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若者の「セックス離れ」は日本だけじゃない! 原因は何?

LIMO / 2019年2月3日 19時45分

若者の「セックス離れ」は日本だけじゃない! 原因は何?

若者の「セックス離れ」は日本だけじゃない! 原因は何?

夫婦間の性交渉がない状態を指す「セックスレス」という言葉が報告され始めたのは1991年といわれています。その後、30年近くが経ち、未婚男女も含めた「セックス離れ」という言葉がしばしば聞かれるようになりました。

10代~20代のセックス離れは日本に限ったことではなく、ヨーロッパやアメリカでも起こりつつあるといいます。進化の過程で繁殖期が消え、建前上はいつでもセックスできるようになった、成熟したヒトの性欲。じつはそれが、「繊細で扱いにくいもの」だとしたら?

親が子に求める「正しさ」と「恋愛」は水と油?

アメリカのオピニオン誌『The Atlantic』の記事によれば、アメリカにおいて、セックス経験のある高校生の割合が1991年は54.1%だったのに対し、2015年は41.2%に低下。初めて性経験を持つ年齢が遅くなる傾向があり、類似の現象がオランダやスウェーデン、日本においても見受けられると指摘しています。

同時にアメリカでは十代の女性が望まぬ妊娠をする件数が減っており、一見、良い傾向であるように思えます。

一方で、同誌は若年層の「セックス離れ」という現象が、性経験に至るまでの親密な人間関係を築くプロセスに変化が生じているために起こっていると仮定。

社会の閉塞感によって、親が子どもに良い人生を歩ませようと多くを求めすぎる傾向にあり、子どもが恋愛に使える時間が減ったり、恋愛に価値を見いだせなくなる状況を指摘しています。

親が子に求める「正しさ」と、損得勘定抜きの親密な関係を築くことは、時に相容れないことがあります。たとえば、仮に「セックスフレンド」を作ることができたとしても、「インフルエンザにかかったら温かいスープを届けてあげられるような関係を築くこと」は、難しくなりつつあるというのです。

てっとり早く答えを出し、学業や社会で「勝つ」ことが評価される中で、正解がなく、与えるより奪われるかもしれない恋愛や、それに続くセックスは、面倒で、割に合わないものと感じるのも無理はないのかもしれません。

「あふれる情報」によって「愛あるセックス」が遠ざかる?

前出の『The Atlantic』誌では、さらに、若年層のセックス離れについて、以下のような原因を仮説としてあげています。

・気軽にアダルトコンテンツにアクセスでき、自分で性欲処理をする機会が増えた

・情報過多のために男女ともに「理想の体型」「理想の性器のサイズや形」に縛られ、自分の体に自信を持つことができない

・出会い系アプリで性的対象の「好みのスペック」を選んで、愛情関係を結ばないその場限りのセックスの機会で満足してしまう

・自分本位で「痛くて気持ちよくないセックス」からの逃避

日本の17歳~19歳を対象とした『18歳意識調査』によれば、性に関する情報源として最も多かったのが、「Webサイト」(55.8%)。「教師」(16.4%)や「家族」(5.4%)よりもインターネット上で情報収集をしている男女が多いという結果になっています。

ところが、1つ問題をあげるとすれば、インターネット上のセックスが、現実の世界では「正解」とは限らないことです。

東洋、西洋問わず、多くの人が視聴し、場合によっては「セックスの教科書」となっているアダルトコンテンツには、繊細な女性の膣をかきまわしたり、避妊具なしで強引に性交するなど、性器を道具のように扱う「親密なセックス」とはかけ離れたシーンが見受けられます。

それらを参考にした場合、恋人を傷つける可能性があるし、自分も思ったような快楽を得られない……という事実にさえ、セックスする相手とある程度親密な関係を築かなければ、知ることができない可能性があります。

「年長者のセックスの意見は偏ってる」という声も

今回ご紹介した『The Atlantic』の記事へのツイッター上の反応はさまざまで、「セックスと喜びについての年長者の意見は、偏っていて参考にならない」「若者がセックスしすぎると“しすぎ”と言われ、しないと“しなさすぎ”と言われる。正しい頻度がわからないよ」「多分、誰だってセックスは得意じゃないんだ」といった意見が書き込まれています。

確かに、30代以上の男女の性愛のあり方が、若者のお手本になっているとは言えません。

それに、しばしばおじさん世代の「セックスの頻度や経験人数自慢」が、ひどく空々しく聞こえることもあるでしょう。

<やり方や体の仕組みより、相手のことを尊重して人を想うことの学習が大事だと思う>

<日本は他国と比べて保健体育の授業内容が足りてない。小学校の時に少し習ったが、結局自分で調べて知るまで何も分からなかった>

というのは、『18歳意識調査』の中の17歳~19歳男子からの学校の性教育への意見。

『The Atlantic』誌によれば、ノースウェスト大学の超人気講義「マリアージュ101」を通じて、愛や性、そして結婚について深く学ぶことで、全てが幸せな結末を迎えるわけではないにせよ、受講生の多くが恋愛関係を築くに至ったといいます。

社会はものすごいスピードで変化しつつあり、大人にとっても、愛の見えにくい時代となっています。恋愛やセックスは決して幸せの手段ではありませんが、誰かを傷つけることがないよう、「誰かを愛すること」を学ぶのは、成熟前の男女にとって必要なことなのかもしれません。

【参考】
「Why Are Young People Having So Little Sex?(https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2018/12/the-sex-recession/573949/)」(The Atlantic)
「18歳意識調査「第6回 - セックス -」調査報告書(https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey/img/20.pdf)」(日本財団)

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