第一希望の保育園に入園するために、自営業ママがやったこと
LIMO / 2019年1月27日 6時0分
第一希望の保育園に入園するために、自営業ママがやったこと
毎年1月から2月にかけてのこの時期は、来年度からの認可保育園入園の選考結果が送られてきます。育休が明け、4月からの仕事復帰を目指すママにとっては、死活問題とも言える保育園入園。合格通知を受け取るまで、不安な日々を過ごしている人も多いでしょう。
保育園入園に関してはそれなりに激戦区と言われる都内近郊に住む筆者のもとにも、先日選考結果が送られ、無事に4月から第一希望の保育園に入園できることが決まりました。自営業者、駅前の保育園、6人の定員の0歳児枠と、かなりハードルが高かったものの、入園できたのはそれなりの策を講じたからだと思います。
そこで今回は、筆者が行った保活についてお伝えします。なお、これはあくまで筆者の地域のケースですので、すべての自治体で同じ基準を設けているとは限らないことをご了承ください。
会社員ママを想定している現在の保育園
働きながら子育てをする世帯にとって、第一に子どもの預け先として考えるのが近所の認可保育園。しかし現在の保育園は、会社員の親が利用することを想定しています。自営業者は基本的に、「家や職場で仕事をしながら子育てもできる」と見なされ、保育の必要性が低いと思われてしまうのです。
それは選考に関わる点数にも表れています。筆者の地域の選考基準指数表では、就労時間や持病、介護といった基礎指数(基準点数)は自営業ママでも会社員ママでも同じ状況であれば同じ点数をもらえます。
一方、きょうだいの有無や保護者の状況に応じて点数がもらえる付加指数(調整点数)では、「産前産後休業中又は育児休業中」であれば、自動的に1~2点もらうことができます。しかし、産休や育休という概念がない自営業ママは、この点数がもらえません。
1点2点が合否を左右する保活において、自営業者が不利と言われるのはこの点です。夫が会社員、勤務時間も同じという同条件だとしても、死別や未婚、夫が単身赴任、生活保護受給といった特定の条件がなければ、自営業ママは会社員ママよりも点数を高くすることができないのです。
保活をスタートしたばかりの時に、この事実を知った筆者。普通に申し込みをしただけでは、希望する園に入園することはほぼ不可能であることを知ります。
3週間で8万円をかけて一時預かりを利用
そこで保育園の利用手引きや指数表をくまなく読み込むと、付加指数に「一時預かり利用中(直近1か月の利用が10回以上)…2点」という項目を発見。一時保育を行っている保育園で一時預かりを1カ月の間に10回利用すれば、2点がもらえるというのです。これは、現在進行形で保育が必要であることを証明するもの。
そこで近郊にある保育園20か所ほどに片っ端から電話したところ、いずれも「定員に余裕がなく、一時保育を受け付けていません」「受付はできますが順番待ちです」という返答。一時保育でさえ子どもを預けることのできない現状を知り、再び保活に暗雲が立ち込めました。
そこで役所に直接出向き、「保育園の利用ではなくベビーシッターでも一時預かり扱いになるのか」と問い合わせた筆者。すると、「ベビーシッターを利用した証明となる領収書を提出してもらえれば、選考に加味できます」との返答が! かくして筆者は、ベビーシッターを利用することで保活を乗り切ろうと決意しました。
その時点で申し込み期限まで残り3週間を切っていました。そこからネットでベビーシッターを探し、3週間の中で2時間~3時間ずつ10回利用。この保活に使ったベビーシッター代はトータルで7万~8万円ほどでしたが、今後5年間もの間第一希望の保育園に預けて仕事をできることを考えれば必要経費とも言えるものでした。
すべての働く人が平等に利用しやすい保育園に
その後、11月中旬にベビーシッターを利用した領収書10枚を含む他の必要書類とともに申し込み、1月下旬に第一希望の保育園から合格通知を受け取った筆者。保育園に不利と言われる自営業者が、何とか保活を乗り切ることができたのです。
今回初めての保活を通し、会社員、派遣、自営業、パート、アルバイトと各家庭や個人の事情によって働き方が多様化する中で、働く親のセーフティネットである保育園が特定の働き方を想定していることに大きな疑問を感じました。
現在は、保育園入園のために書面上は離婚したことにするペーパー離婚や、就業中よりも圧倒的に不利な求職活動中のために、働いていないのに働いていることにする書類偽装など、保活に関するさまざまな抜け道が珍しくありません。筆者のように規定の条件下で点数を上げていくことも、ある程度の限界があります。
どんな働き方であっても、今後働く意思があるという人であっても、誰もが1点をもぎとるためにさまざまな苦労することなく保育園に預けられなければ、子育てに優しい社会とは決して言えないでしょう。
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