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東京エレクトロン、19年前工程装置市場を最大2割減と予想

LIMO / 2019年2月5日 8時0分

東京エレクトロン、19年前工程装置市場を最大2割減と予想

東京エレクトロン、19年前工程装置市場を最大2割減と予想

NAND向けは5割減と厳しい見方

 半導体製造装置メーカー大手の東京エレクトロン(TEL)は、2018年度第3四半期(10~12月)決算にあわせ、19年の半導体前工程装置(Wafer Fab Equipment=WFE)市場は前年比15~20%減になるとの見通しを明らかにした。メモリー投資が減少、なかでも主にNANDフラッシュで構成されるNVM(Non Volatile Memory=NVM)は同5割減と厳しい見方をしている。

競合の米ラムリサーチも同様の想定

 同社は19年のWFE市場をおよそ450億~470億ドル程度と見込んでおり、アプリケーション別ではロジック/ファンドリーが前年比約25%増、DRAMが同約30%減、NANDなどで構成されるNVMは同50%減を予想する。足元で大きな調整が行われているメモリー投資は年後半からの回復に期待を寄せる。競合の米ラムリサーチも前年比で10%台半ば~後半の減少と見込んでおり、この減少幅が業界内での1つのコンセンサスとなっている。

 ただ、両者で少しトーンが違うのが下期の見方だ。TELは下期からの投資回復を期待する一方、ラムは「顧客との対話をもとに、19年は年間通じてメモリー投資は顕著に回復しない」(CFOのDong Bettinger氏)と悲観的なコメントを残している。TELは下期回復について、メモリーとは限定していないものの、両社の違いが見て取れる決算内容となった。

4~12月期のSPE部門は2割増収

 TELの18年度第3四半期(18年4~12月)業績のうち、主力のSPE(半導体製造装置)部門は、売上高が前年同期比20%増の8779億円となった。18年10月の第2四半期決算時に通期業績の下方修正を行っており、SPE部門は当初の1兆2880億円から1兆1698億円に見直された。第3四半期の四半期ベースでのSPEの新規装置売上高は、前四半期比40%減の1698億円と大きな落ち込みとなったが、メモリー投資の減少に加え、大手ロジック顧客の売り上げが第2四半期に前倒しで計上されたことによる反動減もあったという。

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拡大する(/mwimgs/5/d/-/img_5d64d07420d457dfebb331624d56ad9f52801.png)

 地域別では韓国向けの売り上げ減少が目立つ。18年1~3月期をピークに減少傾向にあるほか、期待されていた中国向けも米中貿易摩擦の影響や、新興メモリーメーカーへの投資計画見直しなどにより、当初見込みを下回っているものとみられる。

2社の1~3月期予想の違いは検収基準と顧客ミックス

 TELでは第2四半期決算時に発表した修正予想から今回再度の修正は行っておらず、第4四半期のSPE部門の新規売上高は前四半期比36%増の2302億円と大きな増加を見込む。ラムの1~3月期売上高が同5%減と減収を予想しているとは大きな開きがあるが、これは北米ロジックの顧客ミックスがTELの方が比較的高いことや、売り上げ認識基準の違いによるものとみられる。

 売上高の計上はTELが顧客ラインでの設置基準ベースであるのに対し、ラムリサーチは出荷高に近いタイミングで行っている。このため、ラムリサーチは10~12月期に前四半期比増収を記録している。さらに、過去の傾向からTELは会計上、第2四半期(7~9月)、第4四半期に売り上げが集中することも大きな理由の1つだ。

 半期ベースで見ると、こうした検収基準の違いによる差はおおむね解消され、TELは上期(18年4~9月)から下期(18年10月~19年3月)にかけての増減率が17%減、ラムリサーチが8%減となる見通しだ。

アドバンテストは今期2度目の上方修正

 TEL以外の国内半導体装置メーカー各社の直近決算に目を向けると、それぞれ異なる事情で業績の上方・下方修正が入り乱れる格好となっている。

 国内主要企業で業績の上方修正を行ったのがテスター大手のアドバンテストで、上方修正は第2四半期に次いで今期2度目。18年度第3四半期(10~12月)決算発表にあわせ、売上高を2650億円から2780億円(前年度比34%増)、営業利益を530億円から630億円(同2.6倍)に引き上げた。受注高は従来比100億円増の2650億円(同7%増)を計画する。ハイエンドスマートフォン向けプロセッサーの高性能化に伴うSoCテスターの需要拡大に加え、スマホ向けに採用拡大が進むTDDI(Touch and Display Driver Integration)向け需要も貢献した。

 エッチング装置や評価装置を中心に事業を展開する日立ハイテクノロジーズは、半導体製造装置で構成される電子デバイスシステム部門において、EBITベースでの利益予想は若干引き下げたが、売上高見通しは微調整ながらも上方修正を図った。

 測長SEMなどの評価装置はメモリー投資の減少に伴い売上高予想を引き下げたものの、エッチング装置が主体のプロセス製造装置部門は主要ロジック顧客の投資拡大に伴い、予想を引き上げた。直近の10~12月期の電子デバイスシステムの受注高は、前四半期比倍増の512億円を記録。とりわけ、プロセス製造装置は329億円と過去最高の受注水準となった。

大幅減益予想のSCREEN

 一方で、大幅な業績予想の下方修正で話題を集めたのがSCREENホールディングス。全社業績予想は売上高が3740億円から3620億円、営業利益は435億円から290億円に引き下げた。主力の半導体製造装置(SE)で納期調整やコスト増が重なり、営業利益は従来予想から大幅に見直すこととなった。

 修正要因のほとんどがSE事業によるもの。主な要因としては、メモリー向けの納期調整による売上高の減少に加え、顧客の仕様変更に伴うコスト増、将来を見据えた戦略的価格販売の実施、一時的な費用増などを挙げている。垣内永次社長も「SEのオペレーション全体で無駄がいろいろとあった」とコメント。SE事業が本来設定していた営業利益率のターゲットである、20%を目指せる体制づくりを再度進めていく姿勢を強調した。

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