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声がブス!? 金融機関のモンスタークレーマーは何を主張するのか?

LIMO / 2019年2月24日 12時15分

声がブス!? 金融機関のモンスタークレーマーは何を主張するのか?

声がブス!? 金融機関のモンスタークレーマーは何を主張するのか?

最近何かと話題になる「モンスタークレーマー」の話。理不尽な要求をしたり、本筋とは全く関係ない話で応対した相手を貶めたり、色んなタイプのクレーマーがいるようです。今回は、金融機関勤務経験者たちから、これまでに遭遇したことのあるクレーマーについて話を聞いてみました。

家族の口座を使って…

証券会社の中で最も困るクレーマーの一つが「家族の口座を使っている」パターンです。このクレームはネット上で顧客が自由に取引するネット証券やネット銀行などでよく聞かれるとのこと。そもそも証券会社では家族をはじめ、友人や知人など他人の口座を使ってあたかも本人のように取引することは「仮名取引」もしくは「借名取引」と言い、禁止されています。

そのため、そうした場合にはしかるべき措置を取らざるを得ません。証券会社で顧客対応をしている人なら一度は「ご家族の口座を使ってお取引しないでください」「ご本人以外の方がお取引するのはおやめください」というようなことをお客様に伝えたことがあるでしょう。

特に、本人に悪気はないのですが、高齢の両親の口座を使って息子や娘が取引するパターン、「私はよくわからないから、あなたに任せるわ」と母親が息子に口座を託すというパターンが多いようです。また、妻の口座を夫が管理しているというパターンで、たとえば妻の銀行口座から夫の証券口座に入金の操作をすると、入金できないケースもあります。

今回聞いたクレームも、妻の銀行口座から夫の証券口座に入金したにも関わらず入金されていないという問い合わせが発端でした。電話は夫からかかってきており、自分が妻の銀行口座も管理しているから妻の銀行口座から自分の証券口座に入金できるようにしろというもの。電話応対した担当者は当然、他人の銀行口座からの入金はNGだと伝えたものの、そのお客さんは一向に理解せず、挙句その担当者を恫喝し始めたというのです。

妻の証券口座も自分が取引している、家族だから問題ない、何がダメなのか、家族の問題に証券会社の社員が口を出すななどと怒鳴り散らし、さらに「声がブスだ」「お前は太っているだろう」などと、この話とは関係のない人格否定のようなことを言われたとのこと。

「金融機関のルールは複雑ですし、いいと思っていたことがダメだと言われて複雑な気持ちになるのはわかりますが、ここまで言われてしまうと…」と、担当者もしかるべき措置を取らざるを得なかったようです。

個人情報を教えてほしいと…

先のパターンと似ていますが、よくあるのが他人の口座の情報を教えろという問い合わせです。具体的には、家族や親戚の口座情報です。「母の口座にはいくらお金が入っているか」「父はいつ御社で口座を開設したのか」「家族の持っている株の配当が入金される銀行口座はどれか」など、他人の口座に関する問い合わせは意外と多いようです。

すべてが悪意のあるものだというわけではありませんが、当然金融機関としては個人情報の守秘義務がありますから、たとえ家族であっても問い合わせに応じることはできません。あるクレーマーからの電話も、悪意があってのものではなく、「母親が株の配当が入ってこないと言っている。入金先の銀行口座を教えろ」というものでした。

その母親の配当の受け取り方は「株式数比例配分方式」という、証券口座に配当が入金される方法でした。しかし、母親はそのことがわからず、銀行口座に入金されるものだとばかり思っていたのです。ここまではよくある話で、本人から電話がかかってきたら、本人確認後にその旨を伝えることができたでしょう。しかし、息子は家族であっても他人は他人。他人の問い合わせに勝手に回答することはできません。

担当者は「一般的な話として、証券口座に配当が入金される株式数比例配分方式という配当の受け取り方がある。その受け取り方を指定しているのではないか。お母さま自身でウェブ画面上で確認してほしい」と回答。しかし相手は、「一般的な話ではなく、母親の口座がどういう受け取り方になっているかを知りたい」「母親はウェブ画面の操作ができないから聞いている」と主張。

言っていることは理解できるものの、そこは担当者も譲れない話。結局その電話口のお客さんは担当者のフルネームを執拗に聞いたり、「いまどこにいるのか。いまからそちらへ行って直接話をつけてやる」などと脅したりしたのだと言います。

個別の事情があるのは理解できますし、融通が利かないと思うかもしれませんが、そこは守らないと金融機関としての信用を揺るがすことになりますよね。

必要書類が揃わないのに…

銀行でよくありがちなのが、必要書類が揃っていないのに証明書を発行しろという要求。これについても、必要書類が揃っていないと発行できないことを伝えて、何とか顧客に書類を用意してもらうほかに手立てがないのですが、こういった対応に対しても「融通が利かない」などのクレームが入ると言います。

ある顧客が銀行窓口で残高証明書を発行してほしいと依頼をしに来ました。しかし、通帳もキャッシュカードもなし、お届け印も持っていない、あるのは免許証のみ。さらに本人ではなく、夫の残高証明書が欲しいと言います。

さすがに本人の来店でもないですし、何より残高証明してほしい口座すらわからない状態でしたが、「名前と住所で検索しろ、電話番号もわかるから十分だ」の一点張り。さすがの担当者も困り果ててしまって、粘り強く交渉して理解してもらおうと努めたらしいのですが、らちが明かず。

その女性は窓口で大きな声を張り上げて「融通が利かない」「家族だからいいだろう、知る権利がある。なぜ権利を妨害されないといけないのか」「だからこの銀行は営業不振なのではないか」などと喚き、ほかのお客さんも眉をひそめていたと言います。実際にこうしたパターンは少なくなく、銀行ではよくあるパターンのクレームなんだとか。しかも、この女性も担当者の人格や容姿を否定するようなことを大声で言って、担当者を困らせたと言います。

まとめ

クレーマーにも色々な人がいますが、今回は金融機関独自の厳しいルールに対して「融通が利かない」と感じる人が多いという印象でした。顧客の大事な資産を預かる金融機関という立場である以上、厳しいルールや決まり事があります。確かに「融通が利かない」と思うこともあるかもしれませんが、それはあくまで顧客を守るために必要なこと。決して担当者の意地悪で言っているわけではありませんから、そこは理解しておきたいものですね。

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