単身者が老後に向けて必要な貯蓄額とは
LIMO / 2019年1月25日 7時0分
単身者が老後に向けて必要な貯蓄額とは
【独身女性編】公開データからみた分析と試算
単身者は老後資金としてどのくらい貯蓄を行っておくべきなのでしょうか。今回は単身世帯の生活費の実態を調査していくことで、特に独身女性が老後に必要な貯蓄金額をみていきたいと思います。また、老後貯蓄に向く方法もご紹介していきます。
独身女性は老後のためにどのくらい貯蓄すれば良いか
独身女性は老後のためにどのくらい貯蓄すれば良いのかを考えていきたいと思います。
まず、老後の生活費の平均額と平均年金支給額を確認してみましょう。
老後に必要な資金は、以下のように定義します。
(老後における毎月の生活費の平均額-平均年金月額支給額)×必要年数=持ち出し金額合計
この「持ち出し金額合計」をもとに、独身女性が老後のために必要な貯蓄金額を算出していきましょう。
老後の生活費の平均額はいくらか
総務省の「家計調査報告(家計収支編)平成29年」によれば、単身世帯の60歳以上の消費支出は14万8358円となっています。この消費支出を1か月に必要な生活費としておき、老後の生活には約15万円が必要だとしましょう。
生活費には様々なものが含まれますが、家賃などはどう考えればよいのでしょうか。
ちなみに、60歳以上の単身世帯の持家率は80.4%とかなりの世帯で持家だということも見えてきます。現在見ている数値については、大きく見れば持家が前提であるということは頭に入れておいた方が良さそうです。
平均年金支給額はいくらか
さて、老後のインフローの中心である年金収入について見てみましょう。
厚生労働省の「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者の状況推移(女子)を見ると、平成27年度の65歳以上では、平均年金月額が10万9180円となっており、毎月約11万円の年金を受給していることが分かります。
この厚生年金保険も、現役世代における就業状況によっても異なりますので、ここはあくまでも平均値であるということにはご留意ください。
持ち出し金額合計の算出
毎月の持ち出し金額は(老後の毎月の生活費の平均額)-(平均年金月額支給額)で算出されます。
ここまで見てきた数値で毎月の持ち出し金額を計算すると以下のようになります。
15万円-11万円=4万円
このように、毎月4万円が持ち出し金額になることが分かります。
また、定年退職が60歳で90歳まで生活があると仮定し、老後の必要貯蓄額を算出します。
以下のような計算となります。
4万円×12か月×30年間=1440万円
実際には、平均寿命はあくまでも平均ですし、年齢が増すにしたがって、生活水準も変わっていくでしょう。また、健康寿命という概念もあり、個人個人で健康状態も一様ではありません。
ここで毎月の持ち出し金額は一定と仮定している点については、皆さんの状況に応じて検討が必要な領域かもしれません。ただし、今回の前提においては、独身女性の老後貯蓄必要額は1440万円だということが分かります。
独身女性の老後貯蓄の貯め方
独身女性の老後貯蓄必要額の算出方法について整理したところで、実際どのように貯蓄をしていけば良いのでしょうか。ここではおススメの貯蓄方法をご紹介していきます。
まず、十分に検討に値するのが「NISA(ニーサ)」です。「NISA(ニーサ)」や「つみたてNISA」を利用することで非課税枠を活用することができます。
これまで投資をしたことがないという人は、投資信託を通じて投資を行う「つみたてNISA」が便利かもしれません。つみたてNISAは金融庁が適格として認められたファンド(投資信託)のみがラインナップされていますので、運用費用としての信託報酬等の基準で、投資家にとって悪くはない選択肢の中から投資を始めることができます。
また、確定拠出年金であるiDeCoを利用できる方は、ぜひ活用を検討されてみてはいかがでしょうか。
iDeCoの最大のメリットは掛金が全額所得控除の対象になることです。掛金を拠出している期間はそのメリットを享受することができます。また、運用時の運用益は非課税となります。そして受取時に一時金、もしくは年金のどちらを選択しても控除があります。iDeCoでは、一般的に「3段階」でメリットがあるといわれています。
まとめにかえて
今回は実際に独身女性が必要な老後貯蓄金額を分析してきました。将来的に必要な老後に向けての貯蓄額がお分かりいただけたと思います。ここまで見てきたようにNISAやiDeCoなど、税制面で優遇される有利な貯蓄方法もありますので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
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