ドル/円は、米雇用統計で反発。しかし反転には至らず
トウシル / 2017年11月6日 11時10分
ドル/円は、米雇用統計で反発。しかし反転には至らず
前日(11月3日)の市場概況
ドル/円:雇用統計でも最近のレンジを抜け出せず
週末NY市場のドル/円は、10月の米雇用統計が予想に届かなかったことで、発表直後に114円台前半から113.63円まで急落。しかし下げは限定。悪いといわれていた非製造業ISMが強かったことがドル買いを加速させて、10月27日の高値に並ぶ114.43円まで反発しました。
ただ上値も重く、5月と7月に形成したダブルトップの上抜けはまたも失敗。NY市場午後からは値を下げ、終値は114.08円(前日比+0.022)でした。
10月の米雇用統計の非農業部門雇用者数は+26.1万人と、前回から大幅に増えたものの、それ以上を期待していたマーケットにとっては、残念な結果となりました。雇用者の推移をみると、1~7月は月平均で18.1万人増えています。9~10月の平均が14.0万人ですから、ハリケーンの影響がまだ残っているようです。平均労働賃金は、前回0.5%に上昇しましたが、10月は横ばい。9月の賃金上昇は、一過性の現象に終わりました。
全体として今回の雇用統計は、失業率が下がったことを除くと期待ほど強くなかったわけですが、FRB(米連邦準備制度理事会)の12月利上げを妨げるほど悪くはなかったとの評価に落ち着きました。
ユーロ/ドル:1.60ドル台で上下
1.1650を中心とした取引を続けていたユーロ/ドルは、米雇用統計発表後に1.1690まで急上昇、そして1.1599ドルまで下落。1.16台のレンジから抜け出せませんでした。(チャート2)
ECB(欧州中央銀行)会合で、ユーロの今年の材料はほぼ出尽くしました。一方、ドルにはまだ12月FOMC(米連邦公開市場委員会)という切り札が残っています。FRB次期議長にパウエル理事が決まり、ドルの不透明材料がひとつ消えたことは、ドルを買いやすくさせると同時に、ユーロの上値を重くしています。
ユーロ/円:NY市場引けにかけて下落
ユーロ/円は133円台が重く、この日の高値は米雇用統計前につけた133.14円。NY市場の午後は、ドル/円とユーロ/ドルが共に132.39円まで売られました。(チャート3)
この指標を見逃すな!! 11月6日の注目イベント
スイスCPI、ドイツ、欧州PMI(改定値)
スイスの10月CPI(消費者物価指数)は前月比+0.2%の予想。スイスのCPIは、欧州圏のインフレが上向いていることもあって、来年は強含みで推移すると考えられます。SNB(スイス国立銀行)のマイナス金利政策や介入を通したスイスフラン安政策は、その正当性を失ないつつあります。
9日に発表されるスイスの失業率は3.0%で横ばいの予想。その他ユーロ圏では、ドイツと欧州のサービス業PMI(購買担当者指数)の改定値。本日は、米国の指標発表予定はありません。
(荒地 潤)
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