各地で出没する「飛び出し坊や」にチェブラーシカが仲間入り
LIMO / 2019年2月3日 8時30分
![各地で出没する「飛び出し坊や」にチェブラーシカが仲間入り](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_9534_0-small.jpg)
各地で出没する「飛び出し坊や」にチェブラーシカが仲間入り
50体限定の「チェブラーシカ飛び出し注意看板」
人気キャラクターのチェブラーシカは、「ばったり倒れ屋さん=チェブラーシカ」と名付けられた、サルでもクマでもない不思議な男の子。そのチェブラーシカの映像化50周年の特別記念商品として、「チェブラーシカ飛び出し注意看板」が5体限定で先行販売される。
サイズは高さ(土台含む)約60cm、幅約47cmで、販売場所はTHANKS FRIENDS! チェブラーシカ POP UP SHOP (丸井吉祥寺店)。販売価格は6万円(税別)。
飛び出し注意の看板「とび太くん」を世に広めた「久田工芸(滋賀県東近江市)」の協力のもと、株式会社ヘソプロダクションから販売。手描きでのデザイン起こしから、手塗りでの色付けなど作業はすべて手作業で丹精込めて約2カ月の制作期間で完成させた。
50体限定とはいえ、一体一体手作りで制作するため、スケジュールの調整が必要で今後の販売方法については検討中とのことだ。
交通安全の看板は自発的に設置されている
飛び出し注意の看板は、ドライバーに対して子どもやお年寄りによる道路への飛び出し注意を訴えるものとして作られた。飛び出し注意の看板には、シンプルな文字だけのものから、園児、男の子、女の子、おばあさんのイラストや立体のもの、アニメキャラクターを借用したものなど、さまざまなタイプが存在する。設置は警察ではなく、交通安全協会、社会福祉協議会、町内会・自治会などが自発的に行っている。
人間の形にデザインされた飛び出し注意の看板は「飛び出し坊や」「とび太くん」「飛び出し君」「飛び出し小僧」「飛び出し人形」などといった愛称で呼ばれることが多く、そのなかでも有名なのが、久田工芸の久田泰平さんの手によって誕生した「とび太くん(本名:飛出とび太)」だ。イラストレーターのみうらじゅん氏が注目したことで、その存在が世に知れ渡り話題になった。
大きな目で「運転に気をつけて」とアピールする「とび太くん」は、走っている男の子の人型に合板をカットして、フリーハンドでていねいに色塗りして仕上げるため一体一体に個性がある。「とび太くん」を支える柱の裏には、設置寄贈者の名前が記されることが多い。またオリジナル以外にもいろいろなバージョンが存在し、さらには着ぐるみが登場したり、グッズ販売もあって「とび太くん」は一躍人気者になった。
ちなみに、「とび太くん」には妹がいたのだが、片方の眉毛しかないルックスに子どもたちが怖がり撤去されてしまった。
飛び出し坊やの発祥の地は滋賀県
高度経済成長期であった昭和30、40年代にはモータリゼーションが進み、それにともない交通事故も急増し、交通戦争という言葉が使われるようになった。その頃に誕生したのが「飛び出し坊や」で、西日本、とくに近畿地方に多く設置されていて、最初に制作したのは滋賀県にある「久田工芸」という説が有力だ。
実際に滋賀県には多くの「飛び出し坊や」がいて、全国一の設置数だと言われている。「飛び出し坊や」は各団体、協会が自発的に設置していることや、撤去されたもの、直射日光や雨風にさらされて朽ち果てているものもあるため、設置数を把握するのは困難だ。
「飛び出し坊や」が交通事故数の減少に効果があったかどうかは統計的には証明されていない。しかし町中で「飛び出し坊や」の姿を見るたびに、ドライバーは「いつどこから人が飛び出してくるかもしれない」、子どもや高齢者は「道路に飛び出してはいけない」という考えが潜在意識に働いているのは間違いないだろう。
「飛び出し坊や」が主に生息しているのは村や古くからある集落だが、最近では過疎化や急激な少子高齢化もあって、子どもが飛び出すこと自体が減った。しかし、今度は高齢者の飛び出しや無謀な横断が問題になっている。そのため「飛び出しおばあさん」「飛び出しおじいさん」が増えつつある。
今回発売される「チェブラーシカ」を町中で発見しても、よそ見運転には注意したい。
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