世界で一番バイクを生産しているのは意外にもあの国
LIMO / 2019年1月29日 20時20分
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世界で一番バイクを生産しているのは意外にもあの国
日本のバイク離れに歯止めはかかるのか?
世界中で愛され続ける日本のバイク
ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4大メーカーのバイクは、世界中で愛され趣味や仕事の利用だけでなく、レースシーンでも大活躍しているのはご存じの通り。しかし、二輪車の生産台数に目を向けると、ちょっと様子が違ってくる。
日本自動車工業会の調べによると、2016年度の二輪車生産台数が多い国から順に、インド(約1,992万台)、中国(約1,682万台)、タイ(約182万台)、パキスタン(約149万台)、台湾(約121万台)、フィリピン(約104万台)、ブラジル(約88万台)、インドネシア(約56万台)、日本(約39万台)と、インドは日本の51倍も二輪車を生産している。中国は2008年頃までは2,500万台を生産していたが、2014年頃からインドに逆転されている。
日本の二輪車メーカーの現地生産工場数は、中国がトップで、インド、インドネシア、フィリピン、ブラジル、ベトナムと続き、日本メーカーの二輪車やスクーターの一部は海外で生産されて日本に輸入されているのだ。
バイク普及率は東南アジア勢が高い
今度は普及率(1台あたりの人口)で見ると、インドネシア、マレーシア、タイが同数で、国民の3人に1台が普及している。イタリアは7人、スペインは9人、日本は11人で、多そうだった中国では17人という結果になった。
一昔前の中国は自転車大国で、そのあとは二輪車に移行し、今では世界一のEV大国へと変化したからだ。中国のEVメーカーは500社以上もあり、世界中のEVの4割は中国が保有していると言われている。
アジア人オートバイレーサーの発掘、育成も盛況
次にオートバイレーサーを見ると、生きる伝説であるバレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」では、若手ライダーの発掘、育成を行っている。今まで多くのアジア人ライダーが選抜されてきていて、昨年開催された6回目では、マレーシアから2人、インドネシアから1人、日本から1人が参加。
アジアのサーキットも整備されてきていて、マレーシアにある「セパン・インターナショナル・サーキット」では、MotoGPやスーパーバイク世界選手権がすでに開催されている。
また、タイの「ブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキット」では、2015年からスーパーバイク世界選手権、2018年からはMotoGPも開催。さらにインドネシアでは、2021年にはロンボク島にあるストリートサーキットで、MotoGPが開催されるかもしれないのだ。
国内はリターンライダーが頼みの綱
東南アジアを中心に二輪車人気は急上昇中で、冷え込んでしまった日本市場とは真逆の状況にある。日本では1970年代後半から始まった、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という、いま考えても大きな疑問が残る「三ない運動」や、二輪車、特に原付きに厳しい道交法のせいで、二輪車の販売台数やライダーが激減してしまった。
さらに少子化やライフスタイルの変化、二輪車価格の割高感などが加わり、国内の二輪車販売台数は1980年に約237万台だったのが、1990年には約161万台、2000年には約77万台、2010年には約38万台にまで落ち込んでいる。
いまや、かつてバイクに乗っていたリターンライダーが頼みの綱なのだ。しかし、今の若い世代がバイクに興味や憧れを持ち、さらに乗ってもらわない以上、今後はリターンライダーという言葉すら消滅していくだろう。
タイ王国メーカーのバイクを日本で発売
そんな状況のなか、二輪車普及率世界トップであるタイのメーカーであるGPXが、日本市場に参入すると発表した。タイ国内での2018年度の二輪車販売台数のシェアとしては、ホンダ約140万台、ヤマハ約27万台、GPX約3万台、スズキ約2万台となっていて、GPXはタイでは有名なメーカーなのだ。
GPXでは日本総代理店としてGPX JAPANを設立し、さらに全国に販売代理店11店舗を展開し、今後は50店舗を目指するという。
代表取締役の月木博康氏は、「東南アジアで主流の150ccを2種、200ccを1種の計3機種をまずは販売し、年間1,000台の販売を目指しています。扱いやすいサイズ、リーズナブルな価格設定ということもあり、気軽に誰が乗っても楽しめ、バイクに乗っていない層やシニアライダーにも乗ってほしい」と語る。
3月22日に開催される「東京モーターサイクルショー2019」において、今回発表した3機種のバイクが展示されるので、興味がある方は確かめてみるといいだろう。
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