個人投資家みんなの悩み、「決算またぎ」対策法を徹底解説!
トウシル / 2017年11月2日 15時0分
個人投資家みんなの悩み、「決算またぎ」対策法を徹底解説!
3カ月に1回の決算発表シーズンですが、この時期の個人投資家の悩みと言えば、「決算をまたいで株を保有すべきかどうか?」。
今回はこのテーマについて、筆者の経験を踏まえ徹底解説していきます。
個人投資家が憂鬱になる「決算発表」シーズン
個人投資家の多くは決算発表のこのシーズン、憂鬱(ゆううつ)な気分になるのではないでしょうか。筆者はそうです。それまで平穏な動きをしていた保有株の株価が、決算数値が発表により乱高下し、時には大きな損失を被ってしまうからです。
実際、決算発表シーズンとそれ以外の時期を比べると、決算発表シーズンのほうが圧倒的に損失を被りやすいというのが筆者の実感としてもあります。
特に決算発表により株価がどう変動するのかは事前の予測がつきにくく、まさに「出たとこ勝負」です。そのため、決算発表前後で株を保有し続けるかどうかは、投資戦略上とても重要なポイントです。
短期売買と中長期投資とでは考え方が大きく異なる
株式投資の手法には、投資対象とする期間の長短により、デイトレードなどの「短期売買」と、ある程度の期間、保有し続ける「中長期投資」に二分されます。これらは手法が大きく異なります。
もし短期売買をしているのであれば、決算発表をまたいで株を保有し続けることは避けるべき。なぜなら、短期売買は短い期間で売買を完結させることで、決算発表などをはじめとした予測不能、かつ大きな株価変動のリスクを回避する手法だからです。
また、決算発表日が近くなると、事前に業績予想を修正する会社が増えます。これも株価が大きく変動するリスク要因となるため、短期売買の場合は決算発表日が間近な銘柄を投資対象にするべきではありません。
筆者が「決算またぎ」をする理由
短期売買では決算発表をまたいで株を保有しないのが通常です。しかし、筆者を含めた中長期投資をしている投資家にとっては、決算発表をまたいで保有するしないは非常に悩ましい問題です。
この点、筆者は決算発表シーズンに特別な対応をすることなく、上昇トレンドの銘柄であれば保有を続け、下降トレンドに転じたら売却する、という通常と同じルールで売買しています。決算発表前の時点で上昇トレンドであれば、そのまま保有を続けます。
確かに決算発表をまたいで株を保有した結果、冴えない業績により株価が急落するケースは少なくありません。しかしその一方で、好業績の発表により株価が急上昇する銘柄も数多くあります。
つまり、決算発表により株価が上昇する銘柄と下落する銘柄があり、それらをトータルに見てプラスであれば、決算発表をまたいで保有すべきと考えています。
筆者は、決算発表前に下降トレンドになっている銘柄は保有しません。会社の業績というものは、実際に会社側からの発表前にプロの投資家がある程度は把握できるからです。そのため、好業績が期待できる銘柄は、決算発表前にすでに株価が上昇しているケースが多いのです。
好決算の可能性が高い、上昇トレンドにある銘柄のみを保有して決算発表を迎えることで、その後の銘柄ごとの乱高下による多少の損失はあっても、トータルすればプラスで決算発表を乗り越えることが、筆者はできています。
決算発表前に売却したら、どうなるか?
では、決算発表前に保有株を売却すると、その後どうなるでしょうか?
これを検証することにより、決算発表をまたいで保有を続けることのメリットが見えてきます。
決算発表により株価が急落するのは、言うなれば業績が期待外れだった銘柄です。一方、業績が好調な銘柄の株価は決算発表後、急騰します。このような決算発表を原因とした急騰、急落の影響を避けるには、決算発表前に保有株を売ることが必要です。
ただ、問題なのは決算発表後です。
今後も保有を続けたい好業績の銘柄は、決算発表の前に保有株を売っているのですから、再度買い直しをしなければなりません。しかし、決算発表により株価が急騰。高値づかみを考えると、今から買い直しはできません。
一方、買い直しやすいのはそれ以外の銘柄、つまり業績がそれほど良くない銘柄です。好業績の銘柄とそうでもない銘柄、どちらの株価がより上昇しやすいかと言えば、答えを申し上げるまでもありませんね。
決算発表前に保有株を売却することで、好業績で株価が大きく上昇する可能性が高い銘柄を決算発表後に買い直すことができなくなってしまうのです。だとすれば、多少の損失を被ることも覚悟で、決算発表をまたいで株を保有し続けるほうが成果が出やすいと思いませんか?
決算発表で株価が急落する株を保有し続けることを避けたい気持ちはわかります。でもその一方で、保有株の株価急騰、さらには買い直しの機会も失ってしまうことによる損失も計り知れないものがあります。
まさに「損して得取れ」。マーケットが上昇基調にある中、長い目で見れば「決算発表をまたいで株を保有するほうが有利」が筆者の導き出した結論です。
(足立 武志)
この記事に関連するニュース
-
NYダウ最高値だが製造業は世界的に不振、年末対策は?(窪田真之)
トウシル / 2024年11月25日 8時0分
-
米国株 エヌビディア決算ついに発表 ここからのAI相場
トウシル / 2024年11月22日 7時30分
-
「株価急騰しているけど今から買っても大丈夫?」に対する一つの考え方
トウシル / 2024年11月21日 11時0分
-
「上がっている株VS下がっている株」どちらに投資すべき?株価の上下が意味すること
トウシル / 2024年11月14日 11時0分
-
駐米で米国投資を開始、資産1億円突破!米国株投資家・ともさんインタビュー[前編]
トウシル / 2024年10月27日 11時0分
ランキング
-
1日経平均株価が再度上昇するのはいつになるのか すでに「日柄調整という悪材料」は織り込んだ
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時30分
-
2自然界最強「ミノムシの糸」を製品化、スポーツ用品や自動車に活用へ…興和「化学繊維に代わる存在に」
読売新聞 / 2024年11月25日 10時50分
-
3京都の老舗を支える「よきパートナー」という思想 自社だけでなく、客や取引先とともに成長する
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 14時0分
-
4スエズ運河の船舶通過激減 パナマも、供給網負担重く
共同通信 / 2024年11月25日 16時29分
-
5あなたは気づいてる?部下が上司に抱く不満8選 部下は上司への不満を言わないまま辞めていく
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください