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投資信託を買うまでのプロセス

トウシル / 2009年1月5日 0時0分

投資信託を買うまでのプロセス

投資信託を買うまでのプロセス

 前回のコラムでは資産配分(株式と債券の比率)の簡単な決め方をお話しました。今回はみなさんが資産運用においてメインの金融商品として使う投資信託を買うまでのプロセスをお話します。投資信託の基本的な説明については当コラム「はじめに知っておきたい3つの金融商品」を参照してください。

 最近、投資信託という言葉はよく聞くと思いますが、現在、日本には何本ぐらいの投資信託があるでしょうか?
答えは約3000本です。3000本というと東証に上場している会社の数とほぼ同じです。みなさんが買う投資信託の本数とは多くても10本以内だと思うので、3000本の中からどのように自分に合った投資信託を選べばいいのかを考えると途方に暮れるかもしれません。
そこで、スクリーニングの方法を考えてみましょう。まず、投資信託というのは大きく分けて二つのタイプに分かれます。1つはアクティブファンド、もう1つはインデックスファンドと呼ばれるものです。アクティブファンドとはみなさんがイメージする投資信託に近いもので、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの運用者が、将来値上がりしそうな銘柄、あまりにも売られすぎている銘柄などを買うことによって高パフォーマンスを狙います。一方、インデックスファンドというのは、市場平均に連動するファンドのことを言います。市場平均とは例えば日本では日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)、米国ではNYダウ、 S&P500などが有名ですね。これらの市場平均指数に連動する形のものをインデックスファンドと言います。

 インデックスファンドとアクティブファンドの説明をするときに、私はいつも音楽業界の例え話を使います。インデックスファンドは音楽業界で言えば、その音楽業界全体の伸びに投資をしているのと同じで、一方アクティブファンドとは音楽業界でも今後伸びそう、大化けしそうなアーティストに集中して投資をするファンドのことです。

 インデックスファンドとアクティブファンドの一番の違いはそのコストにあります。インデックスファンドというのは市場に連動させるように作っているので、余計な費用がかからずコストが安くなります。一方、アクティブファンドはファンドマネージャーが会社訪問をしたり、企業分析をしたりする分コストがかかります。日本株に投資をするインデックスファンドとアクティブファンドの信託報酬を比べた場合、インデックスファンドで0.5%前後、アクティブファンドで1.5%前後かかるので、アクティブファンドの方が毎年1%ほど多く費用を取られるということになります。インデックスファンドというのは単に市場平均を買うだけですから、あまり面白みがないかもしれませんが、市場平均を上回る成果を出しているファンドを買いたいという人はぜひそのファンドの成績を市場平均と比べてみてください。楽天証券でファンド検索をすると、ファンドのリターンとベンチマークと呼ばれる市場平均を見ることができます。そして、もしそのアクティブファンドが市場平均より負けていたら、高い手数料を払ってまでも買う必要はないですし、もし3~5年の期間で見て市場平均より年率で1%以上、上回っているのでしたら、検討の余地はある、となります。

 次に投資信託を買う際の注意点を考えてみたいと思います。それは投資信託というのは繰上げ償還というものがあるということです。現在販売されている投資信託のほとんどは償還日が一応無期限となっています。つまり、順調に運用している限りは無期限で運用をするよというものです。しかしながら、意外と途中で繰上げ償還、“もう運用はやめさせてもらいます”となることが多いのを知っておいてください。投資信託というのは多くの方からお金を集めて運用をしているものですが、運用成績が良くないと、投資家から見切り解約をされ、解約が増えることによって、さらに運用成績が悪くなるという負のスパイラルに入ってしまいます。そして、ある一定の規模を下回ると繰上げ償還と言ってその時の時価で返されてしまうのです。できることならこういうファンドは買いたくないですよね。そのためにも、投資信託を買う際には、

をチェックし、できるだけ繰上げ償還リスクの少ないものを買いましょう。
このスクリーニングは楽天証券の“こだわり検索”を使うことによって簡単にできます。

 投資信託を買うプロセスをまとめると

(1)資産配分を決める(株式と債券、先進国と新興国など)

(2)インデックスファンド、アクティブファンドの比率を決める
(アクティブファンドの場合はベンチマークである市場平均との差を確認する)

(3)そのファンドが繰上げ償還リスクが少ないか検討する

(4)購入する

 次回は投資信託を購入する際に使いたい“積立投資”についてお話します。

(中桐 啓貴)

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