生産開始を目指すとしていた。7nmプロセスではEUVリソグラフィーが適用される見通しで、19年から設備導入が本格化することになりそうだ。
ニューメキシコを次世代メモリー工場に
加えて、今回新たにニューメキシコ(Fab11X)でも、3DXPをはじめとする次世代ストレージならびにメモリーの開発・量産を行うことを決めた。同工場はもともと45/32nm世代のMPU生産などを手がけていたが、今後はメモリー量産拠点として生まれ変わることになる。
インテルはもともと、3DXPにおいて米マイクロンテクノロジーと協業し、ユタ州リーハイにあるIMフラッシュテクノロジーズ(Fab2)で合弁事業として量産を行っていたが、18年10月に合弁解消を発表。同工場は今後マイクロンの100%子会社として運営され、インテルは生産委託のかたちを取り供給を受ける。契約では最大1年間、マイクロンはインテルに対し、3DXPのウエハーを販売することが決められているが、新たにインテル自らが自社拠点を設ける可能性が指摘されており、今回ニューメキシコでの立ち上げが決まった。
インテルの19年設備投資金額は明らかにされていないが、現在の投資計画を考慮すれば、前年比で横ばい~増加は十分に期待できる状況といえそうだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
TSMC、通年の売上高見通し上方修正 「AI非常にホット」
ロイター / 2024年7月18日 19時11分
-
半導体新技術「日本は先行している」は愚かな妄想。次はお家芸の装置・材料が狙われる?
Finasee / 2024年7月17日 16時0分
-
予想を上回る2nmプロセス需要、TSMCが台南にも新ファブ建設か? 台湾メディア報道
マイナビニュース / 2024年7月2日 10時22分
-
台湾半導体「TSMC」、経営トップが6年ぶりに交代 劉徳音氏が会長を退任、社長の魏哲家氏が兼務
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 17時0分
-
マイクロン、3─5月売上高が予想上回る 見通し精彩欠き株価7%安
ロイター / 2024年6月27日 8時14分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3「なだ万」、オノデラに売却=外食から撤退―アサヒGHD
時事通信 / 2024年7月25日 21時11分
-
4再送-NY外為市場=円が対ドルで一時2カ月半ぶり高値、米GDP受け伸び悩み
ロイター / 2024年7月26日 6時40分
-
5スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください